東京芸術劇場 Presents 木ノ下歌舞伎『三人吉三廓初買』製作発表会が2024年7月16日(火)に行われ、田中俊介さん、須賀健太さん、藤野涼子さん、川平慈英さん、緒川たまきさん、眞島秀和さん、木ノ下裕一、演出の杉原邦生さんが登壇しました!!
本作は、歌舞伎作者のレジェンド·河竹黙阿弥による最高傑作を木ノ下さんと杉原さんのタッグによって上演する木ノ下歌舞伎の代表作で、9年ぶりの再演となる作品です。数奇な運命に翻弄されながら疾走する、和尚、お坊、お嬢という“三人の吉三郎”の物語と、現行歌舞伎ではカットされている、商人と花魁の恋をめぐる廓の物語をダイナミックに交錯させて綴ります。
木ノ下さんは、本作について「歌舞伎の作者の中では大変偉大な河竹黙阿弥の中でも、本人自身が会心の作と言っている作品です。しかし、初演以来、全く上演されていない場面もあるんです。それと同時に、今、歌舞伎でも上演されない部分が半分ある。そういうものを含めて、全体像を全て舞台に乗せようじゃないかという試みです。しかしながら、黙阿弥が書いた作品は長いんです。一言一句変えずに上演すると10時間以上かかるので、グッとエッセンスを圧縮して5時間の上演でございます」と説明しました。
演出の杉原さんは、「(木ノ下歌舞伎は)僕にとっても新しい経験や挑戦をさせてくれる劇団だと思っています。素敵なキャストの皆さん、素敵な会場で、素敵なスタッフの皆さんとともに作品が作れるのでたくさん挑戦できたらと思っていますし、新しい木ノ下歌舞伎の形を提示できたらと思います」と挨拶。5時間という長時間の公演になりますが、「僕はこれまで6時間の作品も10時間の作品も演出してきているので、長時間の演出は任せてください。絶対にお客さまを飽きさせることなく、皆さまを興奮の渦に巻き込みますので、ご期待いただけたらなと思います」と自信をのぞかせました。
また、和尚吉三を演じる田中さんは、「不安もたくさんありますが、物づくりにおいて苦しむことやストレスは大事なことだと思っています。でも、必要以上のストレスを感じることはないと思っていて、そのためには各々が恐れず、挑戦し、その勇気を讃えあえる暖かい稽古場にしていくことが大事だと思っています。助け合いながら5時間の舞台を頑張りたいと思っています」と意気込みました。
お坊吉三役の須賀さんは「お話をいただいて、『本当に?』という感じでした。でも、邦生さんとご一緒させていただいたご縁もあり、そして、今年30歳を迎え、芸術に携わらせていただく中で、日本の文化に触れて、自分自身成長していかなければならないと考えていたタイミングでこのお話をいただいて、こんなにぴったりな作品はないと思って、受けさせていただきました。それも自分で感じながら挑み続けられればいいなと思います」と出演への思いを語りました。
そして、藤野さんは「俳優人生の中で歌舞伎を演じることはなかなかないチャンスだと思うので、今から緊張していますが、さまざまなことにチャレンジしていけたらいいなと思います」、
川平さんは「僕はミュージカルと“楽天カードマン”を生業とさせていただいているので、歌舞伎は初チャレンジです。人間のドロドロした負の部分が入り混じるような舞台ですが、生に対する賛美や前向きなエネルギーを届けられたらいいなと思います」と思いを話しました。
緒川さんは「この作品は、160年前の初演時は、お正月公演だったそうなんです。それを感じながら台本を読みますと、こんなにも人の生き方って多様なのかなという人たちが右往左往していますし、江戸の庶民は粋な人たちで、心が広い人たちなんだなということが感じられます。今、この現代版の作品も、今を生きる私たちに楽しんでもらえる種類の作品になればいいなと思います」とコメントを寄せ、
眞島さんは「どこから何を手をつけて、どんな準備をしたらいいのかもわからない状態ですが、今日、杉原さんと木ノ下さんとお話しさせていただいて、こうやって準備すればいいんだなと。やがてくる初日には堂々と舞台に立てるように、そして皆さんの足を引っ張らないように、舞台に立てればと思います」と力を込めました。
【公演概要】
■タイトル
東京芸術劇場 Presents 木ノ下歌舞伎『三人吉三廓初買』
■日程·会場
東京公演:2024年9月15日(日)~29日(日) 東京芸術劇場 プレイハウス
長野公演:2024年10月5日(土)·6日(日) まつもと市民芸術館 主ホール
三重公演:2024年10月13日(日) 三重県文化会館 中ホール
兵庫公演:2024年10月19日(土)·20日(日) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
■作 河竹黙阿弥
■監修·補綴 木ノ下裕一
■演出 杉原邦生
■出演
田中俊介 須賀健太 矢部昌暉 藤野涼子 小日向星一 深沢萌華 川平慈英 緒川たまき 眞島秀和 ほか
■公式ホームページ
https://www.geigeki.jp/performance/theater364/
(2024,07,20)
photo&text:Maki Shimada
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