MANKAI STAGE『A3!』の泉田莇役をはじめ、人気舞台で活躍している吉高志音さん。中国語・英語を話せるトリリンガルとしても注目されている、人気急上昇中の若手俳優の一人です。そんな吉高さんがジフン役で出演するミュージカル「伝説のリトルバスケットボール団」が、2024年2月15日から開幕します。吉高さんにジフン役について、作品の見どころ、さらには吉高さんご自身のことについてもお話を伺いました!!

 

―ミュージカル「伝説のリトルバスケットボール団」は、2023年7月に上演した1日限りのプレビュー公演を経て、ついに本公演が開幕します。プレビュー公演では、手応えを感じられましたか？

手応えと言っていいのかは分かりませんが、お客さまとの一体感をすごく感じました。お客さまの熱量や期待を感じて僕たちも安心しましたし、すごく楽しかったというのが一番の感想です。あっという間でした。ただ、プレビュー公演では、自分の中の課題がまだまだある状態だったので、今回は課題をきちんとクリアして、よりパワーアップした姿をお見せできたらいいなと思います。僕にとっては挑戦でもありますし、今回、初めてご覧になるお客さまにも楽しんでいただける作品を作っていけたらと思います。

 

―プレビュー公演では、どんな課題を感じたのですか？

僕が演じるジフンは、稽古をしていく中で筋肉キャラとして作っていったのですが、ポージングをもっときれいに見せたかったという思いがあって。もう少し研究して見せられたらと思います。

 

―筋肉キャラというお話もありましたが、ジフンというキャラクターをどう捉えていて、今回はどう演じたいと考えていますか？

今回の本公演では仲間思いなところ、熱血ではあるけれど内に秘めているものがある姿を軸に、舞台の上でジフンとしてしっかり生きていけたらと思います。

 

―本作はバスケットボールチームを舞台にした作品ですが、吉高さんもバスケ経験がおありとか。

中学校の頃にバスケをやっていましたし、今でも大好きです。これまで必死にもがいてやってきたスポーツがバスケだったので、そのバスケをミュージカルでまたできるというのはすごくうれしかったです。

 

―演じる上でバスケの経験が役に立ったことはありましたか？

ドリブルは、やったことがある人とやったことがない人の違いが分かりやすいんですよ。バスケをやったことがあると突く力が力強いんです。そういうところは形になりやすいので、やっていてよかったなとは思います。ただ、今はパスのフォームが変わっているらしくて。僕たちは両手で行なっていたのですが、今は片手になっているらしいので、それに慣れるのに苦労しました。癖が抜けなくて、大変でしたね。

 

―プレビュー公演の時も含めて、稽古場の雰囲気はいかがですか？

シーン稽古が終わって休憩に入ると、みんなでボールを持ってバスケの練習をしていました（笑）。セットの中にゴールが設置されていたので、そこでシュート練習したり、ドリブル練習したり…最後にはフリースローで勝負したり（笑）。毎回、休憩中はバスケでした。それくらいみんな、どっぷりバスケにハマっていた記憶があります。

 

―皆さん、やはりバスケもうまいんですね。

スンウ役の糸川耀士郎くんはめちゃくちゃうまいですよ！　耀士郎くんに１on１を挑んだことがあったのですが、全然勝てなかったです（笑）。（糸川さんは）ボールが体の一部でした。

 

―では、スヒョン役の橋本祥平さん、ダイン役の梅津瑞樹さんの印象も教えてください。

橋本祥平くんとは別の作品でも一度共演しているのですが、その頃から変わらず、みんなを引っ張ってくれる座長としての安心感がある人です。祥平くんのお芝居は、すごく繊細なところもあれば、秘めているものを爆発的に解き放つような強さもあって、そうした祥平くんのお芝居が大好きです。また同じ作品に出演できるというのがすごく嬉しいです。

瑞樹くんとは、この作品が初めてです。話には聞いていましたが、本当にお芝居が好きな方。僕と耀士郎くんと瑞樹くんの3人はお芝居でも絡むことが多いんですが、自分の役やお芝居に悩んだ時にも話を聞いてくださって、アドバイスをしていただいて。すごくワクワクするようなお芝居の話をしてくれるので、楽しかったです。

 

―改めて、この作品の見どころを教えてください。

ミュージカルなので、歌に乗せてそれぞれの想いが語られていくので、そこも楽しみにしていただけたらと思います。今、この時代に通じるものがある作品ですし、明日も頑張ろうと思えるエネルギーに溢れているので、ぜひそれを観て感じていただいて、明日の活力にしていただけたら嬉しいです。

 

―では、ここからは吉高さんご自身のことについても聞かせてください!!　吉高さんが俳優を目指したのは、どんな思いからだったんですか？

元々音楽が大好きで、歌を歌いたいと考えていたんですが、ミュージカルや舞台と出会って、お芝居としての歌の魅力に惹かれて、目指すようになりました。

 

―ミュージカルに出会ったのは、いつ頃のことですか？

デビューする前です。初めて舞台を観たのは、事務所の先輩の加藤和樹さんが出演されていた『真田十勇士』でした。こんな世界があるんだとその迫力に圧倒されました。それまでは、ドラマや映画などの映像しか観てこなかったので、生のお芝居をして、歌で物語を伝えるという舞台は作品の世界に飛び込んでいくような感覚があって、すごく感動したのを覚えています。実際に、自分が出演させていただくようになってからは、生の空間で役を生きていく楽しさにどんどんハマっていきました。

 

―デビューして６年、ご自身の中でどんな変化がありましたか？

2023年はたくさんのお仕事をさせていただき、いろいろな役と出会っていく中で、役として人生を生きてく楽しさをより感じられるようになった気がします。それまでももちろん、たくさんの経験をさせていただいてきましたが、2023年は特に魂を燃やす感覚をつかんだ１年でした。

 

―それは、ご自身の中で、何かが変わったからこそつかんだ感覚だったのでしょうか。

「表現」と捉えていたものが「生きる」になったという感覚なのかな。もっと深いところまで掘っていく。それに自分から飛び込んでいくようになったのかなと思います。

 

―そうすると、よりお芝居の面白さが増したのではないですか？

そうですね。最近は、小説を読みながら、自分だったらこう演じるなと考えたり、こういう物語もやってみたいなと考えるようになりました。本田礼生くんとお芝居の話をよくするのですが、礼生くんが「自分の人生を本にしてみたい」とおっしゃっていて、すごく素敵だなと思って、いつかは自分もそれを形にしてみたいですね。それが本当に自分なのかどうか、お客さまに感じてもらえれば面白いなと。自分の人生を作品として昇華できたら一番いいなと思いました。

 

―ところで、吉高さんは語学も堪能で絵も描かれると実に多才ですが、今後は、どんなことに挑戦していきたいですか？

絵で表現する機会をもっと増やしていければと思っています。絵は、視覚的にダイレクトに届けられる表現だと思うので、技術をもっと磨いて、絵をツールとして自分の伝えたいことを伝えていけたらと思います。

 

―俳優としての理想像や目標はありますか？

役者をやっているときに、自分という境目がなくなるくらいそれぞれの役に染まりきれたらと思います。僕という人間が本当はどれなのかということが分からなくなるような…カメレオンじゃないですが、そんな役者になれたらいいなと思いますね。

 

―語学を生かして、海外でお芝居をしてみたいという思いはありますか？

もちろん、やれるチャンスがあればやりたいです!!　よく海外の作品を上演する時にステージの横に字幕があったりしますが、自分の語学を生かして、それを取り払って表現につなげていけられたらいいなと思います。僕は、中国語も話せるのですが、中国の歌は本当に素敵な曲がたくさんあるんですよ。日本ではその魅力があまり浸透していないと思うので、そうした魅力も僕が日本語にして伝えていきたいなと思います。

 

―では、吉高さんは、自分をどんな性格だと思いますか？

自分のことが一番分からないですね（笑）。何だろう、良い意味でも悪い意味でもマイペースかな。自分のペースで自分を奮い立たせて何事もやっていますが、ついついダラッとしてしまうこともあって…。そこは自分の短所なのかなと感じています。

 

―作品に入った時はどっぷりハマるタイプですか？　それとも、稽古場から出たらなるべく離れてリフレッシュされるタイプですか？

僕は、どっぷりかもしれないですね。次の作品ギリギリまで引きずってしまうこともあります。本当は、きちんと役落としをしないといけないのですが、たまに役の話し方が残っていたり、癖が残ってしまうことがあります。普段はポケットに手を入れないのに、やたらと入れている時があったりして…（笑）。直さないといけないなとは思っているのですが。

 

―そういう時はどうやって役から抜けるんですか？

次の作品にまたどっぷりになることで自然と抜けています（笑）。今、思い出したのですが、ある作品の千穐楽で“役落とし”のような儀式を行ったことがありました。みんなで台本を開いて、パンッと閉じる。それはよかったので、今後はそれをやってみようと思います。

 

―最近のマイブームを教えてください。

言うのは恥ずかしいんですが、読書（笑）。今まで本をあまり読んでこなかったので、最近になって本を読む楽しさを知りました。本屋さんに並んでいた『汝、星のごとく』という本の題名と表紙に惹かれて、買って読んでみたら、文章がすごくきれいで。想いを言語化するってこんなに美しいんだと思ってから、どっぷりハマってしまいました。気付いたらカフェで5、6時間経っていたんですよ。今は、続編を読んでいます。自分の頭の中に情景が浮かぶのがすごく楽しいですね。一つの映画を自分の頭の中で作って観ているような感覚になっています。

あとは、ひたすら動画サイトでチャーハンを作る動画を見ています。観ていて気持ちがいいんですよ。卵を入れて、ご飯を入れて、謎の調味料をバッとかけて、炒めて。最後に中華鍋をひっくり返して、ポンッとオタマにチャーハンを入れるんですが、それが気持ちいい。気づいたら観ています（笑）。

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▶︎吉高志音さんのファッション事情◀︎
―今日のお衣裳のポイントは？

トップスのチャイナボタンが目を惹いて気に入りました。オレンジが好きなので、この色味も気に入ってます。シックにも見えるし、印象的で覚えてもらえるのではないかと思って選ばせていただきました。

 

―普段はどんなファッションが多いですか？

どんなファッションでも着れるようになりたいと思って、メンズだけじゃなく、レディースものも見るようにしています。パンツはレディースの方がきれいに着れることもあるので。それから、気づくとモノトーンを選んでしまうので、なるべく色を取り入れて明るく見せたいなと思っています。街中で歩いている人たちの服を見て、参考にしたりもしています（笑）。

 

―この春はどんなファッションをしたいですか？

ベージュをベースにしたイギリス風のファションをしたいですね。ハイネックシャツとジャケットを合わせたような。普段、ダボっとした服を着てしまいがちなので、春はキチッとしたファッションを楽しみたいです。

 

―最近のお気に入りのファッションアイテムは？

（ドクター）マーチン！　しょっちゅう履いていますダボっとしたパンツの裾をブーツの中に入れて履きたいので、今、そんなパンツも探しています。

 

―最後に、吉高さんが素敵でいるために、輝き続けるためにしていることはありますか？

自分の中で今年のテーマが「ずっとキラキラしていたい」です。何に対しても楽しいという気持ちを忘れずに、好奇心を持って挑むことが自分をキラキラさせることにつながるのかなと思っています。ソーラーパネルのように、光を全て吸収して、自分から光を放っていきたい。そんなイメージです。あ！　ソーラーパネルというより、ヒマワリ（笑）！　ヒマワリの方がきれいですね（笑）。太陽の光をたくさん浴びて、きれいに咲き続ける。そうなれるように頑張ります！

 

【profile】
吉高志音／Sion Yoshitaka
1999年7月2日生まれ。東京都出身。
2018年にアイドルステージ「アンプラネット-Back to the Past！-」でデビュー。主な出演作は、MANKAI STAGE『A3!』、ミュージカル「フィーダシュタント」舞台「吸血鬼すぐ死ぬ」など。2023年9月にはデビュー5周年を記念したファースト写真集、12月にはカレンダーブックを発売。中国語や英語などの語学も堪能なトリリンガル。ファッションブランドのモデルを務めるなど幅広い活動で注目を集める。

■公式ホームページ
https://yoshitaka-sion.com/
■公式Instagram
https://www.instagram.com/sion_yoshitaka/
■公式X
https://twitter.com/sionyoshitaka

photo:Tsubasa Tsutsui／hair&make-up: m.o.／interview&text:Maki Shimada

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【公演概要】
■タイトル
ミュージカル『伝説のリトルバスケットボール団』
■日程・会場
東京公演：2024年2月15日(木)～2月25日(日)　草月ホール
大阪公演：2024年3月2日(土)～3月3日(日)　松下IMPホール
■作　パク・ヘリム
■作曲　ファン・イェスル
■オリジナル・プロダクション　アンサン文化財団、IM Culture
■演出　TETSUHARU
■出演
橋本祥平　梅津瑞樹　糸川耀士郎　吉高志音 ／ 太田将熙・平野良
■公式ホームページ
http://littlebasketball.jp/
■公式X
https://twitter.com/_littlebasket

(2024,02,10)

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