ミュージカル『王様と私』製作発表が2024年1月26日(金)に行われ、北村一輝さん、明日海りおさん、演出の小林香さんが登壇しました!!
本作は、1951年にブロードウェイにて初演を迎え、『オクラホマ!』『サウンド・オブ・ミュージック』などで知られる作詞・作曲の名コンビ、リチャード・ロジャース&オスカー・ハマースタイン二世の代表作としても名高いミュージカルです。1952年には第6回トニー賞作品賞、主演女優賞を含む5部門の栄光に輝きました。日本では、1965年に王様を市川染五郎さん(現 二代目松本白鸚さん)、アンナを越路吹雪さんが演じて以来、当代の名優たちによって演じ継がれており、今回の日生劇場での上演は1996年9月以来の28年ぶりの上演となります。
王様役の北村さんは、今作がミュージカル初挑戦。北村さんはオファーを受けた時のことを「本当に渋りました。無理です、と。正直、お断りするような勢いでお返事をしていた」と振り返ります。そして、「日本のミュージカルというと、歌が中心の世界。そこで、芝居だけをやってきた自分がやっていけるのかという歌に対する壁があった。人さまの前に出て、お金をいただき、やるに値するのか。観客が果たして、僕みたいなのを見たいのかと、色々な考えがあった。最終的に、(本作の)プロデューサーさんとお話をして、俳優を始めた頃に、(プロデューサーと)一緒に声楽の発表会をやったことがあり、その時の声を覚えていただいていて、“絶対にできます”と言っていただいたので、その言葉に乗ってみようかなと」と出演を決めた経緯を明かしました。
一方、アンナ役の明日海さんは「とてもクラシカルで、ミュージカルファンなら誰もが知っている作品で、(メインナンバーの)“Shall We Dance?”も聞いたことがない人がいないくらいポピュラーな楽曲ですが、 そういう作品こそ、技術や演じる人の持っている魅力が問われると思います。なので、私に務まるんだろうか、大丈夫かなという思いはございますが、小林さんが新しく演出をしてくださり、新たに台本も歌詞も書いてくださって、王様を北村さんが演じてくださることで、新しいケミストリーが生まれるのではないかととても楽しみにしています」と笑顔で語りました。
また、初ミュージカルに向けて準備していることを聞かれると、北村さんはオファーを受けてすぐにボイストレーニングをスタートしたことを告白。そして、「他の仕事の兼ね合いもあって、最初は週1、週2だったんですが、空いている時間には必ずスタジオやカラオケに一人で行くような男になり、マイクを使わずに、譜面を持って(歌っています)。とにかく、(ボイストレーニングの)先生に毎日声を出すこと、筋肉を使うことが大事だと言われたので、本番が終わるまではできるだけの努力はしなくてはいけないなと。他の方たちよりも経験がないので、できるだけ声を出す練習をしようと、今も毎日、しております」とにっこり。
続けて、肌の露出が多い衣裳であることから、体を鍛えているのかを聞かれると、「急に言われてもいいように覚悟はしています(笑)。舞台は、やっぱり人さまの前に立つものでもありますし、少しでもいいようになることが大事だと思っているので、もう少し、本番までには引き締めてみようかなと。きっと宝塚のファンの方もいらっしゃると思うので、皆さんきれいなものを観られている方なので、あまりみっともない姿を見せるとドン引きされるんじゃないかなと思ってヒヤヒヤしているんです」と冗談めかして思いを述べました。
北村さんが演じる王様はこれまでの公演のイメージとは違い、長髪を後ろで結んだヘアーも特徴です。北村さんは、「新しいものを作りたいというのが大きな理由の一つ。これをやることで、色々な意見をいただくだろうなと思います。逆にいうと、もっと素晴らしいものを作らないといけないとハードルが上がると思います。自分の首を絞める結果になるかもしれませんが、より士気が上がります」と説明しました。
一方、明日海さんは衣裳について「ドレスに関しては、有村(淳)先生が私の体のウイークポイントやバランス感を分かってくださっているので、それをうまく隠して素敵に見えるデザインをしてくださいました。アンナの歴代のイメージに添いつつ、バランスよく作ってくださったので、着こなしはあまり考えてないです」と話しつつも、「首筋や肩のラインはきれいにするに越したことはないので、昨日は角質オフのボディソープでゴシゴシ(笑)。つるんと見えるボディソープがあるんですよ」とケア方法も教えてくれました。
今回の上演は、小林さんによる新演出も見どころの一つ。小林さんは「この作品がここまで輝き続けている理由の一つに、大きな美しいテーマが流れているからだと感じています。それは王様とアンナという、宗教も人種、性別、身分、言語、貧富も違う、正反対の二人が出会って、わかり合おうとして、理解し始めて、愛が生まれていくという素晴らしいテーマを、今こそ伝えるのに、こんなにふさわしい時代もないのではないかと感じます。今も世界中のあちこちで分断があり、格差と憎悪が広がっています。そんな時代だからこそ、古い価値観を凌駕してあまりある美しいテーマを伝えることができるこの作品を上演する意義はとても大きいと感じています」と言及しました。
【公演概要】
■タイトル
ミュージカル『王様と私』
■日程・会場
東京公演:2024年4月9日(火)〜4月30日(火) 日生劇場
大阪公演:2024年5月4日(土)〜5月8日(水) 梅田芸術劇場メインホール
■音楽 リチャード・ロジャース
■脚本・歌詞 オスカー・ハマースタインII
■翻訳・訳詞・演出 小林香
■振付 エミリー・モルトビー
■出演
北村一輝 明日海りお
朝日希和 竹内將人 木村花代 中河内雅貴 今拓哉 小西遼生 ほか
■公式ホームページ
https://www.tohostage.com/thekingandi/
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(2024,01,27)
photo&text:Maki Shimada
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