「金管楽器(ブラス)」「打楽器(パーカッション)」「ビジュアル·アンサンブル(ダンサー/カラーガード)」の3つのパートから構成され、それぞれが驚異的な演奏·技術·演技を披露する圧巻のパフォーマンスショー『blast ブラスト!』がこの夏、10年ぶりに来日し、7月末から全国21会場でツアーを開催します。
60種類以上の楽器を激しく動き回りながらも巧みに扱うミュージシャンと、色とりどりの手具を華麗にあやつるダンサーの驚異的な演奏·演技·技術が光る圧巻のステージは盛り上がること間違いなし!!
今回、NorieMでは、2000年に初の日本人として『blast ブラスト!』に入団し、現在ではリーダー役としてグループのまとめ役を担い、他のメンバーへの指導も任されている石川直さんへインタビュー!!パーカッションを始めたきっかけ、『blast ブラスト!』の魅力、公演への意気込み、そしてファッションについてもお話をうかがいました!!
ー石川さんがパーカッションを始めようと思ったきっかけを教えてください。
中学2年の時に父親の仕事の都合で家族でアメリカに引っ越しました。当時は英語が話せなかったので、まず楽器をやって、生活をしていくうちに英語もなれてくるだろうと思ったのがきっかけで、その時に吹奏楽とマーチングバンドに出会ったんです。そこからマーチングバンドのドラムラインに興味を持って、「やるならあれがやりたい」と思って、そこから打楽器にのめり込んでいきました。
ーマーチングバンドのドラムラインに魅力を感じたのはどんなところですか?
僕のいた高校のマーチングバンドは100人弱ぐらいでしたが、その中でもドラムラインはテンポの中心で、バンドでいうドラムセットみたいなもの。軸になる心臓部、エンジンのような役割で、その存在感とリズムの面白さ、聴覚的に聞いて面白いところ、そして見た目のかっこ良さに魅力を感じました。ちょっとやんちゃなアメリカ人の先輩ドラマーたちが、一緒に叩いてるのがとてもかっこよく見えました。視覚的なものと、音楽的なもの、あとは約100人のメンバーの中で、中心的な存在というところに惹かれました。
ーずっと続けてこられたパーカションで、2000年から『blast ブラスト!』に合流されました。合流するきっかけはどんなことだったのでしょうか?
少し遡るのですが、アメリカマーチングバンドの大会、厳密にはドラムコーと言って、その世界大会で僕が何回か優勝をしていて、個人優勝もしていたので、その界隈の方達には認識してもらっていました。僕が通っていたアメリカ南部テネシーにある大学の隣の州のジョージア州アトランタの高校で行われる大会にゲストとして演奏をしに来て欲しいと言われて、そこに行った時にその大会の審査員としてたまたまブラストの当時のパーカッションディレクターの人が来ていて、終わった後に名刺をいただき、「今こういうの作ってるんだ。良かったらオーディションに来ないか」と誘われたんです。その時、僕は大学卒業間近でしたので、学校に専念したいと一旦お断りし、「卒業して、もし興味があったらまた連絡して」とお話しをいただいたので、卒業した後に連絡をしたら、ちょうど第2期のオーディションやってるところで、そこから入る流れになりました。
ー『blast ブラスト!』での活動を通して石川さんご自身が感じたブラストの魅力はどんなところですか?
まずすごく面白いなと思うのが、音楽とか音楽教育に携わっているメンバーが大半なので、とにかくみんな勉強意欲、 学ぶという意識がものすごく高い人たちが集まっているところですね。全員が全員、指導者やクリエイター、パフォーマンスの経験もあって、多彩な集団というところも魅力だと思います。リハーサルをやって、いつまでに何をしなくてはいけないということがわかれば、それぞれが独自の学習パターンや方法で、どんどんどんどん学んでいって、ほっておいても磨きをかけていくことができるのが、エリート集団だなといつも思いますね。新人や初めて来るメンバーたちがいつも何割かいますが、みんな優秀で、頼りになるなと思っています。ブラストでの活動だけでなく、楽曲制作や映像編集など全然別の仕事もしていたりもするので、メンバーたちからもらった刺激で新しく始めたこともたくさんあります。例えば、ブラストでは生演奏が基本ですが、打ち込み音楽を作っていた仲間たちと一緒に曲を作ったりとか。経験値や能力が高い人たちが集まってくるので、そういうメンバーたちも魅力ですね。多彩で活力が溢れていて、音楽をやっているのですが、みんなアスリートのようなミュージシャンです。
ー今アスリートというお話がありましたが、体力作りで意識していることはありますか?
(『blast ブラスト!』での活動は)普通にアスリート的なことを求められるので、何もしないでいくと身体を壊してしまうので、基礎トレーニングが重要です。例えばリハーサルが2ヶ月、ツアーが2ヶ月となるとその4ヶ月間は、かなりハードで身体を酷使するような状況になります。ツアーに入ると、バス移動が続いたり、ベッドでしっかりと睡眠をとる時間がすごく限られます。常に移動していて、移動してセッティングしてリハやって公演というジプシーのような毎日を繰り返していてもしっかりとコンスタントにクオリティの良いショーをできるようにするためには、元々の体力をしっかりとつけておく必要があります。リハーサルも毎日あって、朝から晩まで10何時間行います。その中で座って演奏をすることはほとんどなくて、基本みんな歩いたり立ったり、走り回ったり、ムーブメントのリハーサルもあるので、ダンスをやったり、ジョギングしたり、各自の空いた時間でトレーニングしたりしています。僕らドラマーは10kg近くある楽器を背負ったまま3時間のリハーサルをやって、走ったり回ったりするので、それを何ヶ月もやり続けられる体力があることが基本になります。
ー公演をしていく中で、感じるご自身の感動や幸福感はどんなところに感じますか?
シンプルにみんなと共有できた時ですね。みんなというのはもちろん舞台上にいるメンバー、我々自身もそうですし、やっぱりお客さんも楽しんでくれているという感覚が伝わってきて、感覚が完全に繋がった時です。ホームパーティーで全員で盛り上がって、招いた側も招かれた側もみんな一体となってホームパーティーを楽しむ。そういう感じですかね。みんなが楽しんで、そのきっかけを作ったのが我々のパフォーマンスだっていうのが分かる時というのは本当に多幸感があって、ものすごく充実感を味わえますね。
ー『blast ブラスト!』を初めてご覧になる方もいらっしゃると思います。客席ではどんな風に楽しんで良いのでしょうか?
自由に楽しんで欲しいですね。スポーツ観戦の感覚でご覧いただいて全然大丈夫です。メンバーはマーチングバンドやドラムコーを経験してきていて、そういう大会だと、技とかソロが終わったら拍手が上がるし、ダンサーたちが旗を投げてキャッチして技を成功させると拍手が上がり、ドラムが激しいリズムをやってカッコよければみんな沸いてくれます。こうしなくてはいけないのではなく、シンプルに心の赴くまま、身体が反応するままに反応していただいて良いと思います。ただ、スポーツ観戦でもゴルフでパターをする時は静かにするとかルールがあるように、このシーンでは声を出すのはやめておいた方がいいねというところもあって、それは自然と雰囲気でわかると思います。それ以外のところは本当に自由に歓声をあげて楽しんでください。ジャズやクラシック、ロックやテクノとかいろんなジャンルがあり、昔から知られている世界的に有名な曲もたくさんあります。音楽的な予備知識とか一切なくても楽しめるショーなので、お祭りに来ていただく感覚で、我々が開いてるホームパーティーに来ていただくような感じで、構えずに遊びに来ていただくと、すごく楽しんでいただけると思います。
ー今のお話だけでもワクワクする感じがありますね。
ブラストの代名詞的なインターミッションの演奏や終演後にお客さまをロビーへ送り出すミート&グリートというのがあります。ミート&グリートは、カーテンコールからそのまま生演奏を続けて、ロビーに我々が先に出て、お客さまを帰り口まで誘導する感じです。そこで観てくださったお客さまと一瞬ですが交流することができて、観終わったあとすぐの1番テンションが上がったお客さまたちのリアクションを見ることができるのは僕らにとってすごく幸せです。お客さまにとっても、今観終わった舞台の上でパフォーマンスをしていた人たちと近くで会えるということで、喜んでもらえるんじゃないかなと思います。
ー最後に読者の皆さんへメッセージをお願いします。
『blast ブラスト!』自体は5年ぶりの日本全国ツアー、オリジナルの公演は10年ぶりになります。オリジナルの『blast ブラスト!』を観たことのない方々もたくさんいると思うので、まずは体感しに来ていただきたいです。音楽のサーカス、ホームパーティーのようなショーなので、身構えることなく、予備知識もなく、来ていただけたらそのまま楽しんでいただけます。吹奏楽やマーチングをやっている学生さんや生徒さんたちにもぜひ観てもらいたいですね。こういう音楽の表現もありなんだという可能性の広がりと視野の広がりを感じてもらえると思います。
▶︎石川直さんのファション事情◀︎
ーお気に入りのファッションスタイルはありますか?
買ったものをずっと着続けるタイプですね。久々にこの白いロンTを何枚かファストファッションのお店で買いました。白黒が一番無難なので最近は白や黒の服、そして動きやすいものを選ぶことが多くなってますね。
ー好きなファッションアイテムはありますか?
昔はウォレットチェーンとか色々付けていたんですが、歳を重ねるにつれて、より軽量化してきました。最近は自転車乗ったりすることも多いので、大体のものはバックパックに入れて落ちないようにすることが多いですね。一時期気に入って着ていたブランドもありますが、最近はあまりこだわらなくなってきました。
ー先ほど体力作りのお話もありましたが、素敵さを保つために意識していることはありますか?
それは僕も知りたいところですね!!今はものすごいスピードで時代が変化していて、Z世代とか世代について言われてますけれども、若い子たちから見たら昭和の僕とは、価値観もだいぶ変わってきているところもあると思うので、ものの良し悪し、素敵、素敵ではない、おしゃれ、おしゃれじゃない、かっこいい、かっこよくない、かわいい、かわいくないとか、その辺りのスタンダードもだいぶ違っていて、さっぱりわからないというのが正直なところです(笑)。素敵だなと思ってもらえるかどうかというところはコントロール出来ない部分なので、自分が自分らしくあること、いつまでもアクティブに学んだり、トライしたり、活力を失わないようにしたいなと思っています。
ー今後挑戦したいことを教えてください。
ちょっとやれるかどうかは分からないのですが、やってみたいことのひとつとして、昔からウィングスーツ着て飛びたいなということを思っています。死亡することもあるので、しっかりとセーフティが確認できるところまで腕を上げて、いつか飛べたらいいなと思ってます。そこにたどり着くまでには、様々なプロセスがあり、何年も時間をかけ、何度も何度も練習したり、テストを受けたりすることも必要ですが、いつか飛んでみたいなと思っています。
【profile】
石川直/Naoki Ishikawa
1975年6月9日生まれ。東京都出身。
13歳でアメリカに渡り、15歳よりパーカッションを始める。
The Cavaliers Drum and Bugle CorpsやThe Blue Devils Drum and Bugle CorpsでDCIに参加。
2000年 『blast ブラスト!』に初の日本人として入団、アメリカ国内ツアーに参加。
2001年 ブラスト!でブロードウェイ進出。同年5月から、スネアドラムのソリストに選ばれ、オープニング曲の「ボレロ」をはじめ、重要なパートを任される。後にアメリカ国内ツアーにも参加。2002年 日本帰国。
2003年~2019年ブラスト!日本ツアー に日本人唯一のパーカショニストとして参加。ショーの一部のアレンジに関わると同時に、リーダー役としてグループをまとめ、他のメンバーへの指導も任される。
2005年~2019年堂本光一主演舞台「Endless SHOCK」にキャストとして選ばれ続け、現在カンパニーの中で堂本光一氏の次に長く出演している。またドラムの指導と共にショーの一部の構成/演出にも関わる。
出演、共演、構成、演出、指導など活動は多岐にわたる。現在もクラブシーンでのパフォーマンスや、吹奏楽、オーケストラ、ジャズ、民族音楽、J-POPとの共演等、ジャンルを問わず活動を続ける傍ら、TVなど多方面で活動しながら国内外でのマーチングバンド/ドラムコー指導など、後輩の育成にも力を入れている。
「2007年大阪世界陸上」、「鼓喇舞(コラブ)」、「嵐」5大ドームツアー「Japonism Tour 2015」、フジテレビ系列「ライオンのグータッチ」(2シーズン)、「ワンピース音宴」、天理教校学園高校マーチングバンド部、宝塚歌劇団、Boston Brass、パリ·ギャルド·レピュブリケーヌ吹奏楽団、佐渡裕指揮シエナウインドオーケストラなど
2000年~2019年 『blast ブラスト!』シリーズ出演(日本ツアー2003年~)
2005年~2024年 堂本光一主演舞台『Endless SHOCK』出演(2024年出演予定)
·マーチングスネアドラムソロ世界大会、5回出場中3回優勝、2回準優勝(日本人初、日本人最多)
·アメリカのドラム·コー(DCI) 最高峰ドラムラインに日本人初入団。
·DCI ワールドチャンピオン2度獲得
·DCI ハイパーカッション賞2度獲得
▪️公式ホームページ
▪️公式Instagram
https://www.instagram.com/naokiishikawa0609/
▪️公式X
photo:Tsubasa Tsutsui/interview&text:Akiko Yamashita
【公演概要】
■タイトル
「blast ブラスト!」
■日程·会場
山形公演:2024年7月28日(日) シェルターなんようホール 大ホール(南陽市文化会館)
東京公演:2024年7月30日(火)~8月12日(月·休) 東急シアターオーブ
秋田公演:2024年8月14日(水) あきた芸術劇場ミルハス 大ホール
岩手公演:2024年8月15日(木) トーサイクラシックホール岩手(岩手県民会館) 大ホール
宮城公演:2024年8月16日(金)~8月17日(土) 東京エレクトロンホール宮城
栃木公演:2024年8月18日(日) 宇都宮市文化会館 大ホール
大阪公演:2024年8月21日(水)~8月25日(日) オリックス劇場
愛知公演:2024年8月28日(水)~8月29日(木) Niterra日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
静岡公演:2024年8月30日(金) アクトシティ浜松 大ホール
神奈川公演:2024年8月31日(土) 相模女子大学グリーンホール 大ホール(相模原市文化会館)
埼玉公演:2024年9月1日(日) 大宮ソニックシティ 大ホール
新潟公演:2024年9月3日(火) 新潟県民会館 大ホール
福島公演:2024年9月4日(水) けんしん郡山文化センター 大ホール
香川公演:2024年9月6日(金) レクザムホール 大ホール(香川県県民ホール)
岡山公演:2024年9月7日(土) 岡山芸術創造劇場ハレノワ 大劇場
愛媛公演:2024年9月8日(日) 松山市民会館 大ホール
広島公演:2024年9月10日(火) 広島文化学園HBGホール
山口公演:2024年9月11日(水) 周南市文化会館
福岡公演:2024年9月13日(金)~9月14日(土) 福岡サンパレス
熊本公演:2024年9月15日(日) 熊本城ホール メインホール
鹿児島公演:2024年9月16日(月·祝) 川商ホール(鹿児島市民文化ホール) 第1ホール
■公式ホームページ
https://blast-tour.jp/index.html
(2024,07,10)
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