テレビを中心にコメンテーターとしても活躍中の元衆議院議員・金子恵美さんの書籍『もしも日本から政治家がいなくなったら』が2023年5月31日(水)に発売されます!!本書籍は、投票率が低迷し、政治不信が続くニッポンで「政治家って必要?」を改めて考えてみた一冊です。金子さんに本書籍を上梓した思い、女性が社会で活躍するために必要なこと、そしてファッション事情までお話をお聞きしました!!

 

―本書籍は、「もしも、日本から政治家がいなくなったらどうなるのだろう」という妄想からスタートしたそうですね。
全くあり得ない話を想像した本です(笑)。私自身も政治家をしておりましたので、政治家は必要だと今も思っています。ただ、政治家を引退し、一国民として外から政治を見る立場になったら、よりリアルに政治に対する厳しい意見を聞くようになりました。今まであまり政治に関心がなかった方が取り上げる政治にまつわるニュースは、ほぼすべて政治の悪いイメージばかりなんですよ。失言や不祥事ばかりが取り上げられて、その上、最近では防衛費の増税や子育て支援の財源のために増税という話も出ている。国民にとって負担になる話ばかりだとすごく不満が高まっていると思います。その不満が政治不信、あるいは政治への無関心に繋がっているのを日々、感じています。

 

―なるほど。
ですが、政治に関わってきた人間としては、政治は生活を良くするためのもので、生活そのものだと思うんです。コロナ禍でも、政治家の判断ひとつで国民の生活が一変することを実感された方は多いと思いますが、それくらい良くも悪くも政治家次第なところがある。私自身も政治で社会を良くするという思いで政治家をやっていましたが、残念ながら今、国民の皆さんは政治家に対して不満の方が強いと思います。政治家はいらないというお声を聞いて、それなら一度、いない世界を考えてみませんか?と発想したのがこの本です。当たり前のように思えていても実は政治家がいたからできていることもあるので、そうしたお話や、政治家が普段何をしているのか、それから、選挙のお金にまつわるお話などを書いています。政治家はやはりいなくてはならない存在なんだと気づいていただけたらいいなという思いで書きました。

 

―ニュースを追っているだけでは気づかなかった、具体的なお話が分かりやすく書かれていたので、とても興味深かったです。
これはまたテレビ、マスコミ、そして政治家も襟を正さないといけないところですが、不祥事や失言のあった政治家が全ての政治家の印象になっているのは違うと思うんです。自身の専門分野をコツコツとやっている方もいらっしゃいますし、時間をかけて自分で研究した結果、法律はこうした方がいいとしっかりとした方針を持って取り組んでいる方、地道な作業を続けている方も政治家の中にはいるということを本著の中でお伝えできたらいいなと思います。

 

―金子さんにとっては、政治家、政治はどんな存在ですか?
先ほども申しましたが、政治は日常生活そのものだと思っています。毎日の生活をする中でのルールを決めるのも国会ですし、本当に必要な支援を拡充していくのも政治家が働きかけるからこそできることなんです。政治家は本来、国民の暮らしを良くする人たちなのです。

 

―そうした政治と関わりを持つために、一般市民にはまず投票に行くことが大切だと思います。ですが、昨今は投票率の低下も叫ばれていますね。
先日の統一地方選挙もやはり投票率は低かったですね。国政選挙は、ある種お祭りのように、その期間中連日報道されてわかりやすいですし、戦いとしても一騎打ちの熾烈な争いで面白いということもあり、関心が高いですが、それに比べて統一地方選挙は思っていた通り、残念ながら投票率は上がらなかったなと。
そこには、有権者の方から日ごろの政治家の活動が見えていないという問題があると思います。そもそも、区議会議員などの自分が住んでいる地域の地方議員の顔を知らないという方も多いのではないでしょうか?それで、選挙の前になって突然、連日駅前に立って「おはようございます」と挨拶をしたり、政策を訴えても、「頑張っているから入れようかな」くらいにしかならないと思います。やはり政治家は活動を見せなければダメだと私は思っています。私が地方議員をしていたときは、ミニ集会をたくさん開催していました。そこに来てくださる方は、政治に関心の高い方や年配の方が多いですが、それでも女性だけの会にするなど、こちらも形を変えることで、お子さんを連れて来てくださる方も増えます。政治や政治家に関心を持ってもらうためにも、そして市民の皆さんが何を必要としているのかを聞くためにも足を運ばないといけないと私は思います。

 

―金子さんは2022年に「第14回ベストマザー賞2022」も受賞されて、ご自身も子育てをしながら働いていらっしゃる母親でもありますが、女性の活躍についてや女性が育児とのバランスを保って社会で生きていくために必要なことについては、どうお考えですか?
女性の活躍が言われて久しくなりますが、女性が社会進出するとなった時に、女性が不便さを感じずに、自分の能力を存分に発揮できる環境は、男性の協力なくしては絶対になし得ません。特に、結婚している場合には、男性の家庭での活躍が不可欠なんですよ。今、男性の育休取得の目標値を達成するために必死にやっていますが、ただ男性の育休という制度があっても、職場の雰囲気はまだまだ男性が育休を取ることは女性が取るよりも厳しい状況にあります。この本でも書きましたが、これまで育休を取得する人への給付金を上げるという施策を行なってきましたが、育休取得の当事者だけでなく負担が増える同じ職場の人たちへの支援も考えるべきだと思います。「異次元の少子化対策」と“異次元”を謳うならば、そこをやるべきで、既に民間企業の中には周りの社員にも助成する独自の取り組みを行っているところもあります。そうすることで、後ろめたさを感じずに育休が取れ、次へと続いていくと私は思います。まずは男性の家庭での活躍。それから、男女ともに柔軟な働き方。女性だけでなく、男性も柔軟に働けなければ、男性が家庭で活躍する余裕がなくなってしまうので、その2つが重要だと思います。

 

―金子さんご自身はお仕事と育児の両立をどのようになさっているのですか?
夫の宮崎謙介を褒めるわけではないですが…男性の家庭での活躍という点では、夫はかなり活躍している方だと思います。それがあるから、私は外で活動できます。それから、どのご家庭でも、育児は手が多ければ多いほど助かるものです。私の場合は、私の母親が今、東京に来てくれていて、自宅から30秒のところに住んでいるんです。放課後は母が子どもをお迎えしてくれているので、そうしたサポートもあって今、私はこうした仕事ができています。ただ、その分、仕事がない時は子どもに全ての時間を使うようにしています。土曜日に仕事があったら、日曜日。日曜日もダメだったら平日に時間を空けて、キャッチボールをしたり、ボーリングをしたりしています。

―では、改めて読者の方にメッセージをお願いします!!
この本は、「政治家って必要?」とか「政治家なんていらないじゃない」と思っていらっしゃる方にこそ、読んでいただきたいと思っています。永田町の政治玄人からは「何ありえないこと言ってるんだよ」と怒られそうですが(笑)、政治に今まで関心がなかった方や不満のある方々には、1度、政治がなくなった世界を考えていただき、意外と政治家が生活の中に存在していたんだということに気づいてもらえたらと思います。


▶︎金子恵美さんのファッション事情◀︎
―本日のお衣裳のポイントを教えてください。
実は、夫が全てコーディネートしているので、宮崎に聞かないとわからないんですよ(苦笑)。テレビに出演する時の洋服を買いに行くのも、コーディネートするのも夫なんです。一緒に買い物に行ったら、私は試着室にいて、彼が持ってきたものを次々と着ていく。それで、これを買う、買わないと彼が選んでくれるんです。「この番組にはこの洋服とこのアクセサリー」というのも、番組のテイストによって選んでくれています。

 

―素敵なご主人ですね。金子さんご自身はあまりこだわりはないのですか?

政治家時代には、スーツばかり着ていました。政治家の方はスーツもはっきりした色合いのものを着ていることが多いんですよ。肩パッドもしっかりと入っているような。私はそれがあまり好きではなくて、黒やグレー、紺のパンツスーツを着ていることが多かったんですが、それが制服のように当たり前になっていたので、ファッションについてあまり考えたことがなかったんですよね。イメージのアイディアがないんです。夫は、女性誌をよく読んでいますよ。ちょっと変わっているかもしれないですね(笑) でも、それでトレンド情報をキャッチしているみたいです。夫の方が“女子”なんです(笑)。そもそも、夫は洋服が大好きで、時間さえあれば買い物に行っているような人なので。

 

―日々、非常にパワフルに活動されていると思いますが、そのパワーの源はどこから生まれているのですか?
今は完全に子どもです。子どもと一緒に遊ぶという幸せな時間のために頑張っています。息子は、私がテレビでコメントをしているのを見て、「今日、ママのコメント良かったよ」と感想を言ってくれて、喜んでくれるんですよ。それもパワーになります。家庭内でも時事問題を話すようにしているので、息子も息子なりにウクライナのことなどいろいろと考えて、意見をしてくれるので、今の私の活動と彼のその関心を持つところが一致してるというのも、私の中では、今の仕事をしていて良かったと思っているところです。全ては子どもです。

 

―疲れたり、ストレスが溜まった時の癒しもお子さんですか?
はい、子どもに加えて、お酒です(笑)。まず、子どもですが、寝かしつけで寝落ちしなかった時に飲むお酒も翌日の原動力になります。パワーの源です(笑)。

 

―では、金子さんにとっての輝いている人は、どんな人ですか?
自分のやりたいことに嘘をつかずに、まっすぐ突き進んでいる人だと思います。時にはどうしても言い訳を言いたくなりますが、それをせず、自分がやりたいことに迷わずに専念して突き進む人は輝いていると思います。

 

―金子さんご自身が輝くために、意識していることは?
輝いていると自分では思っていませんが、背伸びをしないようにしたいとは意識しています。先ほどの「自分のやりたいことに突き進む」と同じで、ありのままで正直に生きているところを見せていくというのが大事かなと思っています。

 

―最近ハマっていることやお休みの日にしていることを教えてください。
お休みの日は、アウトドアをしています。私自身は、とてもインドアな人間で、できれば家の中にずっといたいタイプなんです。よく政治家やっていたねと夫にも言われるのですが(笑)、できれば家の中にいたい。ですが、夫は人間が大好きで、人に会いたい人で、外に出ていくタイプです。キャンプやアウトドアも大好きなので、それに付き合っていたらアウトドアって面白いなと私も思うようになりました。今年のゴールデンウィークもキャンピンカーを借りてあちこち回ってきたのですが、自然の中で味わうコーヒーやカレーは格別だなと思いました。それから、子どもがWBCの効果で野球にハマっているので、野球も我が家のブームです。今、息子は小学校2年生なんですが、野球を始めるにはちょうどいい年齢なんじゃないかなと勝手に思って(笑)。斎藤佑樹さんからプレゼントで頂いたグローブを使ってキャッチボールをしたり、野球教室に通ったりしています。

 

【profile】
金子恵美/Megumi Kaneko
1978年2月27日生まれ。新潟県出身。
早稲田大学第一文学部卒業。2007年新潟市議会議員選挙で初当選し政治の道へ。新潟県議会議員を経て、2012年に代46回衆議院議員総選挙に当選し国政へ。2016年には総務大臣政務官に就任。2017年の衆議院議員総選挙で落選し、その後政界を引退。10年間の議員生活を経て、現在はより多くの人に政治に興味を持ってもらうべく活動の場を広げている。
■公式ホームページ
https://www.lespros.co.jp/artists/megumi-kaneko/
■公式Twitter
https://twitter.com/kanekomegumioff

photo:Tsubasa Tsutsui/interview&text:Maki Shimada


【書籍概要】
■タイトル
「もしも日本から政治家がいなくなったら」
■発売日
2023年5月31日(水)
■価格 本体1500円+税
■内外出版社刊
■監修 宮崎謙介

(2023,05,31)

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