映画『蜜蜂と遠雷』で第43回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞、ミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』Season2で主演のトニーやブロードウェイミュージカル『ピピン』で主演を務めるなど、映画、舞台で幅広い活躍を見せる森崎ウィンさん。2020年には、アジアから世界に発信するエンターテイナー“MORISAKI WIN”としてメジャーデビューも果たしています。2024年8月31日(土)からは、LIVE TOUR ~MODULATION~と題した東京、大阪でのライブを開催。オリジナルはもちろん、宮野弦士さんが監修するニューアレンジやリミックスを取り入れた新たなパフォーマンスと、一新したバンドメンバー編成でライブを行います。森崎さんにライブやアーティスト活動への想い、さらにはファッションについてもお話しを聞きました!!
―「MODULATION」と題された今回のライブツアーは、どのような内容になるのでしょうか?
2020年にメジャーデビューをした当時はコロナ禍ということもあり、なかなかライブができない状況が続いていたのですが、やっとそれが解禁されて、ライブをしていこうという中で、数年、自分のツアーを行ってきました。そうして、今年、メジャーデビューから5年目に入りました。この5年で、音楽の現場だけじゃなく、ミュージカルやお芝居の現場でも森崎ウィンという人間がさまざまな変化をしていくのを感じてきましたし、これまでとは違う変化が訪れているような感覚があったので、今回は、それを盛り込んだライブにしたいと思い、変化という意味を持つ「MODULATION」をタイトルにつけさせていただきました。これまでに発表した楽曲を、このライブ用のアレンジで披露していきたいと思います。それから、同じ会場で2Daysやるのも初めてなので、そういう意味でも、今までとは全く違う“変化”のあるライブになるのかなと思います。とはいえ、僕のことを俳優として知っていて、こうした音楽活動をしていることを知らなかった方もいらっしゃると思いますので、初めての方にも楽しんでいただけるライブにしたいと思っていますし、これまで応援してくださっている方には驚きも感じていただけるようなライブにしたいと思っています。
―バンドメンバーも一新されるそうですね。
まだバンドメンバーとお会いできていないので、分からないところはありますが、4ピースバンド編成で、これまでも一緒にやってきた宮野弦士さんに音楽監修で入ってもらいます。同じ曲でも、演奏する方が違えば聴こえる音楽は全く違うので、音楽を通してどういう会話ができるのかすごく楽しみです。
―ライブの楽しさをどんなところに感じていますか?
ステージに立ってお客さんを見ると、「呼吸をしている」と感じられるんですよ。ライブ前に「ああしたい、こうしたい」と作り込んで準備をしている時間も楽しいですが、実際にステージに立った時は、それともまた違う感覚があって。この世に生を受けて、生まれて初めて外の空気を吸ったような、そんな感覚になる瞬間がたまらなく好きです。それは、ライブならではだと思います。
―俳優活動など、幅広い活動をする中で音楽活動は森崎さんにとってどんな存在ですか?
どれも好きで、どれも僕の一部でなくせないものですが、音楽活動に関しては、単純に好きだというのが大きいのかもしれません。
―そもそも、芸能活動を目指されたのは、音楽が大きかったんですか?
僕は、最初は、俳優でデビューしたんですよ。その後、事務所の方に歌声を聞いてもらい、ダンスボーカルグループに入って人前で歌わさせていただくことになりました。歌うことは小さい頃から好きでしたが、歌手になりたいと考えていたり、そこを目指していたわけではなかったですね。ただ、パフォーマンスをすることが好きだということに気づいてからは、音楽も続けていきたいと思うようになりました。
―子どもの頃にはどんな音楽を聞いていたのですか?
おばあちゃんがマイケル・ジャクソンやカーペンターズが好きだったので、よく一緒に聞いていました。子どもの頃はミャンマーに住んでいましたが、洋楽がずっと身近にあった感覚です。
―なるほど。そうしたルーツが今の音楽に影響を与えているのですね。森崎さんはミュージカルにも数多く出演されていますが、ミュージカルで歌うときとライブでアーティストとして歌うとき、それぞれどんな違いや楽しさがありますか?
ミュージカルは役を通して歌うので、自分の曲とは全く違うタイプの楽曲に出会えたり、新たな表現方法が身についたりするのが、面白さだと思います。セリフの延長の歌でもあるので、ライブとは全く違う感覚があります。ライブでは、森崎ウィンとして世の中に伝えたいことだったり、僕が望んでいる理想を、芝居ではなく、もっとリアルに届けようと思っています。
―森崎さんが、音楽を通して伝えたいことというのは?
音楽が皆さんの糧になればいいなと思っています。音楽は人を救い、人と人を繋げ、争いをなくしてくれるものだと僕は信じています。エンターテイメントを通して、国境やボーダーラインがなくなるというのが僕が一番望んでいる理想の姿です。音楽を鳴らしている会場だけはみんな平等だし、その瞬間は1つになれる。そんな空間を目指していけたらと思っています。
―そうすると、ライブを行うことで、例えばお客さんに元気になってもらう、明日への糧にしてもらうというのが1番大切にしている思いなのですね。
そうなっていただけたらいいなと思っています。もちろん、お客さんは、単純に僕がやっている音楽を好きでいてくれて、ライブに足を運んでくださっていると思うので、そういう意味では、ライブでしか聞けないもの、特別なものを、みんなで共有していきたいと思います。
―8月20日には34回目のお誕生日を迎えました。改めてここまでの30代を振り返ってどのような思いがありますか?
30代は面白いですね。変わった部分もあれば、変わらずにずっと自分の軸として持っているものを改めて認識することもあるありますし、楽しいです。今までは、勢いや若さで、よく分からないままできてしまったということがたくさんありましたが、これからはどうやったらそこで自分の持っているものを使ってベストが出せるかという方程式を自分で探していかなければいけないと思っています。そうしなければ、今後、新たなステージにはいけないのではないかとも感じています。僕は今、それを探るタイミングに差しかかっているのだと思います。
―今後の目標は?
アーティストとしてはアジアツアーを行いたいです。アジアは自分のルーツでもあるので、“MORISAKI WIN”として、僕の音楽を背負ってアジア全域を回りたいです。
―ありがとうございました!! 最後に、読者にメッセージをお願いします。
森崎ウィンの歌が少しでも気になっている方がいたら、ぜひ1回ライブに遊びに来ていただけたらと思います。ライブで待っています。
▶︎森崎ウィンさんのファッション事情◀︎
―今日のお衣裳のポイントは?
シンプルなセットアップですが、デニムっぽい素材なので、ラフだけどきちっと決まるものを選びました。
―普段はどんなファッションがお好きなのですか?
最近はダボっとしたパンツにTシャツ1枚で、帽子をかぶって眼鏡かけてという、ラフなファッションが多いです。ゴテゴテするのがあまり好きではないですし、衣裳を着た時と差が出ないのも嫌で。
―最近買った、お気に入りアイテムは?
カメラが好きでよく撮っているのですが、そのフィルターを出しているメーカーが発売したリュックを買いました。グレーがかった白のリュックで、リュックの下部分にはカメラが入れられるようになっているんです。上は普通に荷物を入れることができるので、旅にもちょうどいいなと思い、これから使っていきたいと思っています。
―先ほど、カメラマンさんの機材にも興味津々でしたが、カメラがお好きなんですね。
そうなんです。最近はあまり撮れていないですが、撮りたいなと思ってます。
―では、森崎さんが素敵でいるためにしていることは?
運動に限ります。絶対に運動はしたほうがいい!! 今、自分の体がめちゃくちゃ変わってきているのが分かるんですよ。僕は運動を始めたばかりですが、これは続けていきたいなと思っているのであえて、運動と言っておきます(笑)。
それほどハードなことをしているわけではなくて、夜にジョギングをするという程度です。ですが、これからの自分を考えたときに、自分の体のことも考えなくてはいけない。今は歌えているからいいけれど、10年後に同じ体力で歌えるのか。じゃあ、その先は? アジアツアーができたとき、自分はステージに立ってパフォーマンスをして耐えられるのか。そう考えていくと、今から少しずつでいいからやっておかないといけないなと思うようになりました。
20代は、いいんですよ。体力があるから、少しくらい無茶しても歌える。でも、老いには逆らえないですから。ベストパフォーマンスをするためにどうやって維持するかということに対して、最近は意識がいっています。もちろん、意識が行きすぎても見失ってしまうので、ちょうど良いラインを見つけ、焦らず、長い目で見て変化していこうと思っています。筋肉がついてきたなと思えばモチベーションが上がるし、もっと頑張ろうと思えるし、それがライブや仕事に繋がっていく。自信を持ってステージに立てるというのは、パフォーマーとして、エンターテイナーとしてこれからどんどん必要になると思います。
【profile】
森崎ウィン/Win Morisaki
1990年8月20日生まれ。ミャンマー出身。
ミャンマーで生まれ育ち、小学校4年生の時に来日、その後中学2年生の時にスカウトされ芸能活動を開始。2018年に公開されたスティーヴン・スピルバーグ監督の映画『レディ・プレイヤー1』で主要キャストに抜擢され、ハリウッドデビュー。2020年に映画『蜜蜂と遠雷』で第43回日本アカデミー賞新人俳優賞。主演連続ドラマ『本気のしるし』では釜山国際映画祭2021のASIA CONTENTS AWARDSにて「Best Newcomer-Actor賞」を受賞。その劇場版は第73回カンヌ国際映画祭「Official Selection2020」作品に選出。
近年の舞台出演作は、ミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』Season2で主演トニー役(2020年)、ミュージカル『ジェイミー』主演ジェイミー役(2021年)、ミュージカル『ピピン』主演ピピン役(2022年)、ミュージカル『SPY×FAMILY』主演ロイド役(2023年)など。
2023年に放送されたNHK大河ドラマ『どうする家康』で二代将軍の徳川秀忠を演じる。
2024年8月末より 「MORISAKI WIN LIVE TOUR 〜MODULATION〜」の開催を控える。
■公式Instagram
https://www.instagram.com/win_morisaki_official/
■公式X
https://x.com/win_morisaki_
photo:Tsubasa Tsutsui/styling: AKIYOSHI MORITA/hair&make-up: KEIJI UDAGAWA(heliotrope)/interview&text:Maki Shimada
【公演概要】
■タイトル
MORISAKI WIN LIVE TOUR ~MODULATION~
■日程・会場
東京公演:2024年8月31日(土)・9月1日(日) 竹芝ニューピアホール
大阪公演:2024年9月22日(日)・23日(月・祝) COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール
■公式ホームページ
https://columbia.jp/morisakiwin/
■ライブ情報Instagram
https://www.instagram.com/morisakiwinlive/
(2024,08,28)
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