数々の演劇賞を受賞したブロードウェイミュージカル『カム フロム アウェイ』が、2024年3月に豪華キャストで日本初演されます。
本作は、2001年9月11日の同時多発テロの裏で、カナダにある小さな町・ニューファンドランドで起きた実話を基にした物語。12人の出演者のみで100人近い役を次々に演じ、5日間の物語を紡ぎ出します。
ジャニス(とそのほかの役どころ)を演じる咲妃みゆさんに、公演への意気込みや共演者の印象、さらにはNorieM恒例のファッションについてもうかがいました!!

 

―今回のオファーを受けたときの率直なお気持ちを教えてください。
即答で「出演させていただきたいです」とお返事しました。この作品のテーマに胸を打たれ、ぜひ携わらせていただきたいという気持ちでした。

 

―出演が決まる前からこの作品についてご存知だったんですね。
はい、存じ上げていました。実際に観劇したことはないのですが、素敵なミュージカルだと耳にしておりました。なので、あの作品がとうとう日本に上陸するんだと。携わらせていただける喜びが大きかったです。

 

―本作のどんなところに魅力を感じていますか?
公演の映像を拝見したのですが、これほど少人数でシンプルな舞台セットで何千もの人々が関わる実話を見事に表現できていることに驚きました。ミュージカルの可能性や、人の成し得る可能性をとても感じて、感銘を受けました。何より演じていらっしゃる皆さまのパフォーマンス、そしてそれをご覧になるお客さまの反応が全てを物語っているのだと感じました。絶望の中にも希望を見出す人たちの姿がしっかりと描かれていて、きっと最大限に事実を届けようとする作品なのだと思います。今回、日本で上演する上で、作品と客観的に拝見した時に感じた熱気は忘れずに挑みたいと思っています。

 

―今作では、それぞれのキャストが複数の役柄を演じますが、咲妃さんがメインで演じるジャニスはどのようなキャラクターですか?
ジャニスはニューファンドランド島の新人リポーターです。彼女は島民と飛行機の乗客の中間にいる存在のように思います。局での仕事初日に大変な出来事に巻き込まれた人たちを何とか報道で導こうと奮闘する姿が、今、お稽古でてんやわんやになっている自分と重なるような…。彼女はきっと、この状況下で不安や戸惑いや恐怖をたくさん感じていたと思います。リポーターとして奮闘する姿と内面の不安の両方を、100分のミュージカルの中で表現できたらと思います。

それから、実際のエピソードを調べていくと、島民の方も飛行機の乗客の方もほぼ寝ずに5日間を過ごすことになったと書いてありました。精神的にもとても苦しい状況で人と人が手を携えて、何とか乗り切ろうとしていく姿をミュージカルとして残そうと思った方々の熱意や覚悟や願いに、私も向き合っていきたいと思います。今回は、ジャニス以外にも演じさせていただくお役がありますが、それぞれ個性豊かな登場人物をいただいているので、スピーディーに物語が進んでいく中できちんと演じ分けていきたいと思っています。

 

―実際に起こった出来事をミュージカルにしているからこそ伝わるものがありますよね。
この経験や記憶、感情を過去の出来事として終わらせないという強い思いがこの作品からひしひしと伝わってきます。安蘭さんもおっしゃっていましたが、この作品からは「決して屈しない」といういわば誓いのようなものも強く感じますし、今、この世界情勢の中で上演に至るということにも、私はすごく意味を感じています。この作品が持つメッセージをお伝えしていけたらと思います。

 

―今、お名前のあがった安蘭さんをはじめ、共演には豪華なキャストの方々が集まっています。そんな豪華キャストの方々との共演で楽しみにしていることを教えてください。
「こんなに安心感のある方々がおそろいになっている!」とビジュアル撮影のときから感動しました。「ああ、あの方がいらっしゃる。あの方とあの方がしゃべっていらっしゃる…すごい世界だ!」と(笑)。きっと皆さまそれぞれが作品やお役への向き合い方が異なると思うので、そんなご様子をお稽古場で拝見できると思うと、本当にありがたい限りです。ミーハー心にふたをして、しっかりと役目をまっとうしたいと思いますし、今はとにかく楽しみです。

 

―最後に改めて公演への意気込みと読者の方にメッセージをお願いします。
大変大きな挑戦をさせていただける作品に巡り合えました。ご縁に感謝して、全身全霊でお客さまにこの作品をお届けしたいと思っておりますので、東京そして各地の公演に足を運んでいただけたらうれしいです。よろしくお願いします。


▶︎咲妃みゆさんのファッション事情◀︎
―今日のお衣裳のポイントを教えてください。
スタイリストさんに選んでいただいたのですが、「カム フロム アウェイ」といえばブルーが印象的なので、このお色を選んでくださったのだと思います。それから、リポーターの役をさせていただくので、立ち襟のキチッとした印象のお衣裳になっているのだと、私は勝手に思っています(笑)。

 

―普段はどんなファッションがお好きなのですか?
どんどん変わるんですよ、興味が向くものが。年々、シンプルなファッションが好きになってきています。この秋冬は、タートルネックにデニムが多いです。宝塚歌劇団に在籍していた頃はなかなか着ることがなかったお洋服をたくさん着るようになりました。先日、宝塚の同期生に久しぶりに会ったら、「卒業後のゆうみ(咲妃さん)のファッション、すごく好きだよ」と言ってくれて、うれしかったです。

 

―最近買ったお気に入りのファッションアイテムは?
カラーグラスを買いました!! 「Re:See」というブランドの薄いグレーのカラーグラスです。すごく軽くて頭を振っても全然ずれないんですよ。最近、眼鏡が好きなので活用しています。

 

―お仕事がない日は、眼鏡で過ごしているんですか?
眼鏡です。車の運転をする時はサングラスを掛けています。なので、良いのがあるかなと常に探しています(笑)。

 

―最近のマイブームは?
それ聞いちゃいますか? 長くなりますよ(笑)。野球、車の運転、食べることが私の三本柱です。

 

―意外な3つでした。
よく言われます。野球は好きになって約3年まだまだ新参者の域です。このお仕事をさせていただく上で数多くの学びをいただけるので、ただのファンというよりは少し違う角度から野球を見ているファンだと思います。

 

―車の運転もお好きなんですね。
まだ免許を取得して1年くらいしか経っていないんですが、取得1年目とは思えないくらいの距離を乗っていると思います。先日、宮崎に帰省して、父と母とゆっくり過ごさせていただいたのですが、その間に、約981キロ乗っていました(笑)。東京から山口県くらいの距離です。それを1人で運転していたんですよ。母に「あなたがどれだけ運転が好きか、よく分かったわ」と言われました(笑)。

 

―そして、「食べること」。
食べることが好きになったのは、宝塚歌劇団を卒業してからです。劇団に在籍していた約10年は、栄養補給くらいの感覚でしかなくて、美味しいものを食べに行きたいという気持ちが湧くこともあまりなかったのですが、卒業して、食事をするってこんなに豊かな時間なんだと気付いて。それから、いろんなお料理を知りたくなってあちこち行ってます。お気に入りのお店リストを作っているのですが、1725軒くらいあります(笑)。

 

【profile】
咲妃みゆ/Miyu Sakihi
1991年3月16日生まれ。宮崎県出身。
2010年宝塚歌劇団に入団、2014年雪組トップ娘役に就任。2017年退団。退団後もミュージカルや舞台を中心に活躍中。2021年第46回菊田一夫演劇大賞を受賞。近年の主な舞台作品は、『NINE』『シャボン玉とんだ宇宙までとんだ』(2020)、『ニュージーズ』『衛生~リズム&バキューム~』 『ゴースト』(2021)、『千と千尋の神隠し』(2022)、『マチルダ』『少女都市からの呼び声』(2023)、映画作品は、『窮鼠はチーズの夢を見る』(2020)、『アイの歌声を聴かせて』劇中アニメ挿入歌(2021)、ドラマ作品は、『まだ結婚できない男』(2019・CX)『警視庁強行犯係 樋口顕 Season2』(2022・TX)、『津田梅子〜お札になった留学生〜』(2022・EX)、など。
▪️公式ホームページ
https://sakihimiyu.com/
▪️公式Instagram
https://www.instagram.com/miyusakihi/

photo:Hirofumi Miyata/styling:Kazumi Honna/hair&make-up: Sachie Kunimoto/interview&text:Maki Shimada


【STORY】
2001年アメリカ同時多発テロ勃発。アメリカ合衆国の領空は一斉閉鎖された。アメリカ国内の空港に向 かっていた世界各国の旅客機のすべてが、急遽国外の空港にルート変更を要される。その行き先のひとつに指 定されたのが、カナダ北東部Newfoundland島にあるGander国際空港だった。ここは、長距離飛行が実用化さ れる以前の時代、北米のハブ空港として、あるいは軍事拠点として利用されていた歴史があった。ひとつの町 がすっぽり入るほど巨大な空港であるがゆえ、大量の大型旅客機を受け入れるキャパシティーが見込まれた。 そして、この島にルート変更し送り込まれた飛行機は実に38機。空港に降り立った乗客の数は7,000人 になり、わずか1万人というNewfoundland島の人口は、一瞬にして2倍近くに膨れ上がった。町の人々は 突然現れた旅客難民のために動き始める。

 

【公演概要】
■タイトル
ブロードウェイミュージカル『カム フロム アウェイ』
■日程・会場
東京公演:2024年3月7日(木)〜3月29日(金) 日生劇場
大阪公演:2024年4月4日(木)〜4月14日(日) SkyシアターMBS
愛知公演:2024年4月19日(金)〜4月21日(日) 愛知県芸術劇場 大ホール
福岡公演:2024年4月26日(金)〜4月28日(日) 久留米シティプラザ ザ・グランドホール
熊本公演:2024年5月3日(金・祝)〜5月4日(土) 熊本城ホール メインホール
群馬公演:2024年5月11日(土)~5月12日(日) 高崎芸術劇場 大劇場

■脚本・音楽・歌詞 アイリーン・サンコフ/デイヴィッド・ヘイン
■演出 クリストファー・アシュリー
■ミュージカルステージング ケリー・ディヴァイン
■出演
安蘭けい 石川禅 浦井健治 加藤和樹 咲妃みゆ シルビア・グラブ 田代万里生 橋本さとし 濱田めぐみ 森公美子 柚希礼音 吉原光夫 ほか(五十音順)
■公式ホームページ
https://horipro-stage.jp/stage/comefromaway2024/

(2024,01,23)

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▶️咲妃みゆさんのコメント動画&アザーカットをNorieM shop&magazineのInstagramで公開中!!

下記のリンクからご覧いただけます!!

https://www.instagram.com/noriem_press/