ミュージカル『ラグタイム』製作会見が2023年7月24日(月)に、東京都内で行われ、石丸幹二さん、井上芳雄さん、安蘭けいさん、演出の藤田俊太郎さんが登壇しました!!

 

本作は、1998年トニー賞ミュージカル部門において13部門ノミネート、最優秀脚本賞・最優秀オリジナル楽曲賞など4部門を受賞した作品です。20世紀初頭のニューヨーク、アメリカの移民の9割がやってきたといわれる激動の時代を舞台に、ユダヤ人、黒人、白人といったそれぞれのルーツを持つ3つの家族が固い絆で結ばれ、世界を変えていこうとする姿を描きます。

娘の未来のためにラトビアから移民としてアメリカにやってきたユダヤ人のターテを石丸さん、新しい音楽“ラグタイム”を奏で、新時代の到来を目指す黒人ピアニストのコールハウス・ウォーカー・Jr.役を井上さん、正義感に溢れ人種の偏見を持たない、裕福な白人家庭の母親のマザー役を安蘭さんが演じます。

石丸さんは、オファーを受けて「非常に興奮しました」といい、「(本作を初めて観たのは)ブロードウェイで1999年頃に観たのですが、当時は『ライオンキング』などのいくつかの名作があがっている黄金期でした。どれもこれも自分が浴びたことがないものを浴びている感覚でしたが、唯一、この『ラグタイム』だけは(自分が)出てみたいと思ったんです。そう思ったのは、やはり音楽でした」と初めて本作に触れた当時のことを振り返りました。そして、「よくよくみるとアメリカの歴史ですし、人種を描いているんですが、それを超えてくるのが音楽のパワー。外国人の私たちも心が動きました」と本作の魅力を語りました。

 

一方、井上さんは「アメリカ的なミュージカルは往々にして日本で上演されないことが多く、この作品も無理なのかなと思っていたので、今になって許可が降りて上演できるというのはいちミュージカルファンとしても嬉しいです」とコメントを寄せました。

現在は、ミュージカル『ムーランルージュ! ザ・ミュージカル』に出演中の井上さん。「9月にはこの作品の幕が開くという歌舞伎俳優並みのおかしいスケジュールでやっています。『ムーラン・ルージュ』は主役はサティーンだし、(ダブルキャストでクリスチャンを演じている)甲斐(翔真)くんは若いから多めにやってくれるかなとも思いましたし、『ラグタイム』は3つの人種のうちの1つなので、なんとかなるんじゃないかという甘い考えで突入したら、どちらもすごく重要な役回りで…。この夏は燃え尽きるんじゃないかなと思いながらも、幸せだと思ってやらせていただいています」と想いを明かしました。

 

また、安蘭さんは「本当に素晴らしい音楽とお話で興味が湧きました。今回の母親役は女優なら誰もがやりたいような役だろうなと思うので、そうした役をやらせてもらえるということで飛びつくようにやらせてくださいと言いました。共演者を聞いたら、夢のような共演で。演出の藤田さんは、蜷川幸雄さんの作品に出させていただいたときに助手でいらしたので、今回、演出を受けられるのも楽しみです」と笑顔を見せました。

 

そして、藤田さんは、「20年以上にわたって演劇やミュージカルに関わっていると、時に震えるような瞬間がくるんですが、この作品のオファーをいただいた時は震えるような思いでした。作品の戯曲もスコアも知っていたので、これを演出できるんだと震えるような気持ちで…。そして、素晴らしいキャスト、カンパニーの皆さんとお仕事できるとわかった時に2度目の震えがありました。実は、ここまで稽古を少しずつ始めているのですが、スタッフのあまりの熱量にまた震えています。1つの作品でこんなに震えることはないですが、本番が始まる時に4つ目の震えがあると思います」と本作に携わる喜びを語りました。

 

ミュージカル界で活躍しているお三方ですが、実はミュージカルでこの三人がステージ上に揃うのは今回が初となります。安蘭さんは「幹二さんの稽古場でのスタイルややり方も尊敬していますし、舞台上でも信頼感や絶対的な安心感を感じています。また共演できるのは嬉しい」と石丸さんへの信頼を語り、井上さんも「僕は、石丸幹二になるために頑張ってきて、それで東京藝大にも入りました。色々な分野でも活躍されているという憧れの先輩。稽古場での居方も、歌番組などでお会いするのと違うなと思うので、そうしたことを勉強するのも楽しみにしています」と絶賛。そんな二人の言葉に石丸さんは「この3人でミュージカルをやることで、どんな効果が生まれて、どんなうねりがあるのか楽しみです」と笑顔で応じていました。

 

さらに、今回の演出プランを聞かれた藤田さんは、「ユダヤ人、黒人、白人と3つの人種が出てきますので、それをどう表現しながら、どう融合していくのかがテーマです。石丸さんが演じるターテという役は、切り絵アーティストなんです。移民としてアメリカにやってきて、切り絵のアーティストになって、そこから映画監督になっていく。そこから着想を得ました。当時、20世紀初頭のアメリカを生きた皆さんと、今を生きる俳優の皆さんがどうシンクロしていくかが大事。例えば、ターテが切り絵を切るとすると、当時の写真になったり、切り絵になって舞台上に浮か美上がってくる。その切り絵や写真が動き出すと、私たちのカンパニーの俳優になって演じていく。そんな映像を考えています」と言及しました。

 

【公演概要】

◼️タイトル

ミュージカル『ラグタイム』

◼️日程・会場

東京公演:2023年9月9日(土)〜9月30日(土) 日生劇場

大阪公演:2023年10月5日(木)〜10月8日(日) 梅田芸術劇場 メインホール

愛知公演:2023年10月14日(土)、15日(日) 愛知芸術劇場 大ホール

◼️脚本 テレンス・マクナリー

◼️歌詞 リン・アレンズ

◼️音楽 スティーヴン・フラハテ

◼️翻訳 小田島恒志

◼️訳詞 竜 真知子

◼️演出 藤田俊太郎

◼️振付 エイマン・フォーリー

◼️出演

石丸幹二 井上芳雄 安蘭けい

遥海 川口竜也 東啓介 土井ケイト 綺咲愛里 舘形比呂一 畠中洋 EXILE NESMITH ほか

◼️公式ホームページ

https://www.tohostage.com/ragtime/

(2023,07,25)

photo&text:Maki Shimada

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