2024年3月に世田谷パブリックシアターで上演される舞台『メディア/イアソン』の公演概要、ビジュアル、キャストコメントが本日公開されました。
原作の「メディア」は、古代ギリシャの劇作家・エウリピデスが記したギリシャ悲劇の最高傑作で、夫のイアソンの裏切りによって、我が子を殺めるという王女メディアの凄惨な復讐劇は、世界各国で数多くの舞台や映画の題材に取り上げられてきました。
本作は、脚本・フジノサツコさんと、演出・森新太郎さんによって、若き日の二人の出会いと愛情に満ちた日々を鮮やかに照射し、太陽のような存在であった二人が悲惨な結末を迎えるに至るまでの顛末を、二人の間に産まれた三人の子供たちの視点を通して描き出す新作です。
これまでにも多くのタッグを組み、数々の舞台を生み出してきたフジノサツコさんの台本と森新太郎さんの演出、そして精鋭五 名の出演陣。
夫婦と子供たちの一つの家族の誕生と崩壊が、歴史背景や国家体制という大きな枠組みの中でどのよう に描かれていくのか。喜怒哀楽に富み、卑近にして壮大な『メディア/イアソン』に注目が集まります!!
本日公開のキャストコメントはこちら!!
▶️井上芳雄さん
演劇の題材の中でも、最古の部類に含まれるであろうギリシャ神話の物語。改めて読んでみたところ、人間の根本 は変わらず、人の弱さや狡さ、それゆえに生まれる喜びや苦しみなどの感情は、時空を超えて普遍的で、リアルに 伝わってくるのだと驚きました。 僕が演じるイアソンは、人間臭くて、弱いところやダメなところも持ち合わせている役柄です。マイナスな面も演じる のは俳優としてチャレンジでもあり、楽しみです。メディア役の南沢奈央さんは柔らかい印象をお持ちの方なので、 その南沢さんが悲劇の後半へむけてどうのように変貌されていくのか、面白い創作の旅ができるのではないかと期 待しています。 森新太郎さんは様々なアプローチで幅広い演劇作品を創造し、演劇界に衝撃を与える演出家です。今回はどんな 世界を立ち上げるのか、どんな体験ができるのか…恐ろしいような楽しみなような気分でいます。
▶️南沢奈央さん
メディアというと凄惨な復讐劇というイメージが強くありますが、この『メディア/イアソン』ではそれだけではなく、イア ソンとの恋や冒険など、様々なエピソードが盛り込まれるとのことなので、現代を生きる私たちも共感できるメディア 像を築けるのではないかと思っています。一方で、これまでに演じたことのないような感情も映し出す役柄なので、 自分でも知らない自分が出てくるのではと少し怖さも感じつつ、大きな挑戦への期待でいっぱいです。 森新太郎さんの演出作へは二度目の出演となります。誰よりも早く稽古場にいらしてプランを練り、誰よりも高い演 劇への熱量をお持ちの森さんの演出にお応えし、さらには期待を超えていきたいと意気込んでいます。 イアソン役の井上芳雄さんとは一番濃密に対峙することになると思うので、遠慮せずぶつかっていきたいです。森さ んを筆頭に、俳優としての実力が高く、舞台経験も豊富な共演者の皆さんと、魂を込めて作品を作っていけたらと 思います。
▶️三浦宏規さん
舞台人として、いつの日か挑みたいと思っていたギリシャ悲劇の世界。それが今回、メディアとイアソンというその世 界を代表するような傑作で、それも森新太郎さんの演出で叶うことになり、今ものすごくしびれています。 壮大なギリシャ悲劇の世界をわずか 5 人の出演者でどう演じていくのか。僕自身も複数の役を演じる予定とお聞き し、今までに経験したことのない、予測不能な舞台になりそうです。「何でもやります!」という意気込みで、恐れず、 森さんと共演者の皆様と一緒の船に乗り込み、世界へ飛び出していくような気持ちです。 初めてづくしで、一体どうなるんだろう?と思いつつも、これまでにやってきたことを信じて、森さんと、井上さん、南 沢さんをはじめとする共演者の皆様から様々なことを吸収し、俳優としての幅を広げていけたらと思っています。
▶️水野貴以さん
中学生の時、ギリシャ神話のミュージカルに出演し、以来、様々な物語に触れました。神話の登場人物はどこか破 天荒で、リアリティがあまりないイメージです。でもこの『メディア/イアソン』では、人間味のあるキャラクターを打ち出してくださるとのことで、お客様にも感情移入していただける、心打たれるギリシャ悲劇になるのではと、とても楽しみ にしています。 森さんの演出は、役者や演劇に対する愛と情熱に満ちていて、私自身はメディアとイアソンの子どものほか、様々な 役を演じるということもあり、気力、体力、集中力をもって挑む覚悟が必要だと思っています。でも、私はそんな森さんの稽古場が大好きですし、いまだかつてない、新しいギリシャ悲劇をお見せできるよう努めたいと思います。
▶️加茂智里さん
演劇を始めた頃からたくさん足を運んできた世田谷パブリックシアター。舞台と客席との一体感や、俳優の肌感を 感じられる劇場です。多種多様なキャラクターが登場するギリシャ悲劇を出演者 5 人で演じるという未知の体験に、 不安と期待とが入り混じりながらも、私がこれまで客席で感じてきたような熱量をお伝えできたらと思っています。 これまで私が参加させていただいた森さんの稽古場には、かわいらしい小道具がそこかしこに有りました。そんな小道具を扱っていらした姿に、森さんご自身、実はかわいらしい一面をお持ちなのではないかとひそかに思っていま す。一方で、厳しく緻密でリアルな演出をされる方ですし、どんな舞台になるのか、皆様も楽しみに待っていていただければと思います。
公演ビジュアル写真すべて/宣伝美術:秋澤一彰/宣伝写真:山崎伸康
【公演概要】
◼️タイトル
『メディア/イアソン』
◼️日程・会場
東京公演:2024年3月12日(火)~3月31日(日) 世田谷パブリックシアター
兵庫公演:2024年4月 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
◼️原作
「アルゴナウティカ アルゴ船物語」作:アポロニオス 翻訳:岡道男
「メデイア」作:エウリピデス 翻訳:中村善也
◼️脚本
フジノサツコ
◼️演出
森新太郎
◼️出演
井上芳雄 南沢奈央 三浦宏規 水野貴以 加茂智里
◼️公式ホームページ
https://setagaya-pt.jp/stage/2164/
(2023,12,11)