2022年初演の大反響を受け、待望の再演を7月に迎える大ヒットブロードウェイ・ミュージカル 『モダン・ミリー』。
1920年代のニューヨークを舞台に仕事と恋に頑張る主人公・ミリーを朝夏まなとさんが演じ、小林香さんが演出・翻訳を手がけた『モダン・ミリー』は、心に残る美しいソングナンバーや、華やかなダンス、抱腹絶倒のストーリーが、多くのお客さまの心を掴みました。「観た後は誰でも元気になる、文句なしに楽しいミュージカル!!」と高い評価を得た本作に出演する田代万里生さん、廣瀬友祐さんに公演への意気込みや作品への想い、そしてファッションについても語っていただきました!!

 


ー7月に再演を迎える『モダン・ミリー』。田代さんは今回初出演となります。この作品の魅力をどんなところに感じていますか?

田代さん「この作品は元々映画が上映されていて、ミュージカルの歴史の中では、どちらかというとクラシカルな作品だと思います。時代的にもミュージカル創世記に作られている作品なので、構成や、ナンバー、ショーアップされたシーンは皆さんが想像する“ザ・ミュージカル”に近いと思いますし、ハッピーミュージカルならではの最後のドンデン返しというすべてが詰まっているので、初めてミュージカルをご覧になる方には、とても観やすい作品です。最近は新しいミュージカルがすごく増えてきたので、こういった作品は逆に珍しいのではないかなと思います。王道な作品ですので、演じる側にとっては、本質が問われるというか、丸裸にされる部分もあったりするので、挑戦でもあります。でも、原点に帰るという感じで、これぞミュージカルというダンス、芝居、歌という要素がたくさん詰まっているので、皆さんにご堪能いただける作品だと思います」

 

ーご自身のシーンはもちろん、作品全体を楽しんでご覧いただきたいですね!!

田代さん「自分が出ているシーンはもちろん楽しいのですが、出ていないシーンも見ているのが本当に楽しくて、廣瀬くんが出ているシーンもお客さんのような感覚で稽古場で見ていました。廣瀬くんが登場するシーンは稽古1日目だったのに、完成度がものすごく高くて、もう明日にでも劇場に入ってもおかしくないくらいで、本当に濃密な稽古になっています」

 

ー廣瀬さんは、前回に続いてのご出演になります。「この作品が役者人生にとって忘れられない作品となった」とコメントをされていましたが、そのように感じた理由を教えてください。

廣瀬さん「ありがたいことに、前回出演したこの作品、この役で、第30回読売演劇大賞・優秀男優賞をいただきました。僕の役者人生においては、間違いなく大きな出来事でしたので、忘れられない作品になりました」

田代さん「こういうコミカルな役はこの作品の前にやっていたの?」

廣瀬さん「2022年が1年通して割とそういう役が多かったですね」

田代さん「初めて共演したのが、『エリザベート』という作品で、革命家のすごくかっこいい役だったから、ギャップがすごいよね(笑)」

廣瀬さん「ミュージカルにおいてコメディという要素が入った役をやったのは、ミュージカル『エニシング・ゴーズ』(2021年上演)が最初だったかもしれないですね」

田代さん「その時の役があまりに良すぎて、観終わってすぐに連絡したよね」

廣瀬さん「それがきっかけで、以降そういう役に巡り合うことが増えたのは間違いないですね。特に2022年は、そういった要素の強い役が多かったと思います」

田代さん「どうして『エニシング・ゴーズ』のあの役に廣瀬くんをって思ったんだろうね?」

廣瀬さん「そうですよね?でもありがたかったですね!!」

 


ー田代さんからご覧になって、廣瀬さんの一番の魅力とはどんなところですか?


田代さん「やっぱりギャップですね。緩急もすごくあるのと、そこからその声が出る??という意外性ですね。ダンディなところから、コミカルな声まで、そしてこれだけの体格、身長があるからすごく舞台映えするのに、信じられないぐらい脱力して、猫背になったりもするし。こんなにハンサムで端正な顔なのに、かっこつけないことをさらけ出せるということは、なかなかできないと思うんです。みんなどこかでかっこつけてしまうのに、かっこつけることを止めることができる。へなちょこからまたハンサムに戻ったり、そこもすごく面白いし、自分の中で、緩急を自由自在にコントロールしているところを『エニシング・ゴーズ』で見て、すごく魅力的だなと感じました。その根底には、ダンス、歌、芝居がしっかりしているというのがあって、他の人にはできないし、羨ましいところだらけですね」

廣瀬さん「恐れ多いですよ!!」

田代さん「でも、やっぱり声が好きですね!!今の時代って高い声が主流になってきている中で、昭和歌謡を歌ったら抜群に太い声を持っているんです。いわゆるクラシックで言ったらバリトンの声なんだけど、それが意外に今ミュージカル界にはあまりいないんですよ。テノールの方が多かったり、ポップスでいうとファルセットより高いハイトーンが得意な人とは、違う太い声、その声って今の廣瀬くんの年齢から、さらにどんどん年齢を重ねるごとに面白くなっていく声なんですよ。羨ましいです」

廣瀬さん「嬉しいですね。本当に勉強になります!!」

 

ー廣瀬さんからご覧になった田代さんの魅力とはどんなところでしょうか?


廣瀬さん「魅力しかないですね。万里生くんも間違いなくギャップっていうところがあると思います。万里生くんもキャラの濃い役などを結構やってますよね?」

田代さん「ここ2、3年はむしろそっちの役しか来ないぐらいになっちゃって(笑)」

廣瀬さん「だから万里生くんは、どんなジャンルも演じられる役者という印象があります。ミュージカルについて学校で勉強をしてなくて、専門知識が少ない僕にとって、先生でもあり、優しいお兄ちゃんであり、温かい感じが人としてすごく魅力的だと思います。表現者や役者というのは、究極は好みだと思うんです。作品によって求められるもの、テイスト、手法、メソッドが違っていて、役者はその作品に応じて表現する部分が大きいので、その作品1つでその人を判断することはなかなかシビアだなと思うんですけど、単純に人として僕は万里生くんのことを尊敬するし、好きなので、それがもう僕にとっては何よりも大切なものですね。やっぱり、いい役者さんって、いい人だという持論があって、万里生くんは人として安心もできるし、勉強させてくれて、リスペクトできる部分を持っている素敵な人です」

田代さん「あと廣瀬くんは絵が上手い!!ミュージカル『グレート・ギャツビー』(2017年)の時にカンパニーTシャツの絵を描いてくれて」

廣瀬さん「カンパニーTシャツを描いたのはあの時が初めてでした!!」

田代さん「今でこそいろいろなカンパニーでも描いていて、彼が描いたTシャツをほかにも持っていますが、『グレート・ギャツビー』のときのあの絵がすごく印象的でした。彼の美的センスを僕は髪型から感じたんだよね。『エリザベート』の革命家の役で、稽古の時から髪型のセットがウィッグ?って見間違えるくらいに綺麗だったんだよね。アートとしてやっていたんだなって後から思っていました」

廣瀬さん「髪の毛もずっと自分でカットしてました。サッカーをやっていたので、おしゃれな感じではないんですが。そういう意味でのセルフプロデュースみたいなものは割と好きかもしれないですね」

 

ー最後に田代さんにはご自身で楽しみにしていること、廣瀬さんには、この作品の見どころを教えていただきたいと思います。
田代さん「ミュージカルコメディと呼ばれている作品にあまり出演していないので、お客さまの反応や笑い声や終わった後の楽しかったねと帰って行くところを見たいですね。終演後お客さまと同じタイミングで出るときがあって、その時に感じるお客さまの空気でわかるんですよね。すごく楽しんでくれたんだなとか、賛否両論あるのかな?とか。興奮している人もいれば、消化しきれて無くて、考えながら帰っている方もいます。この作品は、絶対にみんな笑顔で帰ってくれると思うので、その笑顔と空気感を早く感じたいです楽しみにしています」
廣瀬さん「シンプルに前回との違いで言ったら、台本や設定が若干変わっている部分があるので、そういう意味でも新しい『モダン・ミリー』をご覧いただけると思います。主要キャストも半分くらい新しくなって、また違う『モダン・ミリー』になっています。演者も笑い声や拍手を感じれる作品で、劇場内の一体感、一緒にこの作品を作っている感覚をお客さまも味わえる作品だと思うので、とにかくハッピーなミュージカルを目指して行きたいと思っております」


▶︎田代万里生さん&廣瀬友祐さんのファッション事情◀︎
ー今日のお衣裳のお気に入りポイントを教えてください。
廣瀬さん
COMOLI(コモリ)というブランドが一番好きで、今日のスタイリングは全部そこの服です。シンプルなんですが、少しくったりしていて、だらしなさ過ぎない緩さとどんなシーンでもいける雰囲気、そして素材が良いところが気に入っています。洋服も人間もだんだんとシンプルで上質になっていく感じがあって、このブランドにもその印象があります。僕自身2年間アパレルで働いていたことがあって、服が好きです。最近はCOMOLI(コモリ)一択です!!

田代さん「服を決めるときは、すごく汗をかくので汗が目立たないことをまず考えます。今日は室内の撮影で、このスタイルで真夏の炎天下に行くわけではないのですが、まずそこから選びました。本来は、明るい服が好きなんですけど、汗を気にすると稽古着もそうだけども、割と黒を着たりしています。年齢を重ねるといい意味でこれしか着ないというのが決まってきて、20代の時は、毎日違う服を着たいとか、いろいろな色を着たいとか、すごい柄物を着てみたいとかあったけど、今はどんどんシンプルになっている気がします。あと同じ服を色違いで買ったり、ヘビロテするものは、同じものを5枚とか買う時もあります」

 

profile

田代万里生/Mario Tashiro

1984111日生まれ。長崎県出身。

東京藝術大学音楽学部声楽科テノール専攻卒業。幼い頃よりピアノ、ヴァイオリン、トランペットを学び、15歳から声楽を習い始める。『欲望という名の電車』(2003)で本格的にオペラデビュー、『マルグリット』(2009)でミュージカルデビュー。 39回菊田一夫演劇賞受賞。 近年の主な舞台出演作は、『カム フロム アウェイ』『ジョン&ジェン』『アナスタシア』『マチルダ』、『エリザベート』、『ガイズ&ドールズ』、『ラビット・ホール』、『ジャック・ザ・リッパー』、『マタ・ハリ』、『スリル・ミー』など。

公式ホームページ

https://fc.horipro.jp/tashiromario/

 

廣瀬友祐/Yusuke Hirose

19851014日生まれ。東京都出身。

2008年ミュージカル『テニスの王子様』でデビュー。俳優業の他、歌手としても活動中。

30回読売演劇大賞・優秀男優賞受賞。

近年の主な舞台出演作は、ミュージカル『エリザベート』『1789 – バスティーユの恋人たち』『ロミオ&ジュリエット』『グレートギャッツビー』『パジャマ ゲーム』『屋根の上のヴァイオリン弾き』、浪漫活劇『るろうに剣心』、『ファントム』、『WEST SIDE STORY Season 2』、『フラッシュダンス』、『エニシング・ゴーズ』など。

公式ホームページ

https://hiroseyusuke.info/

公式Instagram

https://www.instagram.com/yuusuke_hirose.official/

公式X

https://x.com/hirose_yuusuke


STORY
1920
年代のニューヨーク。「大切なのはロマンスよりも理性!」をモットーに、モダンガールに憧れて田舎町から出てきたミリーは、下宿先で知り合ったドロシーや偶然の出会いを繰り返すジミーと仲良くなったり、玉の輿を狙って就職した会社の社長・グレイドンに猛アプローチをかけたり、世界的歌手マジーのパーティーに参加したりと新しい生活を楽しむ。

そんな時、ドロシーが行方不明に!下宿先の女主人ミセス・ミアーズが、身寄りのない彼女を誘拐しと知ったミリーたちは、 ドロシー救出作戦を決行!果たしてミリーたちの運命は!?

そして、ミリーが見つけた本当に大切なものとは――

 

【公演概要】

タイトル

ブロードウェイミュージカル『モダン・ミリー』

日程・会場

東京公演:2024710()728() シアタークリエ

大阪公演:202483()84() 新歌舞伎座

愛知公演:2024811() Niterra 日本特殊陶業市民会館ビレッジホール
福岡公演:2024816()818() 博多座

東京・凱旋公演:2024824()825() 昭和女子大学人見記念講堂

出演

朝夏まなと 田代万里生 廣瀬友祐 夢咲ねね 大山真志

土居裕子 一路真輝

入絵加奈子 安倍康律

砂塚健斗 高木裕和 常住富大 堀江慎也 村上貴亮

伊藤かの子 島田 彩 橋本由希子 湊 陽奈 吉田萌美 玲実くれあ

公式ホームページ

https://www.tohostage.com/modern_millie/

(2024,07,03)

photo:Hirofumi Miyata/styling: Atsuko Goda/hair&make-up: Maki Komori(337inc.)/interview&text:Akiko Yamashita

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CHECK①!!

下記のリンクのインスタグラムに田代万里生さん&廣瀬友祐さんのインタビュー撮影時のアザーカットを公開いたします!!お見逃しなく!!

https://www.instagram.com/noriem_press/