彩の国シェイクスピア・シリーズ 2nd Vol.1『ハムレット』製作発表記者会見が、2024年2月22日(木)に、彩の国さいたま芸術劇場で行われ、彩の国シェイクスピア・シリーズの芸術監督である吉田鋼太郎さんと柿澤勇人さん、北香那さんが登壇しました!!

 

彩の国シェイクスピア・シリーズは、蜷川幸雄さんのもと、シェイクスピアの全37戯曲を完全上演することを目指し、1998年のスタートしたシリーズです。シリーズ完結間際にこの世を去った蜷川幸雄さんから芸術監督のバトンを引き継いだ吉田鋼太郎さんが、2017年から残された5作品を見事に上演し、2023年2月の『ジョン王』をもってシリーズを完結させました。しかし、その後も吉田さんならではの解釈とエンターテインメント性を意識した演出で高い評価を得た吉田さんの元に新たなシリーズを望む声が多く寄せられたことから、ついに2024年5月、新たに「彩の国シェイクスピア・シリーズ 2nd」が始動します。

その記念すべき一作目に吉田さんが選んだのが、シェイクスピア不滅の金字塔『ハムレット』です。吉田さんはまず、「この劇場では、25年近く、シェイクスピアシリーズをやってきました。25年は随分と長い年月です。その長い間、変わらずに毎回、お客さまが満員で上演できたことは奇跡のようなことです。それを立ち上げて、走り続けたのが故・蜷川幸雄さんでした」とこれまでのシェイクスピア・シリーズを振り返りました。そして、「その後を幸か不幸か演出という形で任されました。これは不幸なんですよ(笑)。蜷川さんが残したシェイクスピア作品は5作品でしたが、どれもほぼ上演されていない、難しい作品でした。昨年、小栗旬主演で『ジョン王』を事実上、最後の公演として上演しましたが、僕の中には蜷川イズムがあると自負していますが、この場所で血脈を残し、自分の血も入れながら魂を受け継ごうと思ってやってきました」と『ジョン王』についても言及しました。

続けて、今回、新たに上演する『ハムレット』について、「世界中のありとあらゆる全ての戯曲、そしてシェイクスピアが書いた36作の戯曲と『ハムレット』とで分けられるというくらいの特別な芝居だと思っています。最高峰の戯曲だと言われている作品です。『ハムレット』は日常で起こりうる悲劇を描いていて、僕は大したストーリーではないと思います。ではなぜ世界最高峰と呼ばれているのか。その答えはぜひこの公演を観てください」と胸を張りました。

 

今回、吉田さん立っての希望で出演が決まったという柿澤さんは、「鋼太郎さんと3年前に『スルース~探偵~』という二人芝居で共演したのですが、その大千穐楽の終演後、鋼太郎さんから『お前のハムレットが見えたわ』と言っていただいたことを鮮明に覚えています。役者をやっていたら、いつかは挑戦したいのがハムレットだと思いますが、そうした役を憧れの先輩でもある鋼太郎さんに『やろう』と言っていただいたことがすごく嬉しくて、念願が叶いました」と出演が決まった心境を話しました。

そして、「僕の役者人生で後にも先にも一番のセリフ量だと思いますし、持っているものを全部さらけ出しても追いつかないんじゃないかと思いますが、鋼太郎さんを信じてついていって、なんとかいい舞台の幕を開けたいと思います」と力を込めました。

 

オフィーリアを演じる北さんは、「自分がオフィーリアを演じられるなんてと嬉しくて、まだ夢見心地ですが、お稽古が始まっていくことで実感が湧いてくると思うので今、すごく楽しみです。この作品に出演することで、『自分はこんなお芝居をするんだ』と初めての出会いがある気がしてワクワクしています」と思いを語り、「精一杯、全力を尽くして演じて参りますので、見守っていただけたら嬉しいです」と呼び掛けました。

また、この日は、一般の観覧者も会場で会見に参加。吉田さんは、『ハムレット』について会場を訪れた観覧者の方に質問をして、耳を傾ける場面も。その姿から、本作への真摯な思いが伝わってきました。

さらに、会場を訪れた一般観覧者から質問を受け付ける時間もありました。

「勝負飯を教えてください」という質問に北さんは「カップ麺。普段は食べないのですが、すごく体が欲している時があって、そういう時に食べるとパワーがみなぎる」と返答。

柿澤さんは「カレーです。舞台の稽古などでも、体がどんどん疲弊していくと食べられなくなるんです。何かしら胃の中に放り込もうと思ったら、カレーがいい」と語りました。

最後に吉田さんは「テレビの撮影で朝早いと、朝ご飯が出るんです。おにぎり2つと唐揚げかゆで卵。体がまだ起きていない時にあれを食べると美味しい」とその朝ごはんを食べて力を満たして撮影に臨んでいることを明かしました。

 

【公演概要】
■タイトル
彩の国シェイクスピア・シリーズ 2nd Vol.1『ハムレット』
■日程・会場
埼玉公演:2024年5月7日(火)~5月26日(日) 彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
宮城公演:2024年6月1日(土)・2日(日) 仙台銀行ホール イズミティ21 大ホール
愛知公演:2024年6月8日(土)・9日(日) 愛知県芸術劇場 大ホール
福岡公演:2024年6月15日(土)・16日(日) J:COM北九州芸術劇場 大ホール
大阪公演:2024年6月20日(木)~6月23日(日) 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
■作 W.シェイクスピア
■翻訳 小田島雄志
■演出・上演台本 吉田鋼太郎
■出演
柿澤勇人、北香那、白洲迅、渡部豪太、豊田裕大、正名僕蔵、高橋ひとみ、吉田鋼太郎ほか

(2024,02,26)

photo&text:Maki Shimada

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