韓国で社会現象を起こした『ミセン』がミュージカルとして上演されます。『ミセン』は、人生は“未完生”だから面白い。現代社会に生きる全ての人へ贈るリアルな物語です。韓国のみならず、日本でも2016年にリメイクドラマが放送され、さらには、第20回文化庁メディア芸術祭で、マンガ部門優秀賞を受賞しています。
漫画「ミセン」を原作としたミュージカルでは、囲碁のプロ棋士になる夢が絶たれ商社のインターンとして働くことになる主人公のチャン・グレ役を前田公輝さんが演じます。
NorieMでは、グレの同期のインターン社員のハン・ソギュルを演じる内海啓貴さんに公演への意気込みや役への想い、さらにはファッションについてもお話を聞きました!!

 

―ミュージカル『ミセン』へ出演が決まったときのお気持ちを教えてください。
今まで韓国で作られた原作の作品は今回で3作目になります。今までの作品はどちらかというとダークな印象でしたので、『ミセン』の最初の印象は、良い意味でなんか韓国っぽくないなと思いました。しかもミュージカルになるとどうなるんだろうと楽しみになりました。

 

ー演出のルピナさんの印象を教えてください。
稽古の中でインターン役の4人(チャン・グレ役:前田公輝さん、アン・ヨンイ役:清水くるみさん、ハン・ソギュル役:内海啓貴さん、チャン・ベッキ役:糸川耀士郎さん)とルピナさんでキャラクタートークをやった時に、「役者とコミュニケーションをとりながら作品を作っていきたい」と話していて、役者とルピナさんが持っているイメージや世界観をすり合わせるために、意見や考え、思いを汲んで細かく作品を作ってくださる方です。

 

ー新しい作品への出演が続いていますが、ご自身で感じる成長やご自身に期待することを教えてください。
なんか自分で言うのは恥ずかしいですね(笑顔)。2021年に出演したミュージカル『GREASE』でお世話になった上田一豪さんとミュージカル『9 to 5』で再びご一緒する機会をいただきました。ジョーというバランスが難しい役に向き合い稽古を重ねて、初日が明けた時に一豪さんが「今日見ていて僕はあっきーに合格スタンプを押しました。成長しましたね」と言ってくださいました。当時の僕にとって『GREASE』は大きな作品でしたので、それを見てくださった一豪さんに成長したと言っていただけて、本当に嬉しかったです。成長した部分を自分で客観的に見ると、より深い部分で、演出家とキャッチボールができるようになってきたと感じています。以前よりも自分の意見を言えるという中で、役や作品についてより深く追求できている自分がいると感じますし、そういう自分がいることが楽しいです。

 

ー先ほどインターン役の4名でのキャラクタートークのお話しがありましたが、同期の絆というのはすごく特別なものだなと感じますね。

やっぱそうですよね!同期とか同じオーディションを受けたとかそういう絆ってありますよね!僕にとっては、テニスの王子様で一緒だった三浦宏規には特別な思いがあります(笑顔)。稽古でキャラクタートークをした後に、4人で韓国料理を食べにいきました。公輝さんが「日本では打ち上げは稽古や作品が終わった後にやるけれど、韓国では、始まる前なんだよ。終わってからだと“これ良かったね”という話しかできないけれど、始まる前にやると関係性がより深まって、こうだったよねということを明日からも試せるから絶対いいと思うんだよね」と言っていて、本当にすごく仲良くなったと思います。4人それぞれが役にぴったりで、バランスもすごく良くて、演じるキャラクターとしているわけではないのに、キャラクターみたいな部分がプライベートでもあるので、食事をしながらも自分の役だったら今の状況ではこうなんじゃないかなと考えることができる素敵な仲間です。

 

ー4人の魅力はどんなところですか?
本読み段階からそれぞれの役にマッチしている本人のキャラクターを軸に役を作っているところが魅力ですし、演出のルピナさんもそこを尊重してくれています。キャラクタートークでは、まずキャラクターについてどう思っているのか。それぞれの意見を聞くと、自分との捉え方の違いに気づいたり、ディスカッションを通して役を立体的に捉えることができます。台本を読んで自分一人で作っていくのではなく、インターン4人でそれぞれの役を作っていけるような関係性、仲の良さが舞台上で出せたらと思います。今回のミュージカルは、ドラマだと20話くらいのものをギュッと凝縮しています。削ぎ落としたシーンもありますので、そこを埋められるような関係性や、短いシーンであるけれど深く感じてもらえるところを作っていきたいとルピナさんが話していましたので、4人の仲の良さが舞台上に出ることでそれぞれの魅力を感じてもらえると思います。

 

ー内海さん演じるハン・ソギュルのビジュアルはかっこいいクールなイメージがありますが、どんなキャラクターですか? 
ビジュアルはそうですが、実は全然違くて、すごく口が達者で、オフィスではなく、現場を愛している人です。「現場がすべてなんだ」というくらい現場を愛して、現場で頑張っている人の姿を大事にしている役です。それ故主人公のチャン・グレとぶつかる部分があって、そこが一番の見所だと思います。すごく好奇心旺盛で、自分の可能性をどんどん試して、現場でいろいろな情報を得たことをすべて吸収していくようなキャラクター だと思っています。そしてバランサーでもあると思います。 インターンの4人がみんなで楽しくわちゃわちゃしていられるのは、ハン・ソギュルの温かさや、現場で頑張っている人たちにずっと声をかけてきたから出る温かさが4人をまとめているのではないかと思います。ハン・ソギュルがいなかったらみんなこんなに仲良くなっていないだろうな。そういう役どころです。

 

ー歌の部分で取り組んでいきたいところを教えてください。
この作品は、テンポがすごくいいんです。だからこそ、曲のテンポに負けずに、心をしっかりとついていけるように作っていきたいです。チャン・グレとの関係性をしっかりと深めることで、歌にも繊細さと深みが出てくるようにできたらと思っています。

 

ー作品への出演を重ねて、内海さんの歌い方に変化があると思うのですが、歌について意識していることはありますか?
2024年は、歌い上げるというよりは、台詞の延長線上に歌があり、内面をより大切にする繊細な曲がすごく多くて、歌い始めから気持ちをのせて歌にしていくというチューニングって改めて難しいなと思いました。この作品も、ルピナさんからも歌い上げるようには歌わないでとおっしゃっていますし、そういう楽曲が1曲もないので、本当にそこが面白い作品だなと思います。歌稽古の時に台詞からイメージして想像していた歌とメロディーが全く違う楽曲だなと思いました。想像よりも明るかったりしたので、ルピナさんに聞いてみると「意図的にそうしています」とおっしゃっていました。それは、会社にいると本音と建前という部分があるので、言葉は暗いけれども楽曲は明るくと意図にしているんです。だからこそただの明るい曲にしないように内側をしっかりと作り、本音と建前を曲で表現したいですし、そこがすごく面白いなと思いました。

 

ー今作でも石川禅さんと共演されますね。内海さんにとって石川さんはどんな存在ですか?
僕にとっての先生です!ご一緒するのは「アナスタシア」の初演と再演、「ダーウィンヤング」に続いて4作品目になります。禅さんは、「これどういう風に歌えばいいですかね?」と相談に行くといつも優しく教えてくださいます。ありがたいことに同じ事務所の後輩になりましたので、もっともっと甘えていこうかなと思っています(笑顔)。

 

ー最後に内海さんご自身の見どころと読者の皆さんへメッセージをお願いします。
オフィスワークから生まれるミュージカルです。 今、この時代に働いている人であったり、これから社会に出る人、本当に幅広いお客さまに響く歌や台詞が含まれているので、それを僕たち役者が思いを出していき、多くの方に共感してもらえる作品にしていきたいなと思います。見どころはチャン・グレとのデュエットです。本当にオフィスワークで働いている方、本当に幅広い年齢の皆さんそれぞれに刺さる台詞もたくさんあると思います。そこを大事に届けていきたいなと思います。見にきてくださった方が、明日も仕事頑張ろうと思えるような作品を作っていきたいなと思います。劇場でお待ちしています。


▶️内海啓貴さんのファッション事情◀️
ー本日の撮影衣装のお気に入りポイントを教えてください。
今回の衣裳では父から譲り受けた大切にしているジャケットが一番のお気に入りです。アクセサリーも以前出演した「ロミオとジュリエット」の役で着けるようになってからはまって、以前はリングとかはつけなかったのですが、つけるようになりました。

 

ーこの冬に挑戦したいファッション、最近買ったお気に入りのアイテムを教えてください。
最近ブラウンベースのシャツを買いました。最近、僕はイエベだったと知りまして、自分に合う色、合わない色があって、結構秋っぽい服、くすんだ色、ダークグレーやネイビーでも濃いネイビーが似合うと聞きまして、濃いチェック柄とか紺色のものを集めるようにしています。最近買った「ノースフェイス」のレインコートも、紺と黒で、色を大事にしてファッションを選んでいます。

 

ー内海さんの冬の楽しみ方を教えてください。
僕はコートとかアウターとかダウンとかそういったものが好きなのでコートを着れることです!冬は寒いけど結構好きなんです。夏は暑くて、ファッションというよりも快適に過ごすことを考えてしまうので、冬だと重ね着をする中でスタイリングを試していけるのもいいですね。今は色に重点をおいて、自分に合う色のマフラーとかコートとかを探したりしながら冬のファッションを楽しんでいきたいです。

【profile】
内海啓貴/Akiyoshi Utsumi
1995年1月16日生まれ。神奈川県出身。AB型。

主な出演作は、ミュージカル『テニスの王子様3rdSEASON-全国大会-氷帝学園』日吉若役、2017年舞台『イムリ』主人公デュルク役、2018年ミュージカル・本格幻想RPG原作『陰陽師~平安絵巻~』白無常役で出演、東京、深セン、上海、北京での公演にも参加。主な出演作は、ミュージカル『「黒執事」-Tango on the Campania-』(2018年)、ミュージカル『アナスタシア』(2020年、2023年)、ミュージカル『バーナム』、ミュージカル『グリース』(2021年)、ミュージカル『ラ・カージュ・オ・フォール 籠の中の道化たち』(2022年)、ミュージカル『ドリームガールズ』(2023年)、ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」(2024年)、ミュージカル『9 to 5』(2024年)。

■公式ホームページ
http://www.suns.fm/akiyoshi-utsumi/


■公式twitter
https://twitter.com/utsumi_akiyoshi

photo:Hirofumi Miyata/interview&text:Akiko Yamashita


【STORY】
主人公のチャン・グレは子供の頃から囲碁のプロ棋士になることを目指し厳しい修練を重ねてきたが、囲碁のプロ棋士になる夢を諦めざるを得なくなり、社会に放り出されてしまう。
特別な学歴やスキルがない彼は、働くことに対して強い不安を抱えながらも、知人の紹介で大手貿易会社「ワン・インターナショナル」のインターンシップに参加することとなる。
入社早々、グレは厳しい現実に直面する。熾烈な争いを勝ち抜いてきたエリートばかりの同期インターンたち。企業社会での経験が皆無のグレは、明らかに遅れを取っている。エリート街道を歩んできたアン・ヨンイや、地方出身で努力家のハン・ソギュル、学歴もありプライドも高いチャン・ベッキ、といった個性的なメンバーが揃い、それぞれが異なる課題に直面しながらも競い合っている。
グレが配属された第3課は会社では日陰の存在。この課を率いるのが、情熱と人間味あふれるオ・サンシク課長。オ課長は、表向きはぶっきらぼうで口が悪いものの、部下たちを思いやり、仕事に対する強い誇りを持つ姿は、「会社員としての生き方」をチャン・グレに教えていく。彼の指導の下、グレは自分の経験や囲碁で培った戦略的思考を仕事に応用し、少しずつ成果を上げていく。インターン生たちもそれぞれの試練を乗り越え、個々の成長だけでなく、互いに支え合いながら成長する重要性を学んでいくことになる。
「ミセン」は、企業を舞台にした物語でありながら、企業内での出来事を通じて社会全体の縮図を描き出している。働くことの意味、人間関係の複雑さや仲間との絆、個々の成長と葛藤がリアルに描かれ、登場人物たちがさまざまな社会的な課題に直面しながら人生を選択していく。企業という社会で繰り広げられる物語は、観客の共感を呼び、働き生きることについて深く考えさせられる。

 

【公演概要】
■タイトル
ミュージカル『ミセン』
■日程・会場
大阪プレビュー公演:2025年1月10日(金)
大阪公演:2025年1月11日(土)~1月14日(火) 新歌舞伎座
愛知公演:2025年2月1日(土)~2月2日(日) 愛知県芸術劇場大ホール
東京公演:2025年2月6日(木)~2月11日(火・祝) めぐろパーシモンホール 大ホール
■原作著者 ユン・テホ
■著作権者 SUPERCOMIX STUDIO
■脚本・歌詞 パク・ヘリム
■音楽 チェ・ジョンユン
■翻訳・訳詞 高橋亜子
■演出 オ・ルピナ
■出演
チャン・グレ:前田公輝
オ・サンシク課長:橋本じゅん
アン・ヨンイ:清水くるみ
ハン・ソギュル:内海啓貴
チャン・ベッキ:糸川耀士郎
パク・ジョンシク課長:中井智彦
キム・ドンシク課長代理:あべこうじ
居酒屋店長/協力会社社長:東山光明
チェ・ヨンフ専務:石川禅
ソン・ジヨン次長/チャン・グレの母:安蘭けい ほか
■公式ホームページ
https://horipro-stage.jp/stage/misaeng2025/
■公式
https://x.com/misaengmusical
■公式Instagram
https://www.instagram.com/misaengmusical/

(2025,01,30)

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下記のリンクのインスタグラムに内海啓貴さんのインタビュー撮影時のアザーカット&コメント動画を公開いたします!!

お見逃しなく!!

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