ミュージカル『VIOLET』制作発表記者会見が2024年3月8日(金)に行われ、三浦透子さん、屋比久知奈さん、東啓介さん、立石俊樹さん、saraさん、若林星弥さん、森山大輔さん、谷口ゆうなさん、樹里咲穂さん、原田優一さん、spiさん、生田志守葉さん、嘉村咲良さん、水谷優月さん、演出の藤田俊太郎さんが登壇しました!!

本作は、梅田芸術劇場と英国チャリングクロス劇場との日英共同企画として立ち上がり、演出家の藤田さんが単身渡英して現地キャスト・スタッフとともに2019年にロンドンにて「英国キャスト版」を上演。オフ・ウエストエンド・シアター・アワードで名誉ある「作品賞」を含む6部門にノミネートされました。その後、2020年にはコロナ禍による中止を乗り越え、東京のみ3日間限定で「日本キャスト版」を実現しました。そして、今回、待望の再演を迎えます。

 

今回、新キャストとして主人公のヴァイオレットを演じるのは、三浦さんと屋比久さん。

三浦さんは、ヴァイオレットという役柄について「色々な方法で自分の心を守って生きてきた女性だと感じています。人に対して接するときの言葉の選び方も心を保つような、強い言い方もしますが、それは自分を守ってきた、人生の中で身につけた生きる術なのかなと思います。そんなヴァイオレットが友達と出会って、柔らかくなっていく瞬間を舞台の中で作れたらいいなと思っています」とコメント。

 

一方、屋比久さんは「稽古をしていきながらもっと深めていきたいと思っていますが、多面的なキャラクターだと思っていて、一言では言えない色々な思いを抱えていると思います。すごく苦しんでいるけれども、ピュアでまっすぐで、同時に世界を斜めに捉えている視点もあって、ヴァイオレットはこうだというのに縛られないようにしないといけないと思いながら進めています。一人の女性の変化を描いている作品なので、敏感に、舞台上での作品のやり取りを大事に、キャラクターを探していきたいと思います」と思いを寄せました。

 

また、そんな二人のヴァイオレットに対し、藤田さんは「稽古初期の今、思うことは、三浦さんのヴァイオレットは心の中に心の中に強い信念と明るさを持っているのではないかと感じています。屋比久さんは、全身にパワーをみなぎらせたパッション溢れるヴァイオレット像。全然違うキャラクターが一歩一歩生まれつつあるので、これからの稽古をとても楽しみにしています」と語りました。

コロナ禍を経た、今回の公演では「オンステージシート」も販売されていますが、藤田さんは「(オンステージシートは)お客さまがヴァイオレットと一緒に旅をするというしつらえです。非常に近い距離で音楽も感じてもらいながら、15人目の乗客になっていただいて旅をしてもらいたいと思います」と説明しました。

そして、本作で描かれる人種差別や女性の成長の物語について、藤田さんは「差別が融和する瞬間や人と人が交流し優しい気持ちが生まれる瞬間、心の傷がなくなる瞬間が、旅の中、日常の中にたくさん訪れるので、その瞬間を大事にしています。そうしたシーンを重ねることで、最後に優しい光をもたらし、一緒に未来を見ることができるんじゃないかなと思っています」と言及しました。

 

なおこの日の会見では、出演者全員による本作の楽曲「マイ・ウェイ」の歌唱パフォーマンスも行われました。

 

出演者たちのコメントは以下。

三浦透子さん
とってもいいチームで稽古ができている実感があります。これからまだ1ヶ月くらい稽古があるので、まだまだたどり着かないといけないところまで距離はありますが、いい舞台を見せられるように必死に頑張りますので、ぜひ劇場に来ていただけると嬉しいです。

 

屋比久知奈さん
「出会い」が人間に大きな影響を与えるのだなと実感しながら作品と向き合っています。そういう意味で、この作品が観てくださる方にもいい出会いになってくれたら、とても嬉しく思います。キャスト全員で一丸となって、楽しみながら頑張ります。

 

東啓介さん
フリックの心の深さやずっと受けてきた差別が滲み出るように演じたいです。差別を描いていますが、日本は関係ないと思わずに、自分のコンプレックスなどに置き換えてとらえてみてください。出会いの尊さや助け合うことの素晴らしさ、愛のすごさを感じていただき、乗り越えられるものがたくさんあると思うので、劇場で音楽と僕たちの肉声を聞いていただけたらと思います。

 

立石俊樹さん
毎日が考えることばかりですが、だからこそとても有意義な時間を過ごせているなと感じています。旅の途中で考えてもいなかった出会いがあったりするように、稽古場でも新しく身につけないといけないことが出てきたりしながら、作品の最終地点に向かって進んでいるので、前向きに頑張っていこうと思うので、本番を楽しみにしていてください。

 

saraさん
没入感がある、お客さまと一体になって作っていく時間になる、特別な作品だと思います。私自身も毎公演、新しい価値観に出会いながら公演期間を過ごしていきたいと思います。

 

若林星弥さん
僕自身、まだまだ挑戦の日々ですが、キャストの皆さんの力をお借りして、皆まさにいいものをお届けできたらと思います。

 

森山大輔さん
このカンパニーは仲の良い人たちなのでやりやすいですし、今、稽古をしていて、これまで藤田さんが作ってきたヴァイオレットの中で、1番いい出来のヴァイオレットになると感じています。ぜひご期待ください。

 

谷口ゆうなさん
この少ない人数でやっている演目です。スイングキャストも2人いてくれて、私たちよりも多いスタッフ、オーケストラの皆さんに支えられて、最後までできたらと思います。私は出身が福岡なのですが、今回は福岡と宮城、大阪にもお届けに行きますので、各地でも応援していただけたらと思います。

 

樹里咲穂さん
後列にいるキャストたちは、ヴァイオレットと出会う色々なキャラクターを演じるので、「あれ、さっきあの役だったのに」「こんな人数でやっていたの?」と思っていただけるといいなと思っています。それぞれに与えられたキャラクターを工夫して別人に見えるように作っていますので、そうしたところも楽しみにしていらしてください。

 

原田優一さん
伝道師として、ラスボスとして待ち構えているのですが、僕は運転手役も演じ、ヴァイオレットと一緒に旅をします。その与えられている複数の役にも意味があると思います。毎シーン、発信していることはシンプルですが、言葉が美しいし、考え尽くされた歌詞とセリフで構成されています。美しいと感じてみていたら、そこに隠されたシンプルなテーマが積み重なっています。見逃せない、聞き逃せないところが存分にある作品です。このシーンがないと成立しないというシーンしかない。皆様の人生経験で観ていただければ、絶対納得すると思うので、劇場でお待ちしております。

 

spiさん
父親は作中では死んでいます。フラッシュバックでしか出てきません。でも、お父さんもめっちゃいいですし、大感動間違いなしなので、ぜひ皆さんお越しください。

 

生田志守葉さん
観にきてくれた皆さんの素敵な思い出に残るように、そして、観に来てくれた皆さんと素敵な旅ができるように劇場に来てもらえると嬉しいです。

嘉村咲良さん
この作品は見た目ではなく心が大切というのを教えてくれる物語だと思います。ヴァイオレットは私がまだ持っていない複雑な感情をたくさん持っていて、それを表現するのは大変ですが、練習を頑張ります。劇場に見に来ていただけたら嬉しいです。

水谷優月さん
観に来てくれたお客さまがみんな、感動して、このミュージカルはよかったな、もう一回、観に行きたいなと思ってもらえるように、セリフ一つ一つ考えてやっていきたいと思っているので、劇場にお越しください。

 

藤田俊太郎さん
ラストシーンでは、劇場中が優しい光に包まれるような舞台を作っていきたいと思っています。ヴァイオレットのお二人はお衣装も違います。ヤングヴァイオレットもお衣装が違います。実は、6バージョンあるということです。全く違うヴァイオレットを作ろうと思っています。1度ご覧になっても、まだまだ違う深み、味わいがあるので、何度でも劇場に来ていただけたらと思います。

【公演概要】
■タイトル
ミュージカル『VIOLET』
■日程・会場
東京公演:2024年4月7日(日)〜4月21日(日) 東京芸術劇場プレイハウス
大阪公演:2024年4月27日(土)〜4月29日(月・祝) 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
福岡公演:2024年5月4日(土・祝) キャナルシティ劇場
宮城公演:2024年5月10日(金)〜5月11日(土) 仙台電力ホール
■音楽 ジニーン・テソーリ(『ファン・ホーム』2015年トニー賞最優秀オリジナル楽曲賞)
■脚本・歌詞 ブライアン・クロウリー
■原作 ドリス・ベッツ『The Ugliest Pilgrim』
■演出 藤田俊太郎
■出演
三浦透子/屋比久知奈、東啓介、立石俊樹、sara、若林星弥、森山大輔、谷口ゆうな、樹里咲穂、原田優一、spi、生田志守葉/嘉村咲良/水谷優月

■公式ホームページ

https://www.umegei.com/violet/

(2024,03,10)

photo&text:Maki Shimada

#NorieM #NorieMmagazine #ノリエム #ミュージカルVIOLET