パリのオートクチュール・ウィークに日本から唯一参加するファッションブランド、YUIMANAKAZATO(ユイマナカザト)のデザイナー中里唯馬さんが衣裳デザインを手がけた、オランダ出身の気鋭振付家ナニーヌ・リニング(Nanine Linning) さんによるボストン・バレエ団の新作バレエ『ラ・メール』(LaMer)が、2023年4月6日にボストンで上演されました!!

この作品は、米国マサチューセッツ州のボストン・オペラハウ(The Citizens Bank Opera House a.k.a Boston Opera House)で開催されたプログラム「Our Journey」の一環として、ジャスティン・ペックさんの「Everywhere We Go」と共に上演されたもので、『ラ・メール』は世界初公演になります。同作のベースとなっているのは、クロード・ドビュッシーの美しい交響詩「海」と、海の精セイレーンの神秘的な歌声を、女性合唱と緻密なオーケストレーションで表現した合唱作品「シレーヌ」（Sirènes）です。

33人のダンサーによって構成され、演奏をボストン・バレエ・オーケストラ、そしてボストンの名女性ボーカルグループ、ローレライ・アンサンブルが行い、作曲家ヤニスキリアキデスが新たに作成した音楽作品と舞台上でぶつかり、響き合います。

リニングさんが、YUIMA NAKAZATOの2022秋冬クチュール・コレクションにおいてパフォーマンスの振り付けと、キービジュアルの撮影でモデルのポーズの監修を行ったことがきっかけとなり、今回のコラボレーションにつながりました。

海をテーマにした同作は、アーティストの視点を通して海洋保全の重要性に光を当てています。そのため、中里さんは、海に対するリニングの解釈と中里さん自身のブランド、YUIMA NAKAZATOの美学を融合させながら、リサイクルされた海洋プラスチック素材を使って、30人を超えるダンサーとコーラス歌手の衣装をデザインしました。

中里さんは、「多様な議論が求められる地球環境問題を、現代バレエという非言語による舞台芸術を通じて解決しようとする試みは、大きな意義があると思います。数ある表現の中でも、人体を通じてメッセージが表されるダンスによって、人類と地球との関係性を表し、人々により強く問いかけることができるのではないか、と思います。そういう意味で『La Mer』がこの時代に発表されることに感謝したい。衣装デザインを通して、生命を維持するために欠かせない重要な要素を視覚化し、それを衣装としてパフォーマーに着せることで、人間と自然の関係の未来を表現したいと考えています」とコメントを寄せています。

【公演概要】

■タイトル

Nanine Linning作　ボストンバレエ団新作ダンス『ラ・メール』

■日程・会場

2023年4月6日(木)～4月16日(日)
ボストン・オペラハウス The Citizens Bank Opera House a.k.a Boston Opera House

■コンセプト、振り付け、舞台演出　Nanine Linning
■音楽　Claude Debussy (La Mer & Sirènes)
■劇作法、演出法　Peggy Olislaegers
■衣装　Yuima Nakazato
■映像　Heleen Blanken
■照明　Brandon Stirling
■音響構成　Yannis Kyriakides
■舞台芸術　Benjamin Phillips
■コーラス　Lorelei Ensemble

■公式ホームページ

ボストン・バレエ団　https://www.bostonballet.org

(2023,04,17)

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