柚希礼音さんの芸歴25周年を記念して開催されるソロコンサート、柚希礼音 25th Anniversary『REON JACK5』が2024年8月9日(金)から開催されます!! 2016年から過去4回にわたって開催されてきた「REON JACK」。5回目となる今回は、宝塚時代をともに歩んだ元星組男役スターたちが初参加します。さらに日替わりで豪華なゲストも登場し、ステージを盛り上げます。
柚希さんに公演の見どころやゲストの方との思い出を語っていただくとともに、これまでの25年間についてもお話を聞きました!!
―5回目となる「REON JACK」ですが、今回の公演の内容を教えてください。
今年、芸歴25周年になりますが、節目となる年に「REON JACK」を公演したいという思いがあって開催をさせていただくことになりました。今回は、これまでとは少し形を変えて、私が歩んできた道のりとこれからを感じていただけるような内容にしたいと思っています。「REON JACK」ならではの踊りは残しつつ、バラエティに富んだ構成でお届けしたいと思います。
―これまでの25年の道のりを振り返り、今はどんなことを感じていますか?
本当に四半世紀も舞台に立ち続けてきたのかと自分でも驚く気持ちはあります。山あり谷あり、とても深い25年を過ごしました。ただ、自分ではまだまだだと思っています。初舞台に立った頃は、「25年も舞台に立っていたらもうベテランだろう」と思っていましたが、今、自分では全くベテランになれていないと思いますし、これからも追求し続けていきたいと思っています。
―ここで少し、これまでの柚希さんの25年間を振り返っていただけたらと思います。柚希さんにとっての最初の大きなターニングポイントはやはり宝塚音楽学校への入学だと思いますが、そもそも宝塚を目指されたきっかけは?
もともとバレリーナを目指していたのですが、私は身長も高いのでなかなか日本では難しくて。それで、海外に行ったら踊れるだろうと考えて、アメリカン・バレエ・シアターの願書を取り寄せたりもしたのですが、家族から「宝塚を受けてみたらどうか?」と勧められたんです。それで、高校2年生のときに、宝塚を受けさせていただきました。毎日、踊れると聞いていたので、それなら私にもできるのではないかなと思ったのがきっかけです。
―宝塚受験前には、歌やお芝居のレッスンもされていたのですか?
実は、受験しようと決めるまでは、全くしていなかったんですよ。歌もカラオケで歌うくらいで(苦笑)。なので、歌の試験があると聞いて、慌てて習うことにしました。知り合いの紹介で宝塚でも教えている先生に教わることができ、必死に練習をして…。なんとか受からせていただきました。
―そうして入学した宝塚音楽学校。語りきれないほどの思い出があると思いますが、学生時代の楽しかった思い出を教えてください。
毎日が楽しかったです。中高時代はとにかくバレエをしたかったんですよ。ほかの勉強はなくてもいいから、ずっとバレエを踊っていたかった。高校にはバレエの推薦で入ったのですが、学校の授業は通常通りにあったので、1日中踊っているということは叶わなかったんです。ですが、宝塚音楽学校に入ったら、朝から晩まで芸事だけ。バレエにジャズダンス、タップ、日舞、歌、芝居とさまざまな芸事を習います。なんて最高な学校なんだと思いました。トップクラスの先生方が教えにきてくださって、1日中、レッスンを受けられるなんて、夢のようなでした。
―その頃には、踊りだけでなく、歌やお芝居にも積極的になって?
正直なところ、全然でした(笑)。私は人前で発言するのすら恥ずかしくて、顔がすぐに赤くなってしまうような子だったんですよ。だから(話さなくていい)バレエを踊っていたというくらい、人前に出るのは苦手でした。きっと、私の中高時代の友達は、私が大きな会場で人前で話している姿を見たら驚くと思いますよ(笑)。
―トップスターを目指したのは、いつ頃だったのですか?
トップスターさんになりたいとも、なれるとも考えたことはなかったです。ただ、「あのカッコいい8人組に入りたい」「カッコいい4人組に入りたい」という思いが続いていって、段々と…という感じがあります。この場面で一人で歌うことになった。この場面は安蘭けいさんと二人で踊ることになった。そうした流れが続いていった感覚です。
―実感が生まれたのはいつ頃でしたか?
「スカーレット・ピンパーネル」という作品に出演させていただいたときに、演出の小池修一郎先生にじっくりと教えていただいたことがきっかけでした。それまでも必死に頑張っていましたが、必死なだけではダメなんだと分かり、舞台に立つ上でやらなくてはいけない努力は何なのか、初めて分かったように思います。責任という意味では、トップスターになってからですね。それまでは言われたことを一生懸命やって、ついていこうと思っていましたが、毎日2500人のお客さまが自分がメインにいる作品を観にきてくださるんだと考えるようになりました。自己管理をして、自分で自分を省みて反省して、冷静に観られるようになったと思います。
―その頃、一番大切にされていた信念は?
お客さまにとっては、一生で一度、最後の公演かもしれないということを意識して毎公演、ステージに立っていました。それから、会場のどのお席のお客さまとも全員と目を合わせようという気持ちでお届けしていました。「実るほど頭を垂れる稲穂かな」をモットーに、全ての方に感謝し続ける。そんな想いでした。
―今、改めて振り返って、柚希さんにとって「宝塚」とはどんな存在ですか?
全てを作ってくれたところで、私の原点です。
―そうした宝塚を退団する決意をされたのはどんな想いからだったのですか?
宝塚95周年でトップスターになって、100周年までは頑張ろうと言っていただいていたので、100周年を目指して、1公演ずつ成長できるようにやっていました。なので、100周年というのが一つの区切りでもありました。でも100周年はお祭りの年でしたので、その周年が終わってからと。
―なるほど。退団後はまた全く違う環境の世界に飛び出していくことになりますが、当時は、その先についてはどのように考えていたのですか?
正直なところ、先についてはあまり考えていませんでした。またこうして舞台に立つ人生が始まるとも思っていませんでしたから。コンサートなどをやらせていただけたら幸せだなというくらいで、ある意味、「燃えつき症候群」のような気持ちだったと思います。ですから、しばらくはミュージカルはできませんでした。セリフがある舞台が恥ずかしくて、「スカートでどうやって歩くんだっけ?」とか、「男の人とどうやって芝居するんだろう」という気持ちもあって。それに、当時は、カッコいい役しかやってはいけないとも思っていました。役を通して「女性」を教えてもらううちに、普段も少しずつ女性になっていったという感覚です。
―退団後、柚希さんにとって大きな転機となった出会いや作品は?
『マタ・ハリ』という作品に出会ったことが大きかったと思います。役柄的に露出が多い衣裳だったので、ファンの方でも嫌がる方もいらっしゃるだろうという不安がありましたが、挑戦していく私の姿勢を見て、見た目ではないものを見てくださっているんだなと痛感しました。自分がやりたいと思う作品を思い切って選んでいこうと考えるきっかけにもなりました。私には大きな挑戦だった作品ですが、今は宝物にもなっています。
―今後の夢や目標は?
これからも自分が魂を込めてできる役や作品に出会いたい。それが夢でもあり、目標でもあります。
―では、改めて『REON JACK5』についても聞かせてください。今回は、元星組の男役スターの方々が出演されるというのも楽しみなところです。
元男役の4人に出演してもらいます。切磋琢磨して一緒に歩んできたメンバーなので、 約9年ぶりにまた一緒に舞台を作ることができるのが本当に楽しみです。メインビジュアルの4人に囲まれた写真を見ているだけでも私は幸せです(笑)。みんなとの思い出もいろいろと蘇ってきて。本当にうれしいですし、どんなものになるんだろうとワクワクしています。
―やはり一緒に頑張ってきた仲間とは一瞬で時を超えて、当時に戻るような感覚がありますよね。
そうですね。先日、安蘭さんとも15年ぶりに共演しましたが、昨日まで一緒にやっていたような感覚でした(笑)。今回も一瞬で戻ると思います。宝塚のみんなとは、深いところで繋がっているので、久々に会っても全く久しぶりな感じがないんですよ(笑)。
―日替わりゲストも豪華ですね。それぞれのゲストの方との思い出や楽しみにしていることを教えてください。
加藤和樹さんは『マタ・ハリ』の初演で初めて共演させていただいて、今年は『カム フロム アウェイ』でもご一緒させていただきました。「REON JACK」に出ていただくのは初めてです。本当に色々な役を演じていらして、素敵な方だなと思います。
黒羽麻璃央さんは、『LUPIN~カリオストロ伯爵夫人の秘密~』でご一緒して、とても素敵な役者さんだと感じたので、ぜひご一緒してみたいと思って。無理だろうなと思いつつ、お願いしてみたら、出てくださるということで、とても嬉しく思っています。
西川貴教さんは、地球ゴージャス『ZEROTOPIA』でご一緒した後に『REON JACK4』にも出ていただいたのですが、ご本人から「5はいつだ?」と聞いていただいて。まさかまた出ていただけると思っていなかったので、本当に楽しみです。4では千穐楽で素晴らしいエールをいただきましたが、今回も東京公演のトリを飾っていただきます。MCにも期待です(笑)。前回も宝塚の曲をソロで歌ってくださったのですが、今回も皆さんが驚いてくださるような楽曲を歌っていただこうと思っています。4はコロナ禍でまだ声が出せなかったですが、今回は出せますので、ぜひ盛り上がっていただきたいです。
―大阪公演には、夢咲ねねさんも出演されます。
やはり25周年を語るにはねねがいないと、と思いお声をかけさせていただきました。前回はデュエットダンスをしたので、今回はどうしようかなと今、考えているところです。あまりにも共演した作品が多いので、選びたい放題で、何をしたらいいのかというくらいなので、何が披露されるのか楽しみにしていただければと思います。
井上芳雄さんとは同級生で、いつか舞台でご一緒できたらいいなと思っているのですが、実はまだ共演がないんですよ。ラジオやテレビ番組ではご一緒しているのですが。それでダメもとでお願いしたら、今回、OKをいただけました。実はデュエットする楽曲は真っ先に決まったんですよ。それも楽しみにしてください。
大貫勇輔さんとは久しぶりの「REON JACK」です。やはり、踊りが素晴らしい方ですから、あの踊りをもう一度見たい。今、何をしようかと話し合い中ですが、久々にご一緒できるのでとても楽しみにしています。MCもすごく面白い方なので、それも楽しみです。
―NorieMとしてはお衣裳にも注目したいところですが、今回のお衣裳はどのようなものになりそうでしょうか?
『REON JACK4』では白黒の世界をイメージし、カッコいいスタイルを目指していましたが、今回はもう少しカラフルなものも加えていきたいと思っています。まだ(取材当時は)これから打ち合わせをして決めていく段階ですが、華やかなものになればと思っています。
―ありがとうございました!! 改めて公演への意気込みと読者の方にメッセージをお願いします。
芸歴25周年の記念イヤーに開催させていただく『REON JACK 5』です。今回は声出しもOKになりましたので、ぜひ盛り上がっていただけたらと思っています。ファンの皆さまに感謝の気持ちをたくさんお伝えしていきたいと思いますが、ただのファン感謝祭にならないように、パフォーマンス力を上げて、たくさん歌って踊って、素晴らしいステージを作りたいと思ってます。
▶︎柚希礼音さんのファッション事情◀︎
―今日のお衣装のお気に入りポイントは?
柔らかい印象のものを着たいと思って選びました。袖の後ろがマントのようになっているところが気に入ってます。
―最近は、プライベートではどのようなファッションが好みですか?
私は、そのときに出演している作品をイメージする服を着ることが多いですね。最近では、『カム フロム アウェイ』に出演していたので、あまりファッションには構っていなくて(笑)。スニーカーにシャツというようなラフなファッションが多かったです。
―最近買ったお気に入りのファッションアイテムは?
ウエストポーチにもなる斜めがけのカバンを買いました。カバンがかわいいとテンションが上がるので、今、それがお気に入りです。
―マイブームや今、ハマっていることを教えてください。
この春は、あまり東京にいなかったこともあり、スーツケースやカバンが大事なアイテムでした。やはりテンションが上がる使いやすいものやかわいいものを持って共に旅をしたいなと思って。お気に入りのものと一緒だと地方巡りもより楽しくなりますね。
―地方公演に行くときに必ず持っていくものはありますか?
枕です!! いつも大きめのスーツケースを使っているので、1泊でも2泊でも必ず枕を持っていきます。自分の体に合わせて作った枕なので、その枕を使っていると寝違いをしなくなったんですよ。あとは、パジャマも持っていきますし、「蒸気でアイマスク」も持っていきます。眠れるグッズは必ず持参して、落ち着いて寝られるようにしています。睡眠は大事ですから。
―ストレスが溜まったときや疲れたときの癒しは?
旅行かな。1泊でも日帰りでも少し離れたところに行くだけでも気分が変わりますよね。ベランダで風を受けるだけでもいいのですが、ぼーっとする時間が癒しです。
―お気に入りの場所を教えてください。
先日、熊本の地獄温泉に行ってきました。大地のパワーやエネルギーに溢れた場所でした。私は、温泉と海が大好きなので、ありとあらゆる温泉地に行って、日本を追求したいと思っています(笑)。
―柚希さんがかっこよくい続けるための秘訣は?
かっこよくということではないですが、自分の体を知るためにもバレエは続けています。体のどこかが痛くなってもバレエをすると整うんですよ。最近は特に、自分の体の声を聞くようにしています。どうしても自分のことを後回しにしてしまうので、まず、朝起きたら今日の自分はどうかを確認して、歯磨きをして、お白湯を飲んで、その時に整っているのかをしっかり確認する。最近読んだ本にそうするのが良いと書いてあったので、それを参考に今、やってみようと思っています。たくさんの情報がある中で、自分に合うものを見つけていきたいと思っています。
【profile】
柚希礼音/Reon Yuzuki
1979年6月11日生まれ。大阪府出身。
1999年初舞台。2009年宝塚歌劇団星組トップスターとなり、6年に渡りトップを務め、2008年に「第30回松尾芸能賞」新人賞、2010年に「第65回文化庁芸術祭賞」演劇部門新人賞、2012年に「第37回菊田一夫演劇賞」演劇賞を受賞。
2014年には日本武道館での単独コンサートも行うなど、宝塚歌劇100周年を支えるトップスターとして活躍。2015年5月同劇団を退団。
退団後の主な出演作は、ミュージカル『プリンス・オブ・ブロードウェイ』『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』『マタ・ハリ』『ボディガード』、第27回読売演劇大賞優秀作品賞を受賞した『FACTORY GIRLS~私が描く物語~』、ブロードウェイミュージカル『カム フロム アウェイ』などがある。
ソロコンサート『REON JACK』の開催やCDの発売、テレビドラマへの出演など活躍場を広げている。
8月9日に、芸歴25周年を記念したミュージックビデオ集「Re:Action」をリリース。
■公式ホームページ
https://www.amuse.co.jp/artist/ yuzuki_reon/
■公式Instagram
https://www.instagram.com/REONYUZUKI_OFFICIAL/
■公式Twitter
https://twitter.com/yuzukireonstaff/
photo:Hirofumi Miyata/styling:Yuki Mayama(M0)/hair&make-up: Eiko Sato(ilumini.)/interview&text:Maki Shimada
【公演概要】
■タイトル
柚希礼音 25th Anniversary『REON JACK5』
■日程・会場
東京公演:2024年8月9日(金)~11日(日) ヒューリックホール東京
大阪公演:2024年8月29日(木)~31日(日) 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
■演出・振付 大村俊介(SHUN)
■振付 辻本知彦
■音楽監督 石渡裕貴
■出演
柚希礼音
汐月しゅう 天寿光希 麻央侑希 綾 凰華 川本アレクサンダー 東島 京
■日替わりゲスト
東京公演:加藤和樹(8/9夜)黒羽麻璃央(8/10昼・夜)西川貴教(8/11昼)
大阪公演:夢咲ねね(8/29夜&8/30昼)井上芳雄(8/30夜)大貫勇輔(8/31昼)
■BAND MEMBERS
Drums & Band Master:楠瀬タクヤ Bass:二家本亮介 Guitar:山本陽介
Keyboard:石渡裕貴 Manipulator:谷内翔太(大阪)/ 今野耕輔(東京)
■公式サイト https://reonjack.com/
※8月10日(土)18時公演のライブ配信が決定
https://live.tv.rakuten.co.jp/content/483001/
(2024,08,05)
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