化粧業界に革命を起こした二人の女性創業者、エリザベス・アーデンとヘレナ・ルビンスタインの情熱と波乱の人生を描いたミュージカル『エリザベス・アーデンvs.ヘレナ・ルビンスタイン -WAR PAINT-』が、2023年5月7日(日)から開幕します。20世紀前半に自身の化粧品ブランドを立ち上げ、そのブランドを全米屈指の地位まで押し上げたエリザベスを演じる明日海さんに、本作への意気込みや魅力を聞きました!!

 

―本作の出演が決まった時の心境を教えてください。
お話を伺ってから動画を拝見したのですが、セットも美術も衣裳もとても凝っていてオシャレで、新しいミュージカルだと感じました。ブロードウェイで演じられていた二人の女優さんがとてもパワフルで素敵だったのも印象的でした。歌稽古をスタートするにあたって、改めて脚本も読み返したのですが、本当に面白いストーリーだと思います。エリザベスとヘレナは、お互いにライバル心をむき出しにしていますが、物語の中では最後まで顔を合わせないんです。でも、同じような運命を辿っていく姿がテンポよく描かれていて、とても面白いと感じました。この二人のようにあからさまに対抗心を出すというのは日本人ではあまりない感覚かもしれませんが、それがある種、気持ちよくも見えます。ここまで意地を張っていると、可愛らしくも見えますし、同じ女性としてその生き方はカッコいいと思います。

 

―明日海さんが演じるエリザベスには今、どんな印象を抱いていますか?

この作品は、(エリザベスが)すでに事業に成功していて、乗りに乗った華やかな生活をしているところから始まりますが、エリザベスもヘレナも田舎の出身で、そこから勇気を振り絞って自分の事業を立ち上げてきた苦労人だと思います。20世紀前半は、今に比べて男女格差があった時代なので、その中で自分の中に確固たる信念やプライド、生きる上での美学を持っていたんだろうなと思いました。

 

―そうした女性像に対して共感するところはありますか?
とても素敵だと思います。喜怒哀楽をはっきりと出せるのも羨ましいなと思いますし、何よりもチャーミングな女性だと感じました。

 

―(取材当時)歌稽古がスタートしたそうですが、本作の楽曲についても教えてください。

バラードから“ザ・ミュージカル”といった華やかなナンバーまで、バラエティに富んだ楽曲です。ただ、どの曲も難しいんです。クラシカルな旋律というよりは、変拍子が入っていたり、聞き慣れない和音で不安な心情を表していたり、洒落た雰囲気が出ていると思います。一幕と二幕のラストでは、エリザベスとヘレナが二人で歌い上げる楽曲もあって、対立していてもお互いに認め合っていることが感じられる、本作の象徴的なナンバーになっていると思います。

 

―ヘレナ役を戸田恵子さんが演じられますが、戸田さんの印象は?

(1998年からフジテレビ系で放送されていたテレビドラマ)『ショムニ』が大好きだったので、そのイメージがありました。そのドラマで演じていた役どころのイメージから、戸田さんには意志の強い女性というイメージがあったので、初めてお会いした時にすごく物腰が柔らかく、優しい方で、そのギャップに驚きました。

 

―その時は、どんなお話をされたんですか?
ポスタービジュアルの撮影でお会いしたのですが、新型コロナウイルスが増えてきた時期だったので、戸田さんに何かあってはいけないと思って、なるべくお話をしないようにしていました。ただ、連絡先は交換させていただいたので、今後、お稽古を通して交流していくのが楽しみです。すごくおしゃれな私服を着ていらしたので、お話しできる余裕ができたら、どこでお買い物をしているのかも聞いてみたいです(笑)。

 

―明日海さんは、宝塚歌劇団を卒業されてから、映像作品にもたくさんご出演されていますが、その中で改めて舞台に出演することで感じている舞台の魅力を教えてください。
まず、映像作品に関わらせていただく機会が少しずつ増えてきて、舞台も映像も変わらず総合芸術なんだなと思います。いろいろなセクションの人たちがこだわりや情熱を注いで、それが形になっていくっていうのは、メディアが変わっても変わらないものなのだと分かってきて、そういう意味ではどちらのお仕事もすごく楽しんでやらせていただいています。その中で、舞台と映像の違いというのは、やはり受け取ってくださる方が同じ空間にいるかどうかだと思います。劇場に足を運び、時間を使って観劇をしてくださることには特別感があると思いますし、その日、その公演でしか観られないお芝居や歌をダイレクトに感じてもらえるというのは、舞台の1番の魅力だと思います。ステージに立つ私たちとしても、観客の皆さまのお顔が見れて、その日の空気を感じられるのが1番の醍醐味です。

 

―観客の反応は演者さんにもダイレクトに伝わっているんですね。

しかも、反応はその公演ごとに全く違うんです。緊張感があって固い雰囲気の時もありますし、夜公演か昼公演なのかによっても違います。何回もリピートして観てくださっている方が多い回なのかなということを反応や空気から感じることもあります。コメディーですと、その反応もより分かりやすいですし、逆にシリアスな作品は緊迫感が違います。まさに空気を共有している感覚があります。

 

―化粧品業界で成功しているエリザベスにちなんで、ぜひ明日海さんのメイクのこだわりを教えてください。
私にとってメイクは、自分を切り替えるのに大事なものの一つです。年齢を重ねていくと肌も変わってきますし、「どう見せたいか」も変わってきますが、なるべく薄くすることを心がけています。重ねすぎたり、やりすぎると化粧が際立ってしまってしまうので、なるべく薄く。それでいて、欠点を上手に隠せるようなメイクができたらと、研究をしています。

 

―普段からコスメやメイクの研究をされているんですね!

好きなんです。春のコスメやクリスマスコフレなど、期間限定の商品が販売されたらチェックして(笑)。ここのブランドは今、こういうのが流行りなんだとか、パッケージが可愛いなとか、化粧品の名前が可愛いなとか、そういうのを見るのも大好きです。

 

―では、この春に興味を持っているコスメは?
どのメーカーも春に向けてファンデーションの新作が発売されているので、それが気になっています。UVカットのものや崩れにくいものなどが登場して、軽やかな質感のものに変わるタイミングで、新しく肌に合うものを見つけたいなと。それから、薄付きだけど寄れないコンシーラーも欲しいです。肌の見た目やツヤ感が大事だと思うので、そこはこだわって探していきたいです。でも、どんどん新しいのが出ますよね。その進化はすごいなと思います。

 

―もし、明日海さんが化粧品を作るとしたら、どんなものを作りたいですか?

「20歳若く見えるファンデーション」。すべてのあらを隠せて、厚塗りに見えないというもの(笑)。でも、皆さんきっとそれを目指して作っていらっしゃるから、今後もいいものがどんどん生まれてくると思います。それから、エリザベスは、パッケージにこだわっているんです。私もパッケージが可愛いものに惹かれるので、好きな色やデザインのパッケージは作るのが楽しそうですね。部屋に並べてあるとテンションが上がったり、ポーチに入っているのを見るといい女感が出るというのはいいですよね。

 

―改めて、公演を楽しみにされている方にメッセージをお願いします!!

もちろん女性が観たらすごく楽しんでいただけると思いますが、男性の方も「こんな女性たちは素敵だな」とか「可愛らしいな」とか「怖いな」とか、色々な感想を持っていただける作品になっています。どの年代の方に観ていただいても楽しめると思います。ぜひ、おしゃれな世界を楽しんでいただきたいと思います。


▶︎明日海りおさんのファッション事情◀︎
―今日のお衣裳のポイントは?
エリザベスが「女社長さん」ということに合わせて、落ち感のあるものを選びました。洗練されている女性をイメージしています。

 

―ネイルも可愛いですね!!
ドラマの撮影をしている時はヌードな色しかできないので、そうした撮影がない時はカラフルなものをつけています。これは春をイメージしました。

 

―普段のプライベートのお洋服はどんなスタイルですか?

動きやすい格好が好きで、デニムにシャツが多いです。ただ、どうしても宝塚にいた時のくせで、色々なジャンルの服を着なくちゃって思っちゃうんです(笑)。この前は、カチッとした服を着たから、次はスポーティーなものを着ようとか、スポーティーの次はエレガントっぽいものをやってみようとか。なので、クローゼットはまとまりがないです(笑)。ワンピースもありますし、その横にカジュアルなデニムがあったり…。

 

―テイストが違う中でも共通しているこだわりはありますか?

黒と白はやっぱり多いです。あとは、薄いブルーが好きなので見かけると買ってしまいます。どんなテイストのファッションでも、甘くなりすぎないようにというのはこだわっているところです。例えば、ワンピースを着たらキャップを被って足元はスニーカーにするとか、デニムにフーディーだったらメンズっぽくなりすぎないようにイヤリングをつけるとか…。

 

―最近買ったお気に入りアイテムは?
「バブーシュ」という、カカトを踏んで履ける靴を買いました。キレイめに履きたい時はカカトを入れて履いて、カジュアルに出かけたい時とか靴下を履かない時にはカカトを踏んで履くという2WAYなので、とっても便利なんです。この春に大活躍すると思います!

 

―美肌の秘訣は?
いいと聞けばなんでもやっています。1日2リットルは水を飲むようにしていますし、白湯が良いと聞くので朝は必ず白湯を飲みます。それから、塩分は取りすぎないように、自炊できる時は自炊しています。やっぱり、食事はとても大事。最近は、野菜などの季節の旬のものの美味しさが身に染みるようになってきました。美味しいものを味わうことで、気持ちも元気になっているような気がします。

 

―日々のボディケアはどのようにされていますか?
運動不足にならないように、ジムやピラティス、ストレッチには意識して行くようにしています。体が固まってしまうと、不調が現れてくるんです。肩が凝ると顔もたるんでしまうというように全部が繋がっていると思うので、なるべく体を動かすようにしています。例えば、ジムに行く時には行きも帰りも歩いたり、買い物をする時も最寄りのスーパーではなく、少し離れたお店まで歩いて行ったり…小さなことですが、常に気をつけるようにしています。

 

【profile】
明日海りお/Rio Asumi
1985年6月26日生まれ。静岡県出身。
2003年宝塚歌劇団に89期生として入団。2014年に花組トップスターに就任。トップスターとして圧倒的人気で多くのファンを魅了。2019年11月宝塚歌劇団を退団。退団後もミュージカル『ガイズ&ドールズ』などの人気作品へ出演、NHK連続テレビ小説『おちょやん』『大病院占拠』など話題のドラマ出演など、幅広く活動している。7月には音楽劇『精霊の守り人』と2作連続で日生劇場での主演作が控える。

photo:Tsubasa Tsutsui/styling:Kozue Onuma/hair&make-up:Keiko Yamashita

【Costume】
Blouse ¥58,300 , Pants ¥63,800(VINCE/コロネット03-5216-6516)
Earring ¥23,100 , Bangle ¥71,500(ブランイリス/ブランイリス トーキョー03-6434-0210)
Shoes スタイリスト私物


【公演概要】
■タイトル
『エリザベス・アーデンvs.ヘレナ・ルビンスタイン -WAR PAINT-』

■日程・会場
東京公演:2023年5月7日(日)〜5月17日(水) 日生劇場
大阪公演:2023年5月27日(土)〜5月29日(月) 森ノ宮ピロティホール
名古屋公演:2023年6月2日(金)〜6月4日(日) 御園座
京都公演:2023年6月8日(木)〜6月13日(火) 京都劇場
■脚本 ダグ・ライト

■音楽 スコット・フランケル

■歌詞 マイケル・コリー
■翻訳・訳詞・演出 G2

■出演
明日海りお 戸田恵子
上原理生 吉野圭吾

朝隈濯朗 後藤晋彦 俵和也

井上珠美 河合篤子 罍陽子 小林由佳 原広実 彩花まり 美麗 吉井乃歌

■公式ホームページ https://warpaint.jp/
■製作 TBS/研音

(2023,05,05)

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