PARCO PRODUCE 2024『オーランド』のプレスコールが2024年7月4日(木)に行われ、宮沢りえさん、ウエンツ瑛士さん、河内大和さん、谷田歩さん、山崎一さんから開幕に向けたコメントが到着しました!!

本作は、20世紀モダニズム文学の重鎮で最も有名な女流作家のひとりであるヴァージニア・ウルフさんの代表作を演出家・栗山民也さんが原案、詩人・岩切正一郎さんの翻案で舞台作品に落とし込み、現代に蘇らせた作品です。主人公オーランドが、時代も国境もジェンダーも飛び越えて、数奇な運命に立ち向かい、真実の「私」を探求する姿を演じます。宮沢さんは、美貌の青年貴族から一夜にして女性へと変貌するオーランドを演じます。

この日のプレスコールでは、冒頭の5シーンが披露されました。
ステージには4脚のイスが並んだシンプルなセット。ステージ中央には袋状のものがロープで吊り下げられていて、どことなく不気味さを醸し出しています。舞台中央からオーランドが登場し、想いを巡らせるシーンから物語はスタート。やがて、エリザベス女王を迎える準備をするために館へ戻ったオーランドは、エリザベス女王からの寵愛を受けます。

しばらくして、オーランドはサーシャというロシア大使の姪に恋をします。しかし、その恋は実らず、彼は失恋のショックから7日間、眠り続けるのでした。その後、エリザベス女王の怒りを買ったオーランドは、宮廷を追放されてしまいます。田舎で詩を書き始めたオーランドは、ニックに詩の手解きを頼みますが、自信作を酷評されてしまいます。

さらに、ルーマニアの皇女と出会ったオーランドは、彼女から激しいアプローチを受け、困惑します。そして、王様に特命全権大使に任命してもらい、トルコへと旅立つのでした。

ステージは終始、宮沢さん演じるオーランドを中心に物語が進んでいきます。スピーディーな展開で、次々とオーランドの状況が変わっていいきますが、そんなオーランドを演じる宮沢さんの高い演技力が光ります。

また、ウエンツさん、河内さん、谷田さん、山崎さんは複数の役を次々と演じ分けています。エリザベス女王を河内さん、ルーマニアの皇女をウエンツさんが演じるなど、性別を超えて演じ分ける姿は圧巻でした。

初日に向けたスタッフ&キャストの皆さんのコメントは以下。

●翻案:岩切正一郎さん
いよいよ幕が開いた『オーランド』。観客がみつめる舞台の上で、生きることと演じることとが深いところで一つになり、さまざまな感情を観る者に呼び起こす、これぞ演劇!としか言いようのない強烈なリアリティーが立ち上がっていました。
舞台は生き物。毎回の上演で、お客様との豊かな相互作用のなか、毎回違った舞台が生まれるのだなあ、と思うとわくわくします。
そこには、演劇的なリアリティーを作り出す声、演技、振り付け、装置、衣裳、照明、音響、音楽、演出などなど、たくさんのエレメントを堪能できる、一期一会の出会いもあります。
『オーランド』の醍醐味を多くの方に味わっていただけると嬉しいです。

 

●演出:栗山民也さん
PARCOの初日を前にして、この360年の歴史が転がるように進むドラマに、未だいくつもの問いが頭に浮かんでいます。だけどそのこと自体がとても愉快で新鮮で、実はその問いこそがこの劇の大事な根っこなのかもしれないと思えるのです。初めて見たもの聞いたものに対し、その正体がわからなければまず問うことから始めるはず。この全てが溢れかえった情報過多の毎日、なんの疑いも持たず安穏としているわたしたちの前で、オーランドはその場に何度も立ち止まり、自らに問うのです。そしてその大事さを強く噛み締めるのです。
稽古が始まって5週間、いつもよりも、よりたくさんの奇妙で楽しい旅をしてきました。エリザベス
朝から現在までを好奇の眼で見つめ続けたオーランドの全身で受けとめた体験を、どうぞ劇場で。

 

●宮沢りえさん
オーランド、台本を頂いた時、今までに無い感覚があって、どんな舞台になるのか不安でいっぱいでした。その時、演出の栗山さんが『始めから想像がつく事より面白いでしょ?』といたずらっ子の様におっしゃったお言葉を信じ、踠きながら稽古を重ねてきました。
彩の国で初日を迎え、本当に温かい拍手を頂いた時、作品を創ることの喜びと興奮を浴びた感覚でした。
その事をエネルギーに1ステージ1ステージ大切に、観客の皆さんと『オーランド』を体験していけたらと思います。

 

 

●ウエンツ瑛士さん
まず無事に埼玉で幕を開けられた事、ホッとすると同時にとても感謝しています。
振り返れば1ヶ月前この迷路のような台本と格闘していたと思うと、人生で最も濃い1ヶ月だったんじゃないかと思います。栗山さんの指し示す道に自分のできる事を最大限詰め込んで、時に先輩方に甘えながら真っ直ぐ歩いてきました。今はやっと1つの扉が開いただけ、ここからもっともっと「存在」を強めていきたいです。
この作品の魅力は余白がある事だと思います。セリフは「詩」の様に沢山の意味を含んで、いまかいまかと発せられるのを待っています。その合間合間に、どれだけの情景や言葉を皆さまの脳内に浮かばせられるかが勝負でありこの作品の醍醐味です。それは決して説明ではなく、表現ではなく、「存在」だと信じています。
素敵なキャスト、スタッフに囲まれて幸せに毎日を過ごしています。
この作品が皆様の生活の潤いになりますように。

 

●河内大和さん
この作品がどうお客様に届くのか本当に未知の世界で、初日の緊張感はものすごかったです。でも、劇中の時間の経過とともにお客様の集中力がぐんぐん増していくのを肌で感じ、かなり苦しんだ稽古だったので緊張し過ぎて口の中がパッサパサで大変でしたが、お客様総立ちのカーテンコールに本当に感動しました。男でもあり女でもあるオーランドという”人間”の本質に光を当て影を作るコロス、愛すべき役たちも今は大好きです。オーランドと一緒に気持ちを共有しながら400年を生きる体験、最後には言葉にならない不思議な感覚になると思います。是非、劇場に体感しにいらして下さい。

 

●谷田歩さん
自分にとっては非常に難しい作品で、稽古の最初から迷いっぱなしでしたが、栗山さんの演出の力を貰い、
キャストの皆さんの力を借りて何とか形にする事が出来ました。まだまだ完成形ではありませんが。劇場に
入ってからも何度も失敗し、それを何とか次の日に修正するという事の繰り返しで、人生で初めてくらいの物凄い緊張感のある初日でした。
でも、このオーランドと言う難しい戯曲のパズルを最後に埋めてくれたのが劇場に入って観に来てくれたお客さんでした。自分では気付かなかったシーンもお客さんの集中や反応で何か違う新鮮なモノを掴めたし、この作品はやればやるほど成長していく戯曲なんだと言う事を、実感として理解出来た様な初日でした。これからPARCOと地方公演が始まります。最後まで瞬間を精一杯生きてこの戯曲の肉の一部になって行ける様に日々発見していきたいと今は思っています。

 

●山崎一さん
彩の国での2ステージが終わりました。
初日の、異様な緊張感の中はじまった芝居は只々無我夢中の2時間半でした(こんな初日は久し振りです) 。芝居が終わって立ち上がりお辞儀をした時、お客さまのスタンディングオベーションに思わず目頭が熱くなりました(やはりこんな初日も久し振りでした)。
おそらくこの作品は宮沢りえさんの代表作のひとつになるでしょう。それほど素晴らしい作品だと思います。その作品に参加出来たことを誇りに思っています。
皆様、どうぞ「オーランド」観に来てください!
劇場でお待ちしています。

 

【公演概要】
■タイトル
PARCO PRODUCE 2024『オーランド』
■日程・会場
埼玉公演:2024年6月29日(土)〜6月30日(日) 彩の国さいたま芸術劇場大ホール ※終了
東京公演:2024年7月5日(金)〜7月28日(日) PARCO劇場
愛知公演:2024年8月1日(木)〜8月4日(日) 穂の国とよはし芸術劇場PLAT主ホール
兵庫公演:2024年8月8日(木)〜8月11日(日) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
福岡公演:2024年8月16日(金)〜8月18日(日) キャナルシティ劇場
■原作 ヴァージニア・ウルフ
■翻案 岩切正一郎
■演出 栗山民也
■出演
宮沢りえ ウエンツ瑛士 河内大和 谷田歩 山崎一
■ヴァイオリン演奏 越川歩

https://stage.parco.jp/program/orlando2024

(2024,07,05)

photo&text:Maki Shimada

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