ミュージカル『GIRLFRIEND』が2024年6月14日(金)、日比谷シアタークリエで開幕しました!!

本作は、90年代の“パワーポップ”シーンの中で最も輝いたアメリカのシンガーソングライター、マシュー・スウィートさんが91年に発表したCDアルバム『GIRLFRIEND』をベースにしたジュークボックスミュージカル。ネブラスカ州の小さな町を舞台に、ミックステープがつなぐ2人の青年の甘酸っぱい「恋愛」を、2人の役者で描きます。ウィル役を高橋健介さん、島太星さん、井澤巧麻さん、マイク役を萩谷慧悟さん、吉高志音さん、木原瑠生さんがトリプルキャストで演じます。

今回は、ウィル役・島さん、マイク役・吉高さんペアのゲネプロをレポートします!!

1990年代のアメリカ・ネブラスカ州の田舎町で、学校に馴染めないウィルは、高校を卒業したことに喜びと開放感を感じていました。そんな中、野球部でスポーツ万能、友人たちからも人気のあるマイクからミックステープをもらいます。マイクは、すでに大学進学が決まりネブラスカを離れることになっていましたが、ミックステープをきっかけに2人の交流が始まっていきます。

ウィルは両親が離婚し、母子家庭となり、自分が何をしたいのかも見えないまま悩んでいました。一方、マイクは父親の圧力で進路が決められていて、そのことに息苦しさを感じていました。そうして2人は一緒に過ごす時間が増えていき、2人でいる時間は自分らしくいられることに気づきます。そして、心を通わせていくのでした。

しかし、そんな日々も終わりを迎えます。マイクが大学進学のためにリンカーンへと旅立つのです。ウィルはマイクに想いを伝える手紙を書きますが、その手紙が野球部のメンバーに見られてしまいます。取り乱したウィルは、そのままマイクと距離を置いてしまいますが…。

 

屈託なく、素直な感情を表に出す島さん演じるウィルは、とにかくキュート。ニコニコと笑う姿がとても印象的でした。

吉高さんが演じるマイクも年相応の少年らしさを残した、真っ直ぐな青年に仕上がっていました。13日(木)に行われた開幕記念会見で、吉高さんが演出の小山ゆうなさんから「応援したくなるような2人」という評価をもらったと話していましたが、まさにその言葉通り、とても暖かい気持ちにさせてくれるウィルとマイクでした。

 

息のあった演技はもちろんのこと、2人のハーモニーも抜群です。島さんは深みのある歌声が魅力的。吉高さんは伸びやかな高音が響きます。2人芝居だからこそ全編にわたって、彼らの歌をじっくりと聴けますので、歌声にも注目してご覧ください。また、カーテンコールでは劇中で歌われた楽曲のメドレーも。一緒になって盛り上がるためにも、マシュー・スウィートさんのアルバムを聴いて楽曲を覚えていくことをおすすめします!!

そして、この作品を楽しむために、覚えておきたいのが90年代という時代設定です。この時代は、まだ現在ほどLGBTQ +に対する理解がなく、差別もありました。カミングアウトするのは、今よりもさらに高いハードルがあった時代です。そうした時代背景を考えると、2人がさまざまな想いを抱えながらゆっくりと距離を縮めていった様子がより心に響きますし、マイクが手紙を見られたことに動揺する気持ちもよりリアルに感じられると思います。

【公演概要】
■タイトル
ミュージカル『GIRLFRIEND』
■日程・会場
2024年6月14日(金)~7月3日(水) シアタークリエ
■脚本 トッド・アーモンド
■作曲・作詞 マシュー・スウィート
■翻訳・演出 小山ゆうな
■出演
高橋健介/島太星/井澤巧麻(トリプルキャスト) 萩谷慧悟/吉高志音/木原瑠生(トリプルキャスト)

■公式ホームページ

https://www.tohostage.com/girlfriend/

(2024,06,17)

photo&text:Maki Shimada

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