コミックスは全世界シリーズ累計部数8,000万部を超え、2023年に初の舞台化で大きな話題を呼んだ舞台『鋼の錬金術師』の続編が6月から上演されます。
本作は、「ハガレン」の愛称で親しまれ、錬金術を用いたバトルアクション、歴史や国家をまたにかけた壮大かつ緻密なストーリー、生き生きと描かれる個性豊かで魅力的な登場人物たちの姿を舞台効果と俳優の身体表現の限りを尽くした演出や原作から飛び出してきたようなリアルなキャラクタービジュアル、生バンドによる演奏で、観客を一気に物語の世界へ誘い注目を集めました。
2024年6月に上演される待望の続編で、第一弾から引き続き、ロイ・マスタングを演じる蒼木陣さん、和田琢磨さんへ作品への想い、前作でのエピソード、NorieM恒例のファッション事情についてお話しをうかがいました。

 

ー前作に引き続き、ロイ・マスタングをWキャストで演じますが、お互いの印象や前作でのエピソードを教えてください。
和田さん「Wキャストの役の作り方っていろいろあると思うのですが、一緒に役を作るというよりも、それぞれのロイ・マスタングを深めてそれぞれの良いところを盗んでいく感じで作りました。陣くんはロイの年齢に近いので、リアルな青年像が体現されて、その年代の持ち味が存分に発揮されているという印象でした。そして、本人が背負っている役者としての志とロイの持つ経験や感情が重なる瞬間があって、すごく魅力的に見えましたね!!」

蒼木さん「琢磨さんは僕にとっては大先輩。これまで培ってきた経験があって、今の琢磨さんがあり、ロイも過去に苦しい経験があって今の大佐という地位がある。ふたりの歩んできた軌跡とロイと琢磨さんとの人生観が重なって、言葉の重みがあり、自然とついていきたいと思えるロイ・マスタングでした。ただそこに存在しているだけで説得力がある琢磨さんのロイに、すごく魅力を感じました。前作は大阪からの上演スタートで、(大阪公演に)琢磨さんがいなかったので寂しかったです(笑)。大阪公演期間中は僕ひとりでロイ・マスタング役を担っていたのでしっかり東京につなげなくては!!という思いでした」

 

ー原作も人気の本作での作品自体の魅力をどんなところに感じていますか?

和田さん「まずは、物語のスケール感がものすごく大きいところですね。国をまたいで冒険したり、いろいろなキャラクターが出てきたり、すごくスケール感が大きい話なんですが、取り扱っているテーマ、出てくる題材は人間の生死、どうして生まれて、どうして死んでいくんだろうという普遍的なものです。一見、2人の兄弟の冒険物語に着目されがちですけれども、命の大切さ、重さをすごくデリケートに丁寧に扱っている作品だなという印象です。そこが世代を超えて愛され続ける理由の1つなのかなと思いますし、その部分を(脚本・演出の)石丸さんが非常にこだわって作ってらっしゃいました。そういう思いが共演者やスタッフに伝染し、お客様にも感じてもらえたので、第一弾はすごく良い 評価をいただけたんじゃないかなと思います。命を扱う繊細さは引き続き今作も持っていけたらいいなと思っています」
蒼木さん「石丸さんのお話しが出ましたが、石丸さんは、衣裳の色味や、アルフォンスの足音のちょっとしたニュアンスにも“もう少しこうしてほしい”と具体的にリクエストして、本当に細部までこだわっているんです。キャストだけでなく、スタッフさん1人1人とも向き合って、愛を持って演劇を作ってくださった方なので、それに引っ張っていただいて第一弾が成功したのかなと思います。原作の魅力で言うと、僕は昔読んだ時はあれ? 最初出てきた時敵だったのに回を重ねていくと、そことそこが共闘するんだ、この2人が仲間になるんだ。次はさっきまで仲間だと思ってたのに裏切られた!とか。共闘にすごく魅力を感じていたんです。でも、年を重ねて改めて読むと、命の重さや生々しさを感じる描写が多いので、作品の捉え方が随分変わりました。ただ、どの世代にも届くパワーを持った原作だなというのは感じましたし、作品の魅力の1つだと思っています」

 

ーエドワード・エルリックをWキャストで演じた一色洋平さん、廣野凌大さんはそれぞれどんな印象でしたか?

蒼木さん「色が違うお二人ですね」

和田さん「真逆とまではいかないですけど」

蒼木さん「愛の一色、怒りの廣野。Wキャストである意味がとても色濃く出ていたと思います。僕も自分がWキャストで、どう見えるんだろうと思っていましたが、廣野さんと一色さんのWキャストをそれぞれ見ていると、ダブルキャストの面白みってこういうところにあるんだと勇気をいただきました」

和田さん「同じセリフを言っているはずなのに、全然違う感情にさせてくれたりとか、新しい感情を芽生えさせてくれたりします。同じキャラクターなんだけれども、どちらも正解として成立させる。それは石丸さち子さんという演出家の素晴らしい所ですし、彼女の役者本来の魅力を引き出す力というのはすごく素敵だなと思って見ていました。きっとそれを僕と蒼木さんにも当てはめてくれるでしょうから、この人だったら安心して身を委ねて、演出をつけていただきたいなって思える、貴重な人だと思います」

 

ー演じる上で今回楽しみにしていたり、注目しているシーンを教えてください。

蒼木さん「前回は、一部しか出てこなかった軍部の部下が、今回一気に集うので、そこが楽しみです」

和田さん「前作はロイ・マスタングが激昂したり、エモーショナルなシーンがあまりなかったのですが、今回は彼の苦しみや悲しみを体現できるシーンがあり、重要なところなので気合いを入れていきたいです」

 

ー舞台ならではのこの作品の楽しみ方を教えてください。


和田さん「劇場に来ることが、日常である方もそうでない方もいらっしゃると思いますが、そこでは何にも変えがたい 時間の共有があります。我々キャストともそうですし、一緒に観にきてくださった方同士もです。そして、劇場ではキャラクターが目の前で生きて動いていて、舞台『ハガレン』では生バンドもあります!!ちょっとした効果音や間を繋ぐ曲も彼らが演奏してくださることでライブ感が増して、空間全体がイキイキとして感じてもらえると思います」

蒼木さん「この作品は、ここからどうなっていくんだろう?というワクワク感がありますよね。琢磨さんがおっしゃる通り、毎公演役者がそこで生きて、その場で発している言葉と熱量をその場で受け取るという体験は、劇場に来ないとできないことだと思います。結構重いシーンもあるので、もしかしたら人によっては、人生を少し変える きっかけになるぐらいに何か影響を受けていただける可能性がある作品だと思います」

 

ー最後にこの作品への意気込みと、公演を楽しみにしてる方へメッセージをお願いします。


和田さん「今回はすごく内容盛りだくさんなので、観にきてくださった方を置いてけぼりにしないようにひとつひとつのシーンをしっかりと丁寧に演じていきたいです。また、今回から新たに加わった役者の方演じる魅力的なキャラクターが非常に多いので、その存在感に負けないようにロイ・マスタングの魅力をしっかり出していきたいと思っています」

蒼木さん「舞台って演出家によって作品の色が随分変わると思うんです。石丸さんは、いろいろな作品と経験を経ていらっしゃる方で、そういう方とご一緒して演出をつけていただける機会は、役者にとってもありがたい時間です。作品や稽古を通して、これまで以上に成長して、前作より、もう少し大きくなった姿をお客さまに届けられたらいいのかなと思っておりますので、ぜひ生でその姿を感じていただければ嬉しいです」


▶️蒼木さん&和田さんのファッション事情◀️


ー最近買ったお気に入りアイテムを教えてください。

和田さん「ファッションではないんだけれど、目の中にコンタクトレンズを入れる手術をしました。ICLという近視の矯正手術で、今は全部見えてすごく快適です!!」

蒼木さん「朝起きて、コンタクト入れる作業がないっていうの羨ましいですね」

和田さん「地方公演の朝の時間ってすごく貴重なので、その手間がないのはすごく楽ですね」

蒼木さん「本番中に集中してるシーンだと瞬きもしない時があって、乾いてコンタクトレンズが落ちてしまうこともあるので、そこも気を遣わなくていいのはいいですよね」

 

ー蒼木さんは最近買ったお気に入りアイテムはありますか?

蒼木さん「時代劇の現場に入らせてもらって、その時にそう言えば稽古用の草履を持ってないなと思って浅草に行って、草履を買いました」

 

ー初めてのお稽古用草履の履き心地はいかがでしたか?


蒼木さん「楽ですし、当時の方たちは草履を履いて外にお出かけされてたのかなと思うとなんとなく当時の人たちの思いも感じられるので、買って良かったなと思っています」

 

ーこの春夏に挑戦したいファッションは?


和田さん「いつも黒とかグレーを選ぶことが多いので、もう少し色味のあるものも取り入れてみようかな」

蒼木さん「琢磨さんシンプルな色が多いイメージありますね」

和田さん「あまり服を買わないけど、気に入ったものは2着買う時もあります。1着が着られなくなってももう1着があるので、ひとつのものを結構長く着ている方だと思います」

蒼木さん「僕は白のパンツって今までで履いてなかったのですが、この前買い物をした時に、古着のリメイクで白のジーンズにデニム生地を貼り合わせたようなものを見つけて、気持ちも明るくなる季節だから白パンツに挑戦してみようと思って購入しました」

 

ーご自身が輝け続けるために意識してることがあれば教えてください。


和田さん「睡眠を大事にしています。7時間ぐらいは必ず寝るんですけど、寝れば身も心もなんとかなるんですよね!!」

蒼木さん「身も心も(笑)。でも本当にそうだと思います」

和田さん「寝る前に悩んでいたことも、朝起きると少し和らいでることもありますしね」

蒼木さん「睡眠時間を削って取り組むのって良くないって言いますもんね」

和田さん「僕はそれは絶対しないね」
蒼木さん「僕はそれをやってしまう方で、それが自分にとって良いのか悪いのかわからないんですよね。でもなんでもない日にゆっくり寝ると翌朝すっきりするので、ちょっと見習わなきゃなと思いました」

 

ーとても貴重な休日の楽しみ方は?


和田さん「最近少し変わってきて、自分で料理を作って食べるようになりました。とくに身体を気遣ってという訳ではなくて、普通に食べていたけれど、“味噌ってどうやって作るんだろう”と思って、母に聞いてみたら、なんか自分で作ってみようかなと思うようになって。例えばペットボトルがどういう工程で作られてるのか?とかもあんまり普段考えないで 生活していたんですけど、パスタを食べた時に、どうやって作られてるのかとか、考え出したら自分で 1からやってみたくなって。それに手間をかけるのが結構有意義な時間になってますね」

 

ー頭の中もリフレッシュできそうですね!!


和田さん「そうなんですよね。ものができるまでの工程を理解するために料理をするようになりましたが、味はいい時と悪い時がありますね。ちょっと塩分が多かったり、なんか見栄えが良くなかったり。そういう繰り返しです」
蒼木さん「琢磨さんのお話しもそうですが、年を重ねてこれまで以上にいろいろなものに好奇心を持てるようになりましたね。昨年にiPadを買って絵を描き始めまして、昨年末に自分のファンクラブができたので、入会してくださった方の初回特典用に絵を描いてプレゼントをさせてもらいました」

和田さん「どんな絵を描いたの?」

蒼木さん「写真を持ってきて、そこをなぞるところから始めて、うちの実家の猫の絵を描いたんですが、背景の壁にいろいろな落書きをしました。ファンクラブのコンセプトが基地なので、その基地の中にいろんな落書きを描いて、その中を覗いてくださいというコンセプトで描かせてもらいました」

 

ー疲れてる時でも絵を描くとリフレッシュできますか?


蒼木さん「そうですね。僕はひとつのことを考え始めると集中して入り込んでしまうので、そういう時にちょっと息を抜ける時間にはなります。 映画を観たりすることもそうですが、趣味が増えるのは歳を重ねたならではのことなのかなと思います」

 

【profile】

蒼木陣/Jin Aoki

1992年5月26日生まれ。大阪府出身。
2013年デビュー。主な舞台出演作は、舞台『プリンス・オブ・ストライド THE LIVE STAGE』、舞台『刀剣乱舞』シリーズ、舞台「鬼滅の刃」其ノ参 無限夢列車など。11月にはミュージカル『SONG WRITERS』への出演が控えている。

■公式Instagram https://www.instagram.com/aokijin.526

■公式X https://twitter.com/ORANGEJIN

 

和田琢磨/Takuma Wada

1986年1月4日生まれ。山形県出身。

2009年デビュー。主な主な舞台出演作は、ミュージカル「テニスの王子様」2ndシーズン、舞台『刀剣乱舞』シリーズ、「舞台 PSYCHO-PASS サイコパス Virtue and Vice 」シリーズなど。8月には舞台「Solliev0」への出演が控えている。

■公式ホームページ https://wadatakuma.com/

■公式X https://twitter.com/wadatakuma_


【公演概要】
■タイトル
舞台『鋼の錬金術師』―それぞれの戦場(いくさば)―
■日程・会場
東京公演:2024年6月8日(土)~6月16日(日) 日本青年館ホール
大阪公演:2024年6月29日(土)~6月30日(日) SkyシアターMBS

■脚本・演出 石丸さち子
■出演
エドワード・エルリック  一色洋平/廣野凌大(Wキャスト)
アルフォンス・エルリック 眞嶋秀斗

ウィンリィ・ロックベル   岡部 麟

ロイ・マスタング 蒼木 陣/和田琢磨 (Wキャスト)
リザ・ホークアイ 佃井皆美
ジャン・ハボック 君沢ユウキ
ヴァトー・ファルマン 寿里
デニー・ブロッシュ 原嶋元久
ハイマンス・ブレダ 滝川広大
ケイン・フュリー 野口 準
マリア・ロス 七木奏音

リン・ヤオ 本田礼生
メイ・チャン 柿澤ゆりあ
フー 新田健太
ランファン 星波

ティム・マルコー 阿部 裕
ヨキ 大石継太
イズミ・カーティス 小野妃香里
ラスト 大湖せしる(※※)
エンヴィー 平松來馬
グラトニー 草野大成
ピナコ・ロックベル 久下恵美

キング・ブラッドレイ 谷口賢志
傷の男(スカー) 星 智也
ゾルフ・J・キンブリー 鈴木勝吾

ヴァン・ホーエンハイム 鍛治直人

※Wキャストは五十音順
※※キャストが変更になっております

■SUIT ACTOR
アルフォンス・エルリック 桜田航成

■ENSEMBLE
真鍋恭輔 田嶋悠理 榮 桃太郎 丸山雄也

■BAND MEMBER
Band Master & Key. 森 大輔 Gt. オオニシユウスケ Dr. 直井弦太 Ba. 富岡陽向
■公式ホームページ
https://stage-hagaren.jp/
■公式Instagram @stage_hagaren_official
■公式X @stage_hagaren

(2024,05,28)

photo:Hirofumi Miyata/interview&text:Akiko Yamashita

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CHECK!!

下記のリンクのインスタグラムに蒼木陣さん&和田琢磨さんのインタビュー撮影時のアザーカットを公開いたします!!お見逃しなく!!

https://www.instagram.com/noriem_press/