舞台『刀剣乱舞』禺伝 矛盾源氏物語が、2023年2月4日(土)に、TOKYO DOME CITY HALLで開幕しました!!
舞台『刀剣乱舞』(以下、刀ステ)は、PCブラウザ・スマホアプリゲーム「刀剣乱舞ONLINE」を原案に、末満健一さんが脚本・演出を手掛けたストレートプレイ版の舞台化作品です。重厚で心打たれるストーリーや、刀剣男士の美麗で個性豊かなヴィジュアルの再現、そして圧倒的熱量の殺陣などで観客を魅了し、劇場動員のみならず、ライブビューイングやライブ配信、Blu-ray/DVDなどを通して多大な支持を得ています。シリーズ最新作となる「禺伝 矛盾源氏物語」では、これまでの刀ステ本丸とは異なる切り口で物語が展開されます。
今回は、山鳥毛を演じる麻央侑希さん、姫鶴一文字を演じる澄輝さやとさん、南泉一文字を演じる汐月しゅうさんに公演の見どころや役作りについてなどを聞きました!!
―最初に本作のお話を聞いた時は、どんなお気持ちでしたか?
麻央さん「もちろん人気コンテンツであるということは知っていたので、“私が刀剣男士?”という驚きがありました。ですが、(歌仙兼定役の)七海ひろきさんが宝塚を退団されてからも色々な挑戦をされているのを拝見していて素敵だなと思っていたので、その七海さんが出演され、刀ステにとっても挑戦となるような作品に参加させていただけるならば頑張りたいと思いました」
汐月さん「私は、七海さんを始め、宝塚出身者の方たちが出演するということを聞いていたので、私でいいのかなという不安がありました。私自身が宝塚を離れてから8年以上経っていますし、宝塚OGならではのお仕事をしているわけでもないので、普通の俳優と変わらないと思ったんです。そうした思いを相談をさせていただいた上でぜひと言っていただいたので、それならばと思い、やらせていただくことになりました」
澄輝さん「私も『刀剣乱舞』というコンテンツがすごく盛り上がっていることは知っていたので、これまでとはまた違った刀ステが上演されるということにまず驚きました。自分に声を掛けていただけたことはとてもありがたかったのですが、やはり覚悟がいることだと思ったので、出演を決めるまでには色々と考えました」
汐月さん「その気持ちは私も分かります。人気があるコンテンツだと知れば知るほど、自分が演じることで、作品やキャラクターのファンの方を傷つけることにならないだろうかということは、やっぱり考えるよね」
澄輝さん「そうなんです。それに今回は元宝塚の方がたくさん出演されているので、そういう意味では宝塚という名前を背負うことにもなるのかなと考えると、すごく大変なことだと思いました。ですが、私たちがこうした作品を作り上げることで、宝塚を知らなかった方にも宝塚に興味を持っていただけたり、これまで私たちを観てくださっていた方が刀ステというすばらしい作品を知っていただく機会にもなるのかなと思い、ドキドキはしましたがお引き受けいたしました。やる以上は、自分ができることをしっかりと務めていきたいと思います」
―舞台『刀剣乱舞』という作品の印象は? これまでの本シリーズをご覧になった感想を教えてください。
汐月さん「これまで刀ステで刀剣男士を演じられている方たちの中には、まだ舞台経験の浅い方も多くいらっしゃると伺っていました。だからなのか、“この作品で何かを絶対に掴もう”という“ギラギラ”がすごいなと感じました。それに対して、今作で刀剣男士を演じる私たちは、すでにキャリアを積んでいる俳優たちの集まりだと思うので、“ギラギラ”に変わる何かを提示することができるだろうかと不安に思って、そうした話をキャストの皆さんとしたのを覚えています」
澄輝さん「あの“ギラギラ”には、どう対抗していけばいいんだろうって話しましたね」
汐月さん「彼らの真似をするのは違うと思うので、“ギラギラ”を埋める何かを私は持っているのだろうかとか、どうやって埋めたらいいんだろうと考えました。もちろん作品としても、物語としても、キャラクターとしても素晴らしい作品だと思いましたが、役者さん一人ひとりの熱量をすごく感じたというのが、この作品に対しての最初の印象でした」
―その“ギラギラ”に変わる何かは、お稽古を通して見つかりつつあるんですか?
汐月さん「それは、公演をご覧いただければ(笑)。観て感じていただいたものが正解なのかなと思います。お二人はいかがですか?」
麻央さん「宝塚も100年以上続いている伝統的な劇団としてたくさんのファンの方たちに支えていただいていますが、それとはまた違うファンの方の熱さがある作品だと感じました。SNSでは、ファンの方が作品の考察をされていたり、熱い思いを綴っているのを見ますし、たくさんの思いが様々な方向から集まっている作品なんだというのは、観れば観るほど感じておりました」
澄輝さん「先ほど、しゅうさんが“ギラギラ”と言っていましたが、私は最初に観た時は、底の方から湧き上がってくる熱さのようなものを感じました。もしかしたら、それが“ギラギラ”だったのかもしれないと思うのですが、その熱さが殺陣やドラマチックな物語のうねりに繋がっているのだろうなと思いました。そして、その刀剣がどこで生まれて、どんな物語を持っているのか、それぞれの刀剣男士に物語があり、知れば知るほど深い作品だと感じ、観るほどハマる舞台なんだなとも思いました」
―役を作っていく上で、今、苦労しているのはどんなところですか? また、どんなところにポイントを置いて演じていますか?
汐月さん「南泉一文字は、猫の呪いについて話すキャラクターで、みんなに可愛がられる猫っぽさを持っています。ですが、彼自身はその猫っぽさを受け入れているわけではないので、可愛らしいキャラクターとして演じてしまうのではなく、刀剣男士として彼がどう任務を遂行していくのか、チームワークをとっていくのかを大切に演じたいと思っています」
麻央さん「きっと千秋楽まで(役について)研究を続けていかなくてはいけないと思うので、まだまだこれからも続いていく最中だとは思います。今回、隊長は歌仙兼定ですが、山鳥毛は山鳥毛でしっかりと自分を持って行動しているので、今は、その立ち位置をどう捉えれば良いのかという点は苦労しています。それから、自分の気持ちが大きく動き過ぎてしまうと、キャラクターと離れた話し方をしてしまいそうになるので、 (脚本・演出の)末満(健一)さんから“大人の色気とダンディさ”が必要だと言われたことを思い出し、丁寧に追求していきたいと思います」
澄輝さん「姫鶴一文字は、気だるそうなまったりとした空気をまとったキャラクターで、ゲームのボイスも間(ま)のあるゆったりとした話し方をしています。ですが、芝居で同じように間(ま)をとった話し方はできないので、芝居のテンポ感の中でどうやって姫鶴一文字らしい話し方ができるかというのが難しいと感じているところです。ゲームでは立ち絵しか出てこないので、どんな歩き方をして、どんな動きをするのかも考えながら、周りとの兼ね合いを見ながら演じています」
―役を作る上では、やはり原案ゲームを大切にされているんですね。
麻央さん「そうですね。稽古場では、ゲームのボイスをみんな聞いて、話し方を確認したりしています」
汐月さん「南泉一文字は、原案のゲーム以外にも、すでに様々な媒体で、様々な顔を見せているキャラクターなので、捉え方も色々だと把握はしていますが、あくまでも原案ゲームがベースであり、そのベースに忠実でありたいとは思っています」
―ありがとうございました!! 改めて本作の見どころを教えてください!!
麻央さん「今回は、刀ステ史上初めて子役が登場します。刀剣男士も今までとは毛色の違う、挑戦的なキャスティングになっています。ただ、みんなが一つの目標に向かって、集中してお稽古をしていることは変わりません。アンサンブルも含めて、みんなでいいものを作るんだという気持ちで朝から晩まで稽古をしているので、あとはお客さまにお見せして、どんな評価をいただくのかだと思います。スタッフの方々に導いていただきながら、新しいものを作り、これまでのファンの方にも楽しんでいただける作品になっていたら、私たちも自信になると思っています。1公演1公演を大切に演じていきたいです」
汐月さん「元宝塚の私たちが演じることで、例えば殺陣の熱量が落ちてしまうんじゃないかと心配されていらっしゃる方もいらっしゃると思いますが、様々な演出やアクションの付け方でそれぞれにしかできない殺陣をできていると私は思います。キャラクターに合っているという意味でも、見どころの一つになっていると思います」
澄輝さん「今回、美しい転換があるので、そこもぜひ注目していただければと思います。まさに平安時代の美しい世界観で、夢の中にいるような世界が見られると思うので、それもまた新しい刀ステとして楽しんでいただけるのではないかと思います」
▶︎麻央侑希さん&澄輝さやとさん&汐月しゅうさんのファッション事情◀︎
―今日のお衣裳のお気に入りポイントは?
汐月さん「よく見たら、猫柄のシャツなんですよ」
麻央さん「本当だ!!」
汐月さん「ちょっと分かりにくいかも知れませんが、写真をぜひよく見ていただけると嬉しいです」
―それはやはり、南泉一文字を意識して選んだのですか?
汐月さん「そうです!!スタイリストさんに、それぞれのキャラクターについてお伝えしてお願いしました」
澄輝さん「私は、色合いが気に入っています。それから、首元のデザインは姫鶴一文字っぽいかなと思います。ポイントは、ピンヒールです。久しぶりにあれほど高いヒールを履きましたが、気持ちが引き締まるので、たまには履かないといけないなと(笑)」
麻央さん「私は、グレーと白のこの色の組み合わせが山鳥毛らしさを表していると思います。自分ではなかなか選ばないファッションですが、今日はスタイリストさんにマジックをかけていただきました。久しぶりにこうしたファッションをしたので、気持ちも華やぎます」
―最近買ったお気に入りのアイテム、またはこれからしたいと思っているファッションは?
汐月さん「少し前に、好きなブランドの展示会に行って、すごく素敵な新作のワンピースを購入させていただきました!!店舗で販売されるものは、皆さんが着やすいように丈を調整するそうなのですが、私は背が高くてそれでは短くなってしまうため、モデルさん用に作った撮影用のものを購入させていただいたんです。この春に着るのが楽しみです」
麻央さん「私は、最近、黒のコートを買いました。袖の部分だけ生地が違っているデザインで、切り替えがおしゃれなんです。袖口がゴムになっているので、まくれるのも気に入っています。カジュアルにもキレイ目にも合うので、よく着ています」
澄輝さん「私は、宝塚を卒業してからスカートは履くようになったのですが、ロングしか履けないので、膝下くらいの丈のスカートにも挑戦したいと思っています」
【profile】
麻央侑希/Mao Yuuki
2008年宝塚歌劇団入団。月組公演『Me And My Girl』で初舞台。その後星組に配属。2009年星組公演、太王四神記新人公演にて入団2年目にして2番手のヨンホゲを演じる。2011年『ノバボサノバ~失われたカルナバル~』にて新人公演初主演。
2014年『The Lost Glory』にて2度目の新人公演主演。同年、宝塚バウホール公演『アルカサル』にてダブル主演を果たす。2018年、第三回宝塚歌劇団台湾公演に参加。2019年10月13日宝塚歌劇団卒業。宝塚歌劇団卒業後、数々の舞台に出演。
澄輝さやと/Sayato Sumiki
2005年宝塚歌劇団入団。花組公演『エンター・ザ・レビュー』で初舞台。
同年、宙組に配属。2011年『クラシコ・イタリアーノ』新人公演サルヴァトーレ・フェリ役で主演。2012年『銀河英雄伝説@TAKARAZUKA』ビッテンフェルト役、2014年『ベルサイユのばら-オスカル編-』ロベスピエール役などを好演し、2015年バウホール公演『New Wave!-宙-』では主要メンバーとして公演を成功に導く。品のある舞台姿を持ち味に、2016年『エリザベート』では皇太子ルドルフを繊細に演じ、2018年『天(そら)は赤い河のほとり』では美貌のエジプト王妃ネフェルティティを気高く演じた。2019年7月『オーシャンズ11』で宝塚歌劇団を退団。
退団後は、舞台にも出演する傍ら、ヨガインストラクターとしても活動している。
汐月しゅう/Syu Shiotsuki
2004年宝塚歌劇団入団。雪組公演『スサノオ/タカラヅカ・グローリー!』で初舞台。その後、星組に配属。在団中の主な出演作は、2011年『メイちゃんの執事-私(わたくし)の命に代えてお守りします-』神崎役、『ランスロット』ボールス役、2013年『宝塚ジャポニズム~序破急~/ 怪盗楚留香外伝-花盗人-/Étoile de TAKARAZUKA』葉盛蘭(ようせいらん)役( 台湾公演)、2014年『眠らない男・ナポレオン – 愛と栄光の涯(はて)に -』マッセナ役、そして『The Lost Glory -美しき幻影-』 – スタンリー・フリオーネ『パッショネイト宝塚!』への出演を持って退団。退団後は、舞台「銀河英雄伝説 die neue these」(ジェシカ・エドーワス 役)、音楽劇「星の王子さま」(キツネ、バラ 役)、演劇女子部「ファラオの墓~蛇王・スネフェル~」(メリエト皇太后 役)など、多くの舞台作品へ出演。
photo:Tsubasa Tsutsui/hair&make-up:Arisa Matsuno(麻央さん)、Miyuki Okada(澄輝さん)、Tomoyo Matsumaru(汐月さん)/interview&text:Maki Shimada
【公演概要】
■タイトル
舞台『刀剣乱舞』禺伝 矛盾源氏物語
■日程・会場
東京公演:2023年2月4日(土)~2月12日(日) TOKYO DOME CITY HALL
大阪公演:2023年2月16日(木)~2月19日(日) オリックス劇場
2月19日(日)にはライブ配信とライブビューイングの開催が決定!
■原案 「刀剣乱舞 ONLINE」より(DMM GAMES/NITRO PLUS)
■脚本・演出 末満健一
■アクション監督 栗田政明
■音楽 manzo/伊 真吾/KYOHEI
■出演
七海ひろき、彩凪 翔、綾凰華、麻央侑希、澄輝さやと、汐月しゅう/
皆本麻帆、梅田彩佳、橘二葉、井上怜愛、永田紗茅、山城沙羅・
岡田六花(Wキャスト)/兵頭祐香/
瀬戸かずや ほか
■公式ホームページ
https://stage-toukenranbu.jp/
(2023,02,10)
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