1920年に、チェコの国民的作家・劇作家であるカレル・チャペック によって発表された戯曲『ロボット』 が2024年に生きる人々に向けて、シニカルかつ不条理なドラマとして転換され、ノゾエ征爾さんの潤色・演出で11月16日からシアタートラムで上演されます。
作品の舞台となるロッサム・ユニヴァーサル・ロボット社の社長ドミンを演じるのは渡辺いっけいさん。そのドミン社長の妻であり、人権同盟代表としてロボットの地位の向上を訴えるヘレナを演じるのが朝夏まなとさん。
今回NorieMでは、朝夏さんに公演への意気込みや役作りについて、さらにはファッションについてもお話を聞きました!!

 

―舞台『ロボット』へ出演が決まったときのお気持ちを教えてください。
シアタートラムは、濃密な空間でお芝居を体験できるすごい素敵な劇場だなと思っていたので、まさか自分がミュージカルではなく、挑戦したかったストレートプレイで舞台に立つことができるなんて、思い描いていた小さな夢が一気に叶う感じがして嬉しかったです。

 

ーこの作品は朝夏さんにとって初のストレートプレイの作品です。出演することでご自身に期待されていることを教えてください。
今はすごく必死に自分の芝居をもっともっと掘り下げることと向き合っています。
私がイメージして考えたものを提示して、ノゾエさんがポイントポイントで指示をしてくださいます。その内容を受けて、そのポイントだけではなく、そこに至るまでの部分も含めて考えながら役を作っているところです。癖というか自分でも気が付かないところでミュージカルっぽい芝居になってしまっているところを細かく修正していったりしています。今回共演する皆さんは百戦錬磨の方たちですので、対峙してお芝居をしていると、「え??こんな気持ちで言うと思ってなかった、こんな声色が出ると思ってなかった」と、自分で考えていた表現よりも全然違う表現が突然自分から出てきたりしているので、結果としてどれを使うかはノゾエさんの演出によりますが、今はいろんなものを引き出していただいている時なので、そこが面白いですね。自分に期待するとしたら、今まで舞台上で出したことのない声で台詞を言うことが効果的であったり、許されるところなので、こんな朝夏まなとは見たことがないと思ってもらえるようにやりたいなって思います。

 

ー年齢や経験を重ねると新しく挑戦できることや機会がだんだんと減ってくると思うのですが、今、新しい挑戦をできることについてはどう感じていますか?
とても幸せだなと思います。そういう環境を作ってくれる事務所の方に感謝しています。やはり挑戦って怖い部分もありますが、挑戦したいと思えるということは、最初は何も分からず飛び込んだミュージカルの世界で、作品や共演した皆さんと出会い、楽しく感じられ、充実感を得られるようになったからだと思います。だからこそ、なにかもっと新しいことをやってみたいという前向きな気持ちにさせてもらえたと思っています。ミュージカルはこれからも続けて行きますが、今は反動で、すごく歌いたいなという気持ちがありますね!なんか本当に人間って強欲だなって思うんです(笑)。

 

ー新しい挑戦はどんな人でも怖かったり、ちょっと足がすくんでしまうことがありますが、前向きに取り組むことで大切なものが見えてくることもありますね。
私のファンの方からも転職をしたいけど勇気が出ないとか新しい職場でのお仕事がスタートしますとか相談をいただくのですが、そういう時は、私も一緒だよ!っていう気持ちになります。誰も知らないところに足を踏み入れるけど、怖がっている暇はない!自分のやるべきことに集中してやって行くしかないと思っています。新しい現場に行くと刺激しかなくて、生きていることを実感するので、すごくありがたいですし、この機会を無駄にしないようにしたいなと思います。

 

ー現時点でヘレナをどう演じていきたいと考えていますか?
台本上だとすごく純粋で天真爛漫な女性ですが、激しさを秘めていて、ヒステリックだったり、表では柔らかく言ってるけど、はらわたが煮え繰り返っていたり、すごくギャップがある人にしたいなと思っています。わがままだし、喚き散らしたり、どうしてそういうことをするんだと思うことも平気でやったりするので、何この女って思うのですが、人間っぽいんですよね。そう思ってもらえるようにどれだけ幅を持たせた表現ができるかが今の課題です。

 

ービジュアル撮影の時に意識したことはありますか?
社長令嬢ということで、品格は持っていたいと思ったことと、どこか歪な感じというイメージもいただいたので、力の入っていない抜けた感じで見ている人に「何なんだろう?」と思ってもらえるような不思議な感じはすごく意識しました。

 

ーたくさんの作品へ出演されている朝夏さんが感じている舞台を観ることの魅力を教えてください。
没入感だと思います。自分と向き合ってるリアルな人間が目の前にいて、その波動を感じたり。雰囲気、特に舞台はセットがあって、その世界観が目の前に広がっています。
直接触るわけではないけど、肌感みたいなものを感じられるところが魅力だなと思います。 あとは、単純に俳優さんに会えるとかでも良いと思います。好きな俳優さんと同じ空間で同じ時間を過ごせてるってすごいことじゃないですか!レア感があるなって思います。

 

ー最後に読者の皆さんへメッセージをお願いします。
今私は必死でこの作品に向き合って、自分でも知らないような自分に会えるように頼もしすぎる共演者の皆さんと一緒に作品を作っています。シアタートラムは、没入感を味わえる劇場です。目の前で起こるいろいろなことを孤島の住人のような感覚で、ご覧いただけ
ます。ぜひ体験しにいらしてください。


▶︎朝夏まなとさんのファッション事情◀︎
ー以前のインタビューで、お洋服を買うのはインスピレーションとお話しされていましたが、最近買ったお気に入りアイテムはありますか?
ベージュのブラウスです。「HYKE(ハイク)」というブランドが最近好きで、一見シンプルなんだけど、癖があるのが好きなんですよ。袖のところに大きくスリットが入っていて、秋に着るのにちょうどいいと思って買いました。実は、来年のカレンダーを自分でスタイリングしたんですよ!

 

ー全スタイルですか?
そうです! 最初は、ワードローブの中に来ていないお洋服が結構あるなというところから企画がスタートしていて、着ていないお洋服を着てみようということと、最近の自分の好きなスタイルをしてみようと、今まで着たことがなかったファーのベストを選んでみたり、私のファッション感が詰まっています。

 

ーカレンダーで毎月いろいろなスタイリングが見るのが楽しみになりますね!『ロボット』の上演が11月12月になります。朝夏さんの冬の楽しみ方を教えてください。
鍋ですね!

 

ーおすすめの鍋は?
ごま豆乳坦々です。ベースは買ったものを使うのですが、野菜と鶏肉を入れて作ります。お鍋の季節ですよね、上演の頃には鍋三昧で温かく過ごしたいですね。

【profile】
朝夏まなと/Manato Asaka

1984年9月15日生まれ。佐賀県出身。

2017年11月に宝塚歌劇団を退団後、『マイ・フェア・レディ』(G2 演出)に始まり、コンサートやミュージカルに多数出演。2020 年 に『Little Women―若草物語』(小林香演出)、『天使にラブ・ソングを~シスター・ アクト~』(山田和也演出)の演技に対し第 45 回菊田一夫演劇賞を受賞。その後 の主な出演作品は、【舞台】『モダン・ミリー』(小林香演出)、『SHINE SHOW!』(山 田和也演出)、『SPY×FAMLY』『こどもの一生』(G2 演出)、『王家の紋章』(荻田 浩一演出)、『メリリー・ウィー・ロール・アロング』(マリア・フリードマン演出)、 『BURNUM/バーナム』(荻田浩一演出)、『ローマの休日』(山田和也演出)など。 映画『ストーリー・オブ・マイライフ―私の若草物語―』ではジョーの声の吹き替え を担当。Artistspoken で配信パーソナリティも務めている。2024 年 4 月より放送 のドラマ「アンチ・ヒーロー」(TBS)に出演した。
■公式ホームページ

https://asakamanato.com/


■公式Instagram

https://www.instagram.com/asaka_manato_official/


photo:Hirofumi Miyata/interview&text:Akiko Yamashita


【公演概要】
■タイトル
舞台『ロボット』
■日程・会場
東京公演:2024年11月16日(土)~ 2024年12月1日(日) シアタートラム
兵庫公演:2024年12月14日(土)〜12月15日(日) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
■作 カレル・チャペック「ロボット」 (栗栖 茜・訳/海山社)
■潤色・演出 ノゾエ征爾

■出演
水田航生 朝夏まなと / 菅原永二 加治将樹 坂田聡
山本圭祐 小林きな子 内田健司 柴田鷹雄 根本大介 / 渡辺いっけい

公演情報はこちらをチェック

(2024,11,14)

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下記のリンクのインスタグラムに朝夏まなとさんのインタビュー撮影時のアザーカット&コメント動画を公開いたします!!

お見逃しなく!!

https://www.instagram.com/noriem_press/