1900 年代前半に実在した米国の天文学者、ヘンリエッタ・スワン・レヴィィットの物語『Silent Sky』が日本で初演を迎えます。
『Silent Sky』は、女性には研究者としての地位がなかった時代に、ハーヴァード大学天文台で研究を続け天文学史に残る発見をしたヘンリエッタの生涯をべースに、妹マーガレットとのあたたかなやりとり、同僚たちとの交流など、科学と芸術を融合させた美しい作品です。
主人公・ヘンリエッタが勤めるハーヴァード大学天文台のピッカリング台長の部下ピーターを演じる松島庄汰さんに作品への想い、公演への意気込み、さらにはファッションについてお話を聞きました!!
―松島さんが感じている作品の魅力を教えてください!!
まず実話というところに惹かれています。登場人物が実在する人物ということは、やはり説得力があり、それだけで見応えがあります。天文学者でもある人物が織りなす会話がすごく論理的で、そこも作品の魅力だと思います。
―ピーターの役作りの面で意識していることはありますか?
この作品は、100年前のお話です。演じるピーターは、“自覚していないハンサムで少し鈍臭い”と、ト書きに書かれています。天才なんだけど、会話が少し抜けていたり、「馬鹿と天才は紙一重」という言葉を思い出しました(笑)。でも変わったところばかりを強調してしまうと軽い印象になってしまうので、エリートの家庭に育ったという背景と時代感を大切にしつつ、演出家の大河内さんが大事にしているフォーマルさを意識して、キャラクターを丁寧に作っています。
―朝海ひかるさん演じるヘンリエッタとの関係も大事な要素ですね。彼女との距離感をどう感じていますか?
不釣り合いだと感じています。ピーターは、父親が敷いたレールに乗って、ハーヴァード大学に合格、優秀ではありますが、自分がたどり着いた居場所に疑問を持つことはなく、自身の人生もこういうものだと過ごしています。そこへ現れるのがヘンリエッタです。彼女は、自分は何者なのか、人生とは何なのかということを常に考え、常識だと思っていることにも疑問を投げかけます。ピーターからすると、初めて出会った価値観を持つ女性で、自由な発想を持つ異質な存在です。「こういう考え方もあるんだ」「こういう人生もあるんだ」「こういう人間もいるんだ」と彼女に惹かれていく。ピーターが、ヘンリエッタに対して自分が持っていない部分に魅力を感じるのはわかるのですが、ヘンリエッタがピーターのどこを好きになったのかは模索中です。男女の格差が大きかった時代、ヘンリエッタがピーターの優しいところに驚くシーンがあるので、そういうところに惹かれたのかなとも思います。
―映像やハンサムライブなど様々なジャンルで活動する松島さんですが、舞台で大切にしていることはどんなことですか?
僕はどこのステージでも、あえて何かを作らないように意識しています。悲しい表情や嬉しさ、怒りというものをお客さまに見せようとしない。舞台上にいる人物たちとただ会話をするということを大切に演じています。この何もしないというのがとても難しいんですけどね。
―unrato作品への出演は今回が2作目です。unratoの魅力をどんなところに感じていますか?
演出の大河内さんは、台本に書かれていることを忠実に、その時代に書かれたことをそのまま表現するということにこだわっているように感じます。そのこだわりが観て下さる方に受け入れられるのか…きっと怖さもあると思うのですが、でもそこを振り切って当時の空気までも蘇らせることを徹底されているところが魅力ですし、いつも素敵だなと思っています。
―この作品を通してお客さまに伝えたいことを教えてください。
“こういう人たちがいたから今がある”ということです。当時の人たちは活力がある。元気がもらえる作品です。ピーターは唯一の男性キャストで、ほかの登場人物との対比で、それぞれの魅力を引き出す立ち位置だと思っています。天文学に関しても、この時代にどうやって星までの距離を測ったのか、興味深いテーマがたくさん出てきます。天文学の専門用語もとても綺麗に丁寧に表現されているので、皆様に分かりやすく伝われば良いなと思っています。
▶︎松島庄汰さんのファッション事情◀︎
―今日は、稽古で実際に松島さんが着用されているスーツで撮影させていただきました。この稽古着を選んだ理由を教えてください。
今回の作品のピーターのキーワードはフォーマル。僕自身、スーツで稽古をするのは初めてです。この作品は、タイタニックの事故と同じ時代のお話ですので、当時の時代感や振る舞い、フォーマルさにこだわって、稽古場でもきちっとした格好でいようと思って用意しました。
―普段のファッションスタイルは?
楽なシルエットが多くて、フォーマルとは真逆のゆったりした雰囲気です。カチッとするのが苦手なんです。基本的に楽なスタイルが好きなので、パンツも太いシルエットのものを履くことが多いですね。
―カジュアルなスタイルが多いのですか?
カジュアルというよりも簡単なスタイリングが好きです。例えば秋だったらアクセサリーは着けずにセーター1枚にパンツのスタイル。基本的にシンプルなものが多いです。
―松島さんが素敵でいるためにしていることを教えてください。
人前に立つ仕事をしているので、常に見られているという意識があるのかもしれません。それが素敵でいることに繋がっているのかな?
―美意識も変わりましたか?
今年に入って、THE BODY SHOPさんとご一緒するお仕事があったときに乳液とか化粧水の話を詳しくお聞きして、少し意識が変わったように思います。普段使用するものも変わりましたし、肌のお手入れも前までは化粧水を使うときに顔を叩いてたんですが、染み込ませる、馴染ませるというお話を聞いて、その言葉を頭の中で想像しつつ、今化粧水を使っています。
―最後に、松島さんにとって秋といえば?
SNSをみていると、よく「金木犀の香りがしてきた。秋だ。」という投稿を目にするので、それを感じてみたいです!実は金木犀の匂いがわからないので、匂いを感じて、そのセリフを早く言ってみたいです(笑)!!そしてSNSに「金木犀の匂いがした。秋だ」と書きたいです!!情緒があってかっこいいじゃないですか。
【profile】
松島庄汰/Shota Matsushima
1990年12月26日生まれ、兵庫県出身。
2007年、「アミューズ30周年全国オーディション」にて準グランプリを受賞。2009年より俳優としてのキャリアをスタート。以降、ドラマは「仮面ライダードライブ」、「ベイビーステップ」などのほか、「武則天」(中国)、「きもの秘伝」(タイ)など海外でも活躍。近年の舞台に『ゲルニカ』、『染、色』、『富美男と夕莉子』、劇団鹿殺し『ランボルギーニに乗って』などがある。2022年12月『沈丁花』では主演を務めた。
■公式ホームページ
https://www.amuse.co.jp/artist/A0220/
■公式Instagram
https://www.instagram.com/shotamatsushima/
■公式X
https://twitter.com/ShotaMatsushima/
photo:Hirofumi Miyata
【公演概要】
■タイトル
unrato#12『Silent Sky』
■日程・会場
東京公演:2024年10月18日(金)~10月27日(日) 俳優座劇場
大阪公演:2024年11月1日(金)~11月4日(月・休) ABCホール
■作 ローレン・ガンダーソン
■翻訳 広田敦郎
■演出 大河内直子
■音楽 阿部海太郎
■出演
朝海ひかる 高橋由美子 松島庄汰 保坂知寿 竹下景子
(2024,10,16)
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